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紙の本
さらに混沌が拡散していく息詰まる展開
2011/09/29 02:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
相変わらず息詰まる展開が圧倒的なシリーズである。なかなか休ませてくれないところは、読み手もある意味で養護教諭の茅野先生と同じ状況に置かれているようだ。しかし、茫洋としながらもどこか前向きに受け止めているようでもある茅野先生に負けることなく、読み手もこのシリーズの行く末を見届けなくてはならない。そんな気持ちも沸いてくるようなこないような……。つくづく読み手の感情も混沌に叩き込むシリーズと言わねばなるまい。
さて、さらに不穏と混沌の度合いを増していく本巻ではあるが、その元凶たる「夢見装置(マシン)」が他校にまで拡散していくところこそ不安を掻き立てられるものの、実は他にこれといったエポックメイキングな展開は無かったりする。起承転結で言うところの「承の継続」と言えるかもしれない。ただ、この拡散により最早制御不能の領域に入ってはいないか?との感覚が、メインヒロインにして“狙われるヒロイン”でもある灯明の一難去ってまた一難振りを加速させていたりもする。
さらにエスカレートしていき、ほとんど開き直り状態にまで達観した茅野先生に加え、現実に被害を蒙る女子生徒も現れる事態に対して今一つ釈然としない行動に終始する(かのように見える)内田の思惑を完全に超えたところまでに発展していく(かのように見える)現状を読み手がどのように捉えるか。夢と現実の狭間がどんどん狭まっていくような、あるいは夢と現実が逆転するような状況を呈してきた中で今後どのような展開を迎えるのか。次第に見えてきた灯明の過去と共に固唾を呑んで見守りたいものである。
官能表現についてもまた相変わらずの淫猥さを維持してはいる。シチュエーションもカラミそのものも秀逸。ただ、今回は少しばかり場面自体がやや控えめに思える。
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