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宮地自身の著書『環状島』にある、トラウマを持つ人と支援者との関係の「環状島」モデルによる説明と、東日本大震災への適用がまず語られる。そのあとに、被災者、支援者、被災地から遠い人、と説明が続き、最後に震災トラウマと復興ストレスについて語られる。
『環状島』はやや手ごわい本だが、その理論部分を著者本人がわかりやすくまとめてくれてあるのがありがたい。キーになる本のガイドも文中で詳細になされる。
具体例の例示などもあるが、実際今回の震災に関わる中で同様のことを見聞きし、そもそも環状島モデルが阪神大震災の後に考え出されたことに思いをはせた。
被災者、支援者はもちろんのこと、そのどちらにも属さず、ときにはサバイバーギルト(生き残ったことを罪と感じる)に悩まされる多くの人々にとっても、この小さな冊子からは、元気を汲み出すなにがしかがきっと得られることと思う。
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岩波ブックレットで薄い、安い。福岡-宮崎間の高速バスで読み切った。どちらかと言えば、被災者を支援する側にとって有用か。著者独自の環状島モデルで、自分の立ち位置がよく分かる。本体と思われる「環状島=トラウマの地政学」が読みたくなった。福岡には山ほどあったのに、ここいらでは売ってない。注文しなくっちゃ。
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烏兎の庭 第四部 箱庭 12.24.11
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto04/diary/d1112.html#1224
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被災者、支援者、その周囲にいる者たちが抱えるであろう問題を、「環状島」モデルで説明しています(このモデル、僕には理解しにくかったので何度か読み返しました。僕の理解力のせいですね)。
・被災者にとっての支援者は、仲間ではあるがよそ者である。
・支援者と被災者の間に「吊り橋効果」がかかり恋愛感情が生まれやすい。そこにトラブルの種が隠れている。
また、被災後の時間経過とともに、関わる者たちの中にどのような心理的変化が起きることが予想できるのか、などが書かれていて、今、われわれが知っておくべき内容が書かれていると感じました。
著者は精神科医です。
今回の震災に関しても
・生き延びた人が罪悪感に嘖まれる
・支援者間で支援競争や領地争いがおこる
・支援者が燃え尽きる
・遠く離れている人にまで無力感がおよぶ
などの例が見られます。
このような心理が生じることを知っておくと、きっと心の有り様も変化するのだと思います。
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震災によってもたらされた多くのトラウマやストレスを環状島というイメージモデルを使って考察している。
環状島=ドーナツ型の島を想定し、内側の輪の中に内海、外に外海を置き、内海の中には死者(犠牲者)、内海から尾根に上る内斜面に生還者、尾根から外海に下りる斜面に支援者、外海に傍観者や無知無関心の人々を当てはめ、分かりやすくそれぞれの立場や精神状態を理解出来るように解説してくれる。
自分の現在の立ち位置を確認するのに役立つ本と言える。
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震災ボランティアとして2度ほど被災地に行った身として、共感できる部分がたくさんあった。
特に環状島モデルは秀逸。
自分自身の問題意識に引きつけて、新たな環状島を浮かび上がらせることができる、というのは興味深かった。
支援者として、仮設住宅の聞き取り調査に関わること、東京で脱原発の運動などを起こしていくことは、新たな環状島を浮かび上がらせ、声なき声を届けることに繋がるのだ、と再確認することができた。
とてもおすすめの本。
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本書で出てくる「環状島モデル」は、たとえば被害者や支援者等、様々な存在、そしてそれらの関係性を素描しイメージするのにとてもわかりやすく、秀逸だと思った。一元的には語れない「被害」や、「こころの傷」についてどう考え、これからどんなことが必要になったり、困難があらわれるかといったことを考えるための手助けになる。
・・・
「被災者、あるいは支援者はかくあるべき」という風に、想定されてるイメージに押し込められることを拒否する人だって必ずいるだろうし、そうできなくて辛い思いをする人もいる。そういった細かな部分を見ずにただひたすら「復興」へと向かうことは、小さな傷や痛みを無視した、一部分、あるいは「多数派」の傲慢や暴力になると思う。
この本には、そうならないための「復興」への道のりをつくるためのヒントがあったと思う。
http://blog11.fc2.com/control.php?mode=editor&process=load&eno=13
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なぜか「自分の方が流されれば良かった」「なぜxxxを無理にでも止めなかったのか」と感じてしまう人達、それはどうしてなのか。東北の被災者でない人達も「こんなことで良いのか」と思ってしまったり、傷ついている。なぜ?東北震災から時間のたちつつある今、被災者も支援者も距離を置いている人も心に触れるところがきっと出てくる不思議な学術本。薄くて読みやすいよ。
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【環状島=トラウマの地政学】で書かれた
「環状島」をモデルに
震災トラウマに焦点を絞って書かれた本
本自体はとても薄い
しかし 被災者のトラウマだけでなく、支援者の受けるトラウマを
キーワードを使い簡潔に説明している
とても分かりやすい本だと思う
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被災地支援を知るために手にとったブックレットでしたが、読み進めるにつれて、別の「現場」でも応用できる考え方が紹介されていることに気づきました。
トラウマの中空構造に関しては、「語られないこと」をも大切にされていることが伝わってきて、胸がじんわりしました。
「環状島」について知ったのは、このブックレットが初めてでした。
「ウチ」と「ソト」に分かれていて、どこにいるかで感じることがまったく違うこと、
「仲間」になれるのは「ウチ」の人だけで、「ソト」の人は「味方」にはなれるけど「仲間」にはなれないことなど、
説明されると「ほんとにそうだ〜!」と、深く深く納得のいくことばかりでした。
「環状島」は「感情島」でもあり、「感情」の取り扱いで気をつけた方がいいことも紹介されており、
日々の支援活動で役立つ知恵をたくさん受け取ることができました。
こんなにも複雑で、センシティブな内容を、
こんなにもわかりやすく、すっきりと伝えることができることに、
とてもとても驚きました。
このブックレットを読むこと自体が、私にとってはややしんどい体験でしたので、すぐは読み返せないと思うのですが、心の元気が回復したら、繰り返し読み込んで、紹介されている内容をしっかり身につけたいと思います。
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▼東日本大震災は多くのトラウマ(心の傷)をもたらしました。「心のケア」の必要性についても、すでに多くの人が指摘しています。
けれど、震災からの復興がもたらす傷つきについては、あまり気づかれていないように思います。復興はよいもの、望ましいものと思われがちだからです。(p.2)
宮地さんは、これまでの支援経験をもとに、「環状島」というモデルを使って、被災者と支援者との位置関係、そこに起こる葛藤や変化を説明する。とくに第3章の「支援者の位置」の話が、印象的。これは被災者との関係に限らない、「支援」という場でどこでも起こりうることだと思う。
▼支援者が自分のこれまで未解決の問題や過去の人間関係を被災者に投影させたりすることもあります。…(略)円自己の不全感を満たそうという気持ちが支援者の無意識の中にあると、被災者を支配しようとしてしまうこともあります。被災者が自分の思いどおりに動いてくれなかったり感謝してくれなかったりすると、腹が立って被災者に批判的になるかもしれません。(p.30)
宮地さんが大学でトラウマの授業をするときに必ず見せるという二つの写真。
イラクのアブグレイブ刑務所で米軍によって行われた拷問で、「フードをかぶせられ、小さな箱の上に立たされ、手足にコードを結びつけられた捕虜」、そして「捕虜のすぐ前で猟犬が吠えている」という写真。コードには電気が通っていなかったし、犬は噛みつかない、そんなことに怯えていたのかと嘲笑されもするというが、こうした"疑似処刑"は有名な拷問の手法であると。
▼暴力が「未遂」であれば、結果的には「無事」で「無傷」に見えます。けれど、どうなるかわからない状況に長くおかれていると恐怖や無力感は強まり、脳へのダメージは大きくなります。…(略)…
「無傷」「無事」というのは結果論です。身体的傷や物理的損害を受けなかったとしても、心は深く傷つくのです。(p.39)
無傷に「見えること」と、「深い傷つき」… だって、結局何もなかったんやろ?と、そういうようなことを自分自身が悪意なく言ってしまいそうだと思った。そして、そういう言葉がこれまでにもかなりたくさん発せられていると思った。
無傷に「見えること」は結果論でしかない。
疑似処刑は拷問の手法だというのが、「目に見えない、ニオイもしない、五感では感じとれない放射性物質が、もしかしたらおよぼしているかもしれない影響・被害」と重なるように思えた。そんなことに怯えていたのかと結果的には言える未来がくるかもしれないけれど、怯えて当然だったという結果があらわれるかもしれず、「どうなるかわからない状況に長くおかれている」ことのひどさが、考えれば考えるほど、胸に迫る。
(5/11了)
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震災とその後の復興にも傷つき、ストレスだらけであること
被災者、支援者、傍観者それぞれのストレスについてわかりやすく説明
いろんな立ち位置での罪悪感を鋭く説明されていた
震災の意味、自分の人生に持つ意味を考えるとあるが、具体的に対策まではさらっと書いている