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(No.11-65) 児童書です。面白さにかなりの信頼を置ける、徳間書店の児童書。
一見地味な表紙ですが刺繍の柄がとても素敵な服の絵、描いたのはこみねゆらさんです。
内容紹介を、表紙裏から転載します。(あまりにネタばれな数行は削除)
『仕立て職人を父に持つ13歳のメアリーは、刺繍が得意なお針子だ。花や鳥など自然の美しさを布に刺していくメアリーの腕は、かなりのものだった。
父が仕えるシドニー卿のもとにウォルター・ローリーが訪れた。シドニー卿の妻子がエリザベス女王を訪問するのに同行しようというのだ。そして、その際に身につけるマントを作るのは、メアリーと父の仕事になった。
しかしある夜メアリーは・・・・。(以下3行削除)
エリザベス朝時代を舞台に実在の人物を巧みに配して、女王を救おうと奔走するお針子の少女の冒険を描く、ロマンティックでスリリングな物語。』
おおっ、かの有名なシーン、女王の前に広げられたマントですね!マントは当然作った人がいますよね~。それを切り口にするなんて素敵だわ。
この時代の貴族が仕立て職人の工房を丸抱えしてたとは知らなかったけど、読んだら当然かなと思いました。貴族の一家が着るものはそこらへんから出来合いを買ってくるわけじゃないので、誰かが作らないといけない。大きな都市なら仕立て屋の工房に外注もありだけど、田舎の領主だと職人を抱えていないと服を調達できません。
メアリーのお父さんはその工房の頭で、弟(メアリーの叔父さん)はナンバー2、その他親戚も一緒に働き、メアリーは子供なのでいろいろ言い付かって手伝い仕事、と一族が住み込みで働いてます。貴族が生活していくうえで、大勢の使用人が必要な様子がメアリーの視点から見えてきました。
ただお針子のメアリーを主人公にしたため、物語に弱いところも出来てしまいました。貴族たちの熾烈なバトルが遠い。ローリーや女王の姿が、世間知らずの少女の目を通してみるためなんとなくくっきりしないの。権力者ならではの行動原理が、メアリーには分からないから。魅力的な題材なのに惜しいなあと思いました。
私は今までに見たエリザベス女王を扱った映画を思い出して、それを補いながら読みました。
作者はイギリス人で、5つものペンネームを使い分けている人だそうです。ケイト・ペニントンはYA歴史小説のときに使っているペンネーム。
イギリス人ならこの時代の知識は当然あると、あえて女王たちに関して詳しく語らず周辺秘話という仕立て方をしたのかしら。だったら私の読み方で良いのかも・・・。
なかなか面白かったです。
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エリザベス一世のイギリス。カトリックとイギリス国教会のせめぎあう英国。領主の仕立て職人の頭を父に持つメアリーは、繊細で独創的な刺繍が出来るお針子として重宝されていた。ある日、お屋敷が火事に見舞われ、父は亡くなり、その場に居合わせたメアリーは、カトリック信じる執事たちのエリザベス女王暗殺計画を聞いてしまう。死の間際の父親に「誰にも言うな」と言われ、その言葉を守るメアリーだが、ウォルター・ローリー卿に寵愛された事から、エリザベス女王とその取り巻きたちとの世界に巻き込まれていく。
実在の歴史上に人物を巧みに描きいれ、女王暗殺を必死に阻止しようとするお針子のメアリー。読みやすく、ドキドキさせながら、エンディングへと向かいます。
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図書館
16世紀イングランド、エリザベス女王暗殺計画の陰謀に巻き込まれた少女メアリーのお話。
んー……面白いには面白いんだけど……もう一声!って感じだなあ。
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その時代に存在した人をノンフィクション風にアレンジした小説。両親を亡くした13歳の少女が、独りで生き抜くお話し。現実にはあり得ない話かも?
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貴族の家に仕立て職人として使える父親を持った娘。
親の職が職なだけに、娘の刺繍の腕前はかなり自慢できるもの。
陰謀に巻き込まれた少女は13歳。
この時どうしていたかと言われれば…呑気に中学生してました。
確実にこんな生活はしてません。
身分もそうですが、閉鎖社会は恐ろしいものがあります。
いやでも、自分の仕事が一瞬にして
文字通り足蹴にされるのは…ショックです。
あれだけの時間、あれだけの努力が一瞬で足蹴。
しかも隣には、この状態に陥らせた人。
大人でもなく、子供でもないからそこ、な純粋さ。
陰謀に巻き込まれるのは、嫌です。
生まれ育った場所一番、と悟るには
少々早い気がしなくもないですがw
全体的には、童話みたいな感じかと。
最後の因果応報具合が。
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おもしろかった。
主人公の少女がいい。
自分の好きなこと、大切だとおもうこと、
ちゃんと自分の頭で考えて、自分の足で立っている。
縫物、かあ。
刺繍とか、根気とか集中力とかめっちゃいりそう。
でも、こう自分の思い描いたものを自分の手でつくりだすことが
できたなら楽しいだろうなあ。
あの時代の使用人と主人って、ほんっとにかんっぜんに別の生き物って
ゆー扱いなんだろうな。
決して逆らうことのできない制度っていうか・・・・。
その中で幸せな人もいただろうけど、そうじゃない人もいっぱいいたんだろうなあ。
ラストらへんのエリザベス女王を語るセリフがぐっときた。
払っても払っても払いきれない権力の闇。
それでも側にいたかった?
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エリザベス女王への陰謀を聞いてしまったことで、お針子のメアリーの平和な生活が危険なものにかわります。
父を殺され、メアリー自身も命を狙われ…。
メアリーの目から見た当時のロンドンの様子、宮廷の虚栄と陰謀。
歴史ものとしても面白いのですが、素直で正直なメアリーの小さな活躍等、サスペンスとしても楽しめました。
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ヤングアダルト。
エリザベス一世の統治下の英国。
お屋敷のお針子頭の父を殺されたメアリーは、
父に代わって、マントづくりを依頼される。
マントの持ち主はウォーター・ローリー。
プロテスタントとカトリックとの陰謀渦巻く宮廷を舞台にした物語。
ドキドキしながら読める一冊、テンポよく読める。
数時間で読了。
開幕したロンドンオリンピックを横目に
英国の史実をちりばめた軽い読み物もなかなかなのもの。
細かい衣装の描写、当時の生活の模様など
うまく盛り込められているのも、楽しい。
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13歳の小さなお針子が、エリザベス女王の暗殺計画を聞いてしまい、女王を守るために奮闘する話。
大人なら当たり前と割り切ったり、諦めるようなことでも、子どもゆえに戦おうとする。
子どもの視点から見た、小さな世界と大きな世界。
子どもの頃の方が細かいことを知らなかったり、考えない分、勇敢かもしれない。
それが懐かしくもあり、羨ましかったりする。
児童書だけど、面白かったです。
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歴史を舞台にした物語であるという以前に、まずその表紙絵が、
確かにスリリングなその展開が、ロマンを主軸(?)にの内容がと、
何よりYA世代を惹きつけそうな要素にあふれていると感じた。
宮廷の、これでもかという程に華やかな衣装合戦とそれをを支える
裏方。主人公の、十分に可愛らしいお針子のその歴史冒険物語と
あって、大人もひととき楽しめることだろう。
ただ、個人的には所々に気になることが。
あのマントはあれから一体どうなってしまったのとか、まるで「シン
デレラ」に出てくるようなおなじみの展開が、とか・・・いろいろ。
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48点。表紙が可愛いし、エリザベス女王のお針子とあるから宮廷でのきらびやかな生活を思い浮かべたら全然違った。
主人公が美人で真面目という優等生タイプで、特に冒険はしないし、歴史上の登場人物との絡みも中途半端で、作家が何を描きたかったのかチンプンカンプンだった。
ロマンスもなかったし、立身出世もなかったしで、エンタテイメントとしても評価できないし、舞台や美人で腕のいいお針子という恵まれたキャラ設定の割にクライマックスはたいしてふくらまないがっかりなオチだった。
「消えたヴァイオリン」みたいにもっとエンタテイメントに徹してくれればそれはそれでよかったのに。
中途半端で子どもにも薦め辛い作品。エリザベス女王に関心のある奇特な子がいれば薦めたい。
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舞台は中世イギリス。女王暗殺計画が絡んだサスペンスミステリー。
腕の良いお針子の少女(13歳)の自然を愛する気持ち、一職人として生きることへの純真な喜び、彼女は最初から最後までブレないので、出世を望み陰謀を企む周囲の大人たちがより滑稽に見える。
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児童作品なだけあって、大人には少し物足りないかも。
子供の時に読んでたら、わくわくできたんだろうな、と思う。
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布や刺繍、服の描写が丁寧でワクワクする。
映像で観てみたい。
女王陛下暗殺の陰謀を知ってしまったお針子メアリーのお話。もう少し荒唐無稽というか、コージーミステリぽく、主人公がアクティブに活躍する話を想像していたけれど、そうではなかった。
(私は歴史に詳しくないけど)リアルに、実際の使用人はこうするしかなかったんだろうな、と思わされた。
大変好みの小説でした。
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私は、私らしく、私の好きなものとともに生きる。
あの水たまりに敷いたマントだと全然気づけませんでした。反省。階級による意識の違いみたいなのがくっきり出ていて、それがまったく分かり合えない溝として描かれていたのが印象的。時代の空気というか、その頃のロンドンの悪い面が描かれていたのは新鮮。でも、何かが足りないというか、ちょっともやもやしています。