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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
障害者になって1年余り。
未だに社会復帰が出来ない中で模索しているが、身体の調子が安定しないどころか次々具合の悪い個所が出て来て加療・通院中の身。
障害が抱える様々問題、ハードルの高さに気付かされて新米の障害者としては一念発起したい所なのだが。
これから社会復帰するに際して押さえておくべきこと、また障害者として出来る事の可能性に挑戦し続けたい。
そして、あわよくば障害者の方々に何か一助をと思わずにいられない本だった。
これから時折、読み返すことになるだろう。
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障害者福祉と経済学(商学)という関連のない感じがする部分もあり、若干中途半端で読みづらい部分もありますが、障害者は社会を映す鏡という観点は非常によかったと思います。最後のあとがきの部分はとってもよかった。また、障害者の雇用に関する部分で比較優位の原則はとってもおもしろいと思いました。。。。
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以前、読んだ人も増補版で最近のことを取り上げているので読んでみる価値はあると思います。
著者のお子さんもチャレンジドのようなので「現場」のことが詳しく書かれています。
「障害者は社会を映す鏡」という言葉が印象的でした。
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比較優位の原則を用いたユニークな提言。
Aに比べて絶対的に能力の劣るBとCであっても、自分の中で相対的に得意な仕事に特化することで社会全体の生産量を増やすことができる。
つまり障がい者の場合でも、自分のもっとも得意なことを見出すことで社会に貢献することができるというもの。
能力の違いを認め受容する社会がボランティア精神を求めるものでなく理に叶ったものであると認識されるならば、ノーマライゼーションは飛躍的に進むと思います。チョークの日本理化学工業もいい例。
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日経産業新聞で見て気になり、図書館で借りてみました。
良書だと思いますが、特別支援学校や福祉施設などの現場で働いている人にとってはどんな印象なんでしょうね?
おそらく痛い所をつかれているんじゃないでしょうか。
資本主義社会である以上、経済との関係は切っても切れません。
だから一見利益とは関係ないように見える福祉関係の各施設にも、今後は「経営する」という感覚が必要だと述べられています。
ごもっとも!
ただ、この程度のことはわざわざ「経済学」と名前をつけなくても知ることができると思います。
それでも、今まで関心を持っていなかった分野の人にも考えてもらうという意味では正解なのかな。
一言で障害と言っても個人差がかなりあります。従って当事者をケアするにせよ彼らが利益を出せるよう支援するにせよ、普通の産業と同じようなやり方でのコストカットは困難です。
時には痛みを伴う思い切った改革が必要なのかも知れませんが、今でさえ障害を持つ人々は有形無形の不利益をこうむっているので、安易に「ちょっとだけ我慢して」とは言えませんよね。
大体今までが、健常者中心の社会でありすぎたような気がするし。
小さな問題が複雑に入り組んでいて是正は非常に難しそうでしたが、もし解決に成功したら、血の通った経済を作ることができるんでないかな。
なんて、考えています。
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★この本からの気づき
・結構前に読んだ本。
とてもよかった記憶があるが内容一部忘れ。
改訂されたようなので再読の必要有り。
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愛を否定する。愛は仏教では価値がない。仏教で価値があるのは慈悲。他他者を思いやる気持ち。他者の救済を重視。自分より他人。
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生徒1.6人につき先生1人、生徒1人あたり年間予算930万円の養護学校。
生徒16人につき先生1人、生徒1人あたり年間予算90万円の普通校。
表紙カバーに載ったこの2つの数字の比較から本書は始まる。
同和や障害者問題は論評が難しい。同情や善悪論が固定化されている上に、ちょっとした言葉遣いの行き違いが(ときにはそれが枝葉末節にしかならないことでも)、本論での論争を超えて炎上することがあるからだ。
この本では、「勿体ない」「節約しろ」「無駄遣いだ」と批判しているのではない。
これらの多額の資金の投入が、本当に役立っているのだろうか、却って障害者やその家族の「自立」を妨げているのだと問題を投げかけている。
ある意味では公立の普通高校でもいえることだが、養護学校が託児所化しているのではないかとも指摘する。障害者の療育が専ら家族に委ねられすぎている現在、その負担を軽減するために外部の施設を活用するのは仕方のないことだが、それを教育施設に求めるべきなのかと。
障害者の「福祉」と「教育」を考え直すには最適な本だ。
ただ、「生徒1.6人につき先生1人」という数字は「先生」の中に介助員という補助的な仕事をする職員をも含めた数字だと思う。
読み始めは、健常者が冷たい視線で障害者の福祉を切り捨てるために書いた本のような印象を受けるが、筆者も障害者の親であることが巻尾の後書きで明かされる。巻頭からされを錦の御旗のように振りかざさない点に作者の冷静な姿勢を伺うことができる。
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本書は障害者をめぐるさまざまな問題を経済学という分析道具で串刺しにし、読者にできる限りわかりやすい形で解説したものである(p.2)。
中島隆信氏は計量経済学を専門とする経済学者で、「大相撲の経済学」、「お寺の経済学」、「オバサンの経済学」といった斬新なテーマの本を数々執筆している。そんな著者が今回テーマにしたのは「障害者」である。障害者をめぐる法制度や置かれている現状や課題を丁寧に解説し、経済学的視点からの解決策を述べている。
丁寧な取材にもとづいて執筆されたということがよくわかる本だった。ETV特集『生きづらさに向き合って~ある精神科クリニックの挑戦~』(NHK、2014/11/15日 初回放送)内で取り上げられた「浦河べてるの家」や、「バリバラ ~障害者情報バラエティー~」(NHK)も本書で取り上げられており、著者の本テーマの関心の高さが垣間見えた。経済学を学んだ私にとっては物足りなかったが、経済学手法で障害者問題を考えるというのは新鮮で、ためになる内容だった。
本書に書かれていることは障害者問題に限らず、社会に存在するあらゆる差別・不条理を考える際にも参考になる内容だと感じた。また経済学の知識が無くても十分理解できる内容であり、入門知識があればさらに内容の理解が深まるだろう。
社会問題に関心のあるすべての人にぜひ読んでほしい本。
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増補改訂版とは言え、障害者福祉の制度は良くも悪くも日進月歩。少し古いようにも感じた。前半は経済学とは関係ないことが多いように思った。
全体的にちょっとした解説書のように感じた。
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2011年刊行。◇脳性マヒのご子息を持つ著者(慶應義塾大学商学部教授)が、障害者の教育問題・就労問題・家族問題・差別問題などを経済学(費用便益分析)の観点から叙述したもの。福祉の領域であっても、費用便益分析の必要性がなくなるわけではなく、経済学者がこの領域について議論しない中、わかりやすく叙述されている。◇ただし、やはり、費用便益分析だけではどうにも納得しがたい点はいくつかある。第1に特別支援学校の運動会への否定的な眼差し、第2に障害者プロレス興行への肯定的な眼差しである。
教育の領域では、プライスレスの価値があるものがあり、学校行事はその一例だろう。また、著者は、関係者の思い出作りを運動会の価値とし、それだけでは実施の価値なしとしているようだが、その目的が否定されるべきことかは疑問。学園祭のような行事の価値は、教員の積極的参加如何に関わらず、参加者の達成感をもたらす場合があって、数値では測りにくいものの、その効用を捨て去れない。それを教員が援助することが無意味とは思えない。
次に障害者プロレスの点であるが、本書で書かれている実例が意味ある活動としたとしても、他も同様かは疑義がある。また、この例が、サーカスのピエロの役割に堕している怖れなしとしない。さらに、ピエロの場合は、自らの自己決定により、その選択は是とされるのだろうが、もし脳性マヒではなく、知的障害者がこのような就労者となる場合、かかる自己決定をなしうるのか、なし得ない場合には是とは言えないのではないか。そして、そんな姿を見た親はどのような感情を持つか…。
さらには、自らレッドカードを突きつけられない知的障害者を食い物にする輩に対して、誰が、どのような方法で、その権利を擁護するのか…。著者の物言いは、あまりにも安易にすぎないのではないか。
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NHKオイコノミアで「おばさんの経済学」というテーマの解説者として出演時はオサレな品のいいおじ様という印象だった。
障害者問題を経済学で中立的に善悪論ではなく行動の動機づけや詳細な資料で詳細に解説。これは同業者に紹介すべき良著。
覚書
目の前にいる障害者に対して健常者がとる行動を席をゆずる、無視、ねたふりという反応にわけて健常者自身の壁を説明。
転ばぬ先の杖支援よりも生むが易し支援
障害者雇用納付金制度で障害者の7割 14万人の雇用創出効果
施設臭として管理的指導的支援をネーミング
社会問題全体との共通項
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障害があっても能力が発揮できる社会であれば、それは障害と呼ばれなくなる。バリアは常に外側に存在する。