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「これはペンです」「良い夜を待っている」の2篇。小説です。
私なんかは小説に「今の弱い自分に何かサプリとなる言葉を」なんて求めてしまうので、その心づもりで読もうとすると、まず読み進められません。
けれど、そういう効果を持つ作品だけが小説じゃないんだよ、と切り替えると、途端に面白くなりました。
内容云々というより、自分の既存を良い意味で変えてくれた、という面に星4つです。
要所要所で「ここの文章は円城さん、ニヤニヤしながら書いたんじゃなかろうか?」と疑うほど彼自身の哲学を散りばめてる箇所があって、こうやって自慰的に文章を書く人、嫌いじゃないな、と思いました。
内容についてのレビューは正直できません。結局何も残らないんだもの笑
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三分の二ぐらいまで楽しんで読めて「おお、おれ円城塔についていけてる!」って喜んでたら、終盤で完全に振り切られた。どこ行ったのこの話!「これはペンです」読了。こういう感じ大好きです。
『これはペンです』収録、「良い夜を待っている」読了。終始、円城塔に踊らされっぱなし。これは難しいなと困惑しながらページをめくっていくと、突然霧が晴れたように美しい景色が広がっている。その落差やグラデーションがたまらない。
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う~ん、難解。
「良い夜を持っている」を先に持ってきた方が、途中で挫折する人が少なくなるのでは…?と思いましたが、この2編が今までよりも読みやすかったという感想もあり、やはり自分の読解力のなさを恥ずべきなのかと反省しています。
じっくりじっくり、ものすごく時間をかけてゆっくり読んで、ちゃんと理解したいです。が、普通の頭脳しか持っていない私のような者には、無理なのでしょうか?
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すみませんが、理解不能で挫折しました、というか読み辛い。
自分とは肌が合わないと言う事で…2度と手にしないでしょう。
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Boy's Surfaceを読んだ直後だったので、とても読みやすく感じた。織り込まれる蘊蓄も一般によく知られたものが多く、気をつかって書いているのかな、という印象。
表題作もさることながら「良い夜を持っている」が感動的で、美しくきれいにまとまった物語だった。
円城塔氏の文章は、所々、書くのが楽しかったんだな、ってわかるところがあって(筆がのっているというのか)、ギターソロを聴いているみたいな感覚になるのが面白い。
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題名と表紙につられて手にとった。
難しかった。ただ読むだけで時間がかかった。特に表題作は。
ただ、同収録の「良い夜を持っている」まで読み進めると、なんとなく物語の中に入っていけたような瞬間があった。
まだ漠然としているけれど、なんとなく面白い。
確かに「This is a pen」で「Have a good night」な気がする。
「これはペンです」は、言葉に翻弄されてクラクラしたが、「良い夜を持っている」は多層的なイメージが浮かんで幻想的、ラストが良かった。
著者の他の本も読んでみたい。
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円城塔さんの作品の中では格段に分かりやすい作品です。だって大抵の作品で途中から訳がわからなくなるのに、この作品は比較的シンプルな上に内容がちゃんと説明されていて意味が分かるんだもの(笑)。文字を通してしか知らない叔父を姪がその存在を疑いながら語る表題作、全ての事柄を忘れない能力を持つが故に現実と夢を区別することが出来ず独自の記憶の世界を創り上げた亡き父に対する考察「良い夜を持っている」、どちらも独特な世界観を興味深く読まさせていただきました。芥川賞候補「道化師の蝶」、未読ですが本日の結果を期待しています。
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2012 1/25読了。Amazonで購入。
それぞれうっすらとつながった2本の短編を収録。
・「これはペンです」
無意味なような研究を思いついては実行し成果を上げ続ける叔父。その叔父と手紙のやり取りをしながら会った記憶はない姪。姪の書く手記の形を撮る。
論文自動生成や自動生成/コピー&ペースト論文の判定など、所属分野がら馴染みの深い話も多く、それがまあよくやられているといえばそういうことなのだけど円城塔の手で小説として書かれるとめったやたらに面白い。なんだこれ凄い!
・「良い夜を持っている」
人と異なる記憶の仕方を持つ父についての回想。主人公は「これはペンです」の叔父?
超記憶のせいで記憶の世界と現実/現実と夢が入り乱れる父の世界の描写が続く。タイプライター。・・・ああ、そういえば。
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文章の自動生成装置を発明し、擬似論文生成事業を成功させた叔父と、その叔父から受け取る謎の手紙を解読し続ける姪の物語。
「叔父は文字だ。文字通り」と、叔父の正体を探る姪。あらゆる推論をすり抜ける叔父は、小文字の他者であると同時に大文字の他者でもある。
馴染みの薄い理系知識も散りばめられているが、その難解さもユーモラスさで解きほぐされ、そして読後感はなぜかほのぼのとしている。
あまりに面白くて、続けてもう1回再読してしまったよ。
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円城塔さんの小説であります。
表題作の「これはペンです」は、円城さんの作品の中では、とっつきやすい印象。自動生成とかすごい興味があるので、面白く読んだ。
姪の飄々とした感じが、味があって面白いです。
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著者が第146回芥川賞を取る前に図書館で予約していた.調べてみると本書の表題作は145回の候補作品の由.所々にプログラム関連の記述があり,やや親しめたが,全般的によく理解出来ない内容だった.自分の専門外の理系の論文を読んでいる感じだった.
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この本はおもしろくありません。言葉遊びの本です。
この本を読む前に、大越桂さんの「きもちのこえ」という言葉や伝えることに一生懸命な本を読んでいたので、そのギャップにクラクラして腹が立ってきた。
ちなみに思春期真っ只中の学生さんとかなら、この手の本を僕は読めるよとかクールだねとか言いたいようなつくりになっています。
まあ、いろいろ理屈付けたけど、要はこの円城さんって人が嫌いってだけかな。にしてもひっさしぶりの星1つ。
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最近ようやく円城塔さんの小説が読めるように。芥川賞とるちょっと前に、ご本人を見る機会があって、さらに賞とってからいろいろなところで小説以外の文章を読む機会が増え、親近感がわいたというのも理由のひとつか。ずいぶん勝手な話だが。しかし円城さんの小説のリーダビリティも飛躍的に上がっていると思う。ストーリーがある。タネがちゃんと作中に書いてある(笑)。
さてこの本は、「良い夜を待っている」のほうが実は好きでした。面白かった。破天荒に見えて、お父さんのキャラは案外ノンフィクションに近いかもしれない。いるんじゃないか、こういう人…。映画「インセプション」とか「レイン・マン」とか面白がれる人ならきっと問題なく読めるよ。
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読んでいるうちに、これは小説でも何でもなくて、理屈を並べてそれらしく書かれているだけの、読者をからかった円城さんの悪ふざけでは?
なんて思ってしまいました。
自分がダマシ絵の世界に迷いこんでしまった感じ。
ところどころに差し込まれたSFの小ネタは面白かったです。
「銀河帝国の興亡」や「銀河ヒッチハイクガイド」などを読んでいる人なら楽しめます♪
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叔父は文字だ。文字通り。―――このような書き始めを読んだら、誰だって頭の中が???で一杯になるだろう。叔父とは一体何なのか?本当に実際的な人間なのか、ただ観念的な意味において叔父といっているのか、あるいは、ただのメタファーに過ぎないのか、それとも意図的な誤植なのか。様々な疑問を読者に頭からつきつけるわけだが、この計算されたフックによって読むことを止めることができなくなるだろう。読み進めていくうちにどうやらコンピュータが文字を書いているのかもしれないという仮説が生じてきた。案の定、ソーカル事件について言及があって、内心大笑せずにはいられなかった。自動論文生成の話から、ネットワークとしての叔父が浮かび上がってくる。目眩を覚えるような、スリリングな小説をお求めな方はぜひ。