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今回もビッケが大活躍。赤目のバイキングに囚われたお父さんを助け出し、魔法の剣の使い手を懲らしめます。偽の武器作り、岩への誘導、腹話術、水道の開発・・・ビッケの知恵が皆を救います。恐ろしい赤目との会話(かけひき)はハラハラしますがビッケが一枚上手。スカッとします。悪い人が頭を打って元の優しい人に戻るというのは少し深みのあるお話です。どのお話を読んでも気持ちがいいのは、悪者が惨めにならない、皆が笑い、明るくなる結末が待っているからだと思います。絵も力強さと可愛さがあって好き。早く続編が読みたくなるシリーズです。
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ビッケのおかげで今回も無事フラーケは難をのがれてめでたしめでたし。今度はイギリスが出てくる。イギリスや北欧のバイキングの関係が描かれている。
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図書館でなんの気なしに借りてきた「ビッケ」シリーズですが、いやいや、童話というのはつくづくあなどれねえ。2作目も読了しましたが、面白いのなんの。
今回はとにかく最初から最後まで「バトル」です。前回は「ピンチを脱する」ことがテーマになっていましたが、優しく賢いビッケも、バイキングである以上全ての戦闘を完全に避けるわけにはいきません。ではそのかわり、仲間のバイキングをサポートしつつ、流血沙汰にならないようにバトルに勝つにはどうすればいいのか? そして炸裂するビッケの知恵、知恵、知恵。
今回戦う「赤目のバイキング」とは、いわばアンチ・バイキングです。イギリスに居座って、他のバイキングの侵略から守る形になっているのですが、彼らは乱暴者でしかもむちゃくちゃ強く、バイキングの敵であると同時にイギリス国内でも嫌われている、という設定なんですね。どのみち侵略者です。
で、ハルバル父さんたちが彼らに捕まって、ビッケが助け出すのです。
おそらくこういう形態の略奪の仕方というのが実際にあったんでしょうね。ワンピースの七武海を思い出します。
それから、例のテレビアニメ「小さなバイキングビッケ」のOPの3番あたりにも登場するスベルケルというキャラクターも登場します。彼もまたとんでもなく強い剣士で、ビッケは一騎打ちをします。
あとこの本の中でビッケが戦うのは、なんと自分の義理の叔母さん。叔父さんが恐妻家で、いつもなめられているのでひと泡ふかせてやろう、というエピソードです。いやあ、これも強敵(笑)
最後に、税金を取り立てに来る他民族の役人もやっつけます。これがまた、頑丈な鎧を身に付けた強敵で、ワンピースのクリークを連想します。蹴っ飛ばしてもだめ、剣も刺さらない、こんな奴らをどうやって追い払うのか? ここでビッケが打ち出す策略が、また爽快なのです。
この文章を書いている翌日には、図書館でさっそく続編も借りる予定です。楽しみ!
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ビッケ2作目〜
赤目のバイキングをやっつける話
ビッケの頭がさえわたる!
絵がいいな〜
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小さな海賊ビッケの第2巻。
ビッケ、イギリスへ行く。
ビッケ、帰り道でも大活躍。
ビッケ、大放水。
の3本です。
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ビッケシリーズ二冊目。
今度は長編。
***
スウェーデンのフラーケ地方のバイキング首領ハルバルは、はるばるイギリスへ遠征に行くことにしました。
イギリス人は強くなく、りゃくだつするものも沢山あるし、途中で交易もできます。国に残った妻達に「洗濯棒までも奪ってくるぜ!」と勇ましく出かけます。
しかしハルバルの一人息子、ビッケは一緒に行くことを拒みます。「戦いなんかしたくないよ。でももしお父さんが大変なことになったら助けに行くからね」
ビッケは小さく力も弱く戦いは嫌いです。でも知恵が回り本当は勇敢です。
イギリスに着いたフラーケバイキングたちは驚きました!すぐに降参すると思っていたイギリス人たちが、ノルウェーのスティックラスタード地方のバイキングを用心棒に雇っていたのです!そしてハルバルを始めとするバイキングたちは捕えられて牢屋に入れられてしまいました。だって白目を剥いて闘うフラーケバイキングに対して、スティックラードバイキングは赤目を向いて襲ってくるんです。敵いっこありませんでした。
逃げ延びたハルバルの副官スノーレから知らせを受けたビッケは、お父さんたちを助けるためにイギリスに向います。
スティックラードバイキングたちは、手や体を洗ったりは絶対しないし(水に触ったら病気になってしまいます!)、食事をした後は大きなゲップをするし、イギリスからは重税を取り立てます。
ビッケとスノーレは、武器磨きとしてスティックラードバイキング首領ブローレに近づき、彼らの武器をすべて弱っちい武器に取り替えます。
二度目の闘いで、自分たちの武器をすべて壊してしまったスティックラードバイキングたちはすっかりおとなしくなり、ノルウェーに帰ってゆきました。
イギリス人からお礼をもらったフラーケバイキングたちも帰路につきます。
しかし途中で立ち寄ったダブリンで、乱暴な首領のスベルケルから「宝を全部おいて行け~」と脅されてしまいます。
このピンチもビッケの知恵で乗り切ったフラーケバイキングたち。
スベルケルはハルバルとの一騎打ちで大きな岩に頭をぶけて、その反動ですっかり大人しく優しい人に成りました。彼はもともと穏やかな性質なのに、昔岩に頭をぶつけて乱暴になってしまったのでしょう。それが元に戻ったのです。
そう、その地方の人が酷いことをしたからってその地方全てを憎むことはつまらないことです。そしてどんなに酷い相手でも、本当はいい人で岩に頭をぶつけたから酷い人になったのかもしれません。最初から悪い人ばかりだと思うこともつまらないことなのです。
フラーケバイキングは故郷に向かう途中に、ハルバルの弟のヘルメルがいるデンマークに立ち寄ります。
ヘルメルは本当は賢く優しく勇ましい男でしたが、怖い怖い奥さんのヘルガのおかげですっかり覇気を失くしてしまっています。
だてヘルメルがヘルガを叱りつけようとテーブルを叩こうとしたら、ヘルガはそのテーブルを引っ張ってしまったんですよ!これにはフラーケバイキングはびっくりです!「亭主に対して刃物を持ち���したり、鉄の串を使うのは仕方がない。しかしテーブルを引くなんて卑怯者のすることだ!」
でも大丈夫です。今度もビッケの知恵でヘルガを脅かし、ヘルメルに対して優しい態度を取るようにさせました。
そしてビッケは言うのです。「でもヘルメルおじさんも良くないよ。奥さんをテーブルを叩いて脅かすなんて。ぼくたちだって良くなかったよ。いきなり大勢で押しかけて持てなせ、きれいな食器で食べ物を出せ、だなんて」
お互いに反省した彼らはすっかり平穏で豊かな家庭になりました。
やっと家に帰ったフラーケバイキングですが、今度は故郷で問題が!
良い王様が亡くなり、跡を継いだのは欲の深い王様!フラーケ地方の税金を重くしてきたのです!
でもビッケがいるから大丈夫。
ビッケは、前にお母さんのために、遠くの川から家の裏まで管を引いて板のです。こうすればお母さんが遠い川まで苦労して水を汲みに行かなくて済みますから、料理作りも洗濯も楽になります。
そして今度はこの管を利用して、税徴収人たちを流してしてしまいました。
悪い王様もフラーケには近づかないことにしました。
成功を収めたフラーケバイキングは、地方に水道を引いて、スウェーデン人の地方の中でも一番進んだ地方になったのです。
***
子供向けにかなりソフトな表現になっていますが、武力の時代に生きるのはやっぱりキツイな(苦笑)
1冊目で感じた作者の反戦というかお互いを敬いましょう、のような意図がより感じられました。
それでも登場人物の乱暴な行動を否定するわけではなく、活き活きと描かれています。