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ようこそ、ここは、塔と水路の町。
捨てられた赤い印のついた地図。
あのねぇ、雨を数えてはいけないよ。
雨を数えると鬼がくるよ。
住人は塔のことを何も知らない。
真実を隠すために、知らないふりをしているみたいだ。
溺れかけていた猫。
死んだ男は、一つの謎かけを残した。
下流で枝分かれしていて、雨の量で出口の変わる水路。
この町の秘密。
水の無い所に架けられた木製の小さな橋。
不思議な模様の毬。
ステンドグラスに描かれた、亀、糸切り鋏、天の川。
崩れたまま放置されている3つ目の塔。
川沿いに建つ洋館。
数々の魅力的な要素が、ふんだんに散りばめられている大作。
その多くの要素に負けないくらい多い登場人物。
それでも、読みにくかったり、混乱したりするようなことはないように書かれています。
「恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。」
と、言われるのも、頷けます。
雨が、この町を襲う。
雨が、この町に隠された本当の姿を描き出す。
とても美しい作品でした。
最期はやっぱり、恩田陸だった。
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下巻も同じ構成。
死んだ男以外に死人が出て、物語は大きく動く。
そこそこの緊張感、この人が死ぬんだ、というささやかな驚きはあったものの、
ぴんと張り詰めたものがなく、想定内に収まってしまっていた。
オチも相変わらず、いやとても微妙。。
もう一歩の盛り上がりがない。
登場人物もバラバラしていて、こういう形式の小説にある、一点へ収束していく感覚がなくて、物足りない。
恩田陸にはもうだまされないぞ、と、何度目かの決意。
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うーん、結局詰めが甘いというか押し切れずというか。
色々伏線として張り巡らせたらしい設定を上手く活かしきれないまま終わった。
個人的には恩田陸は買っているが、同作品にのっとり鳥瞰的にこの作家を見ると、どうも今一つというのが世間的評価であり、それもむべなるかなという気がする。
この作品もご多分に漏れず、、、ちょっと残念。
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散らばったピースは思わぬ方向で決着した。出来上がったパズルを俯瞰で見たら、やっぱりバラバラに散ったままだった。なんだか雲をつかむような本だった。
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再読3回目。
すごい結末。少しずつ、空白が埋められていくパズルみたいな作りの物語。謎が解けていく爽快感、と言いたいところだけど、「なんだ、この結末は!」という、してやられた感が満載。
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ネクロポリスでこりごりだったけどなぜだか買ってしまうのが恩田陸なんだよなぁ。ほいで、今作、久しぶりに最初から最後まで面白かった。まだまだ、腑に落ちないところはあるけど今回は綺麗いまとまったと思う。落ちはあまりにも突拍子なかったけどね。恩田陸のなんか不思議な雰囲気とかミステリーなんだけどほかのミステリーと違ってただの推理物じゃない雰囲気は大好きである。今後もこんなきれいにまとまる本が増えることを期待する。
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ネタバレだらけです。
謎を思いつくままに散らしまくり、風呂敷を無理やり畳むも穴だらけ。
そうだろうと思いつつ読んでたから平気でしたけど (^_^;)
分かっていても文章とか登場人物が魅力的だから手にとってしまう。
恩田さんのお約束芸ですね。
今回は双子のおばあさんが可愛くて良かったです。
気になる点をいくつか。
上p191、192で、吾郎は3月に姿を消し、3ヶ月の空白期間の後、6月過ぎにM町に現れた、とあなた(楡田栄子)は考えているが、
下の第18章を読むと、吾郎は失踪直後にM町に来ている。
(栄子の勘違いと言われたらそれまでですが)
紫陽花とハンカチの事件で、ハンカチは予行演習のためだった、と虹江さんは考えるが、結局全く関係なかった。笑
吾郎の弟の存在意義と、意味ありげなビデオテープと小説。笑
それにしても、田中健三さんがよく分からない。
新村家の秘密もよく分からない。
秘密とは。
M町に一定を超えた大雨が降ると、町全体が浮き上がってしまうこと。
三本の塔はその際の水抜き穴の位置に、何も建てられないようにするために建っていること。
秘密にする理由とは。
浮島であると知れたら資産価値が下がるから。町の共同体がバラバラになるから。
(若月慶吾の「あいつ」が言っている)
M町で旧家として一目置かれている新村家が秘密にするのには、一応筋は通っているのかな。
でも、田中さんが丘を監視していた理由が分からない。
吾郎が掲示板に貼っていた内容の意味が分からない。
不吉な電話の事件の、志津と辰五郎の会話も意味が分からない。
他にも色々ありますが、書くのが面倒臭くなったので、以上でやめます。
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塔のある町が抱える秘密を住人たちは何も知らない。夜に塔を見てはいけないという町に伝わる不思議な教え。亀とハサミと天の川のステンドグラスが表す意味とは。殺された男は駅の掲示板に奇妙な貼り紙を持ち込み、誰かと連絡を取っていた。彼は町の秘密に、触れてしまったのか。雨が降る。町の本当の姿が明らかになる。
そんなに大きな秘密なのかなぁ。
死んじゃった人もたまたま亡くなっただけだったり、最後まで知っちゃうとなんだかなぁって感じだった。
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秘密の隠された町での話。
視点の変わりかたも
町の雰囲気も
いい感じだったのに
終盤がなんだかな。
最後がわからないしつまらない。
消化不良というか残念。
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失踪した市川吾郎とM市に秘められた謎を描く、恩田陸さん独特のミステリーファンタジーな物語です。
解説によれば、317回に渡って新聞連載してきたとか。
1回毎の字数制限や締切を考えると、恩田さんにとっても実験的な作品だったのではないでしょうか。
ふわふわした読了感や明示されないままの謎が残ってはいましたが、なかなか楽しめました。
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下巻。
上巻が素晴らしかっただけに……
伏線を回収しきれていないような気がしたのは、私の読みが浅かったのでしょうか。
うーん、、、上巻、すごく面白かったのに。
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悪い意味でびっくりした。
男の死の理由ってほんとにあれでいいの?
街の謎とかともっと深く関わってくのかと思ったらとんでもない。
ほとんど必要ない登場人物とかたくさんいるし…なんというか少しがっかりな終わらせ方だなあ
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全体的にはまあまあ。良かったけど、今まで読んできた恩田陸作品の中ではあまり引き込まれなかった。段々としていた。
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20131206
p29
大人は何でもすぐに忘れてしまう。楽しんだことも、怯えたことも、傷つけたことも。
p136
忘れるというのは、罪深いことだ。しかし、忘れなければやっていけないこともある。
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まさかの展開でびっくり!殺人事件を解決する普通のミステリーかと思ったら全く違った。ファンタジー?だし、上巻の伏線回収がイマイチ、、、。捨てられた地図の件とか、「わたし」が意外と普通だったりとか。うーん。だったらはじめから「わたし 」じゃなく普通に名前でよかったのでは、、、?
恩田陸好きだけど、これはちょっと合わないなぁ。