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米国のことはもちろんであるが、アジアのことも書かれている。さらにイラクについても詳細に書かれているので、日本の米国からのニュース以外の知識として重要である。タイの沿岸での人々のことについてはもう少し詳細でもいいであろう。
日本のことが書かれていないが、規制緩和がどのような状態になってしまっているかが現在のJRの廃線の問題である。さらに、財政再建の言い訳のもとに人が削減されておきが現象が教員の鳴りてのなさである。教員の人件費を国家から地方行政に移して、最低限の教員を配置することによって、生活指導や部活動や保護者対応がなりたたなくなっていった。財政をどのように戻すかを行わない限り、教員のなりては増えないであろう。
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ジャニーズ問題について「私たちが報道してこなかったことも被害者を増やしてしまった要因です」なんていって神妙な顔して頭をさげるアナウンサーったら顔をあげるや「さぁ新コロが増えてきましたよ、ワクチンを打ちましょう、後遺症が怖いですからね」ってギャグかよ。しかもその型が『エリス』ってもうバカにするのもいい加減にしてほしいわ。
《国際化学薬品企業サール薬品(現ファイザー)でCEOの地位にあったラムズフェルドは政治的コネを利用し毒性が指摘されている人工甘味料アスパルテームの認可を食品医薬品局からとりつけ莫大な利益をあげるやこの会社をモンサント社に売却して推定一二〇〇万ドルの仲介手数料を手にする。これで名を馳せた彼は巨大企業の役員を渡り歩くのだけれど、元祖惨事便乗型資本主義者たる立場を確立するのはバイオテクノロジー企業ギリアド・サイエンスの会長に就任してから。ギリアド社は種々のインフルエンザに効果があり鳥フルにも効くとされていたタミフルを特許登録していた。もし強い感染性を持つインフルエンザが大流行すれば政府は治療薬確保のためギリアド社へ何十億も支払うことになる。伝染病を成長市場とみなすギリアド社は万が一の場合にそなえタミフルを買いだめしておくよう企業や消費者に向けて大がかりな販促キャンペーンを展開してきた。成長著しいこの新産業に通じていると自負するラムズフェルドはバイオテクノロジーと医薬品に特化した複数の投資ファンドの立ち上げに関わった。これらのファンドは深刻な病気の大流行を当て込んで金を投資している。大流行になれば政府は民間企業が特許登録した人命助薬を高値で買わざるをえなくなるからだ》
ポリオ・ワクチンの発見・開発に成功したジョナス・ソークはワクチンの特許申請をしなかった。その理由を問われた彼は「太陽を特許登録できますか?」と答えたという……。
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政治と経済は密接に結びついているけれど、こうも政治家が私利私欲に走る姿を見せつけられるとショックです。お金で安心も安全も長寿も叶うと思っている人が政治家である国はどうなっていくのでしょう。そして、災害やテロ、戦争でさえ金儲けのチャンスになっていくことにモヤモヤします。
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何となく海外の出来事と思っていたことが、イデオロギーの衝突ではなく、経済システムの問題が潜んでいたことは初めて知った。
阪神大震災、東日本大震災後の復興と呼ばれるものにも問題がなかったのか検証されてもいいのだろう。
また、現在でも環境問題を押し立て、新たな金儲けの仕組みの導入を謀られているのも一種のショックドクトリンではないかとも思えた。
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資本主義の暴走は、共産主義の崩壊により、ケインズ主義のような折衷政策を一掃することが容易になったため。
以下引用『(特定の企業)にとっての利益と、アメリカ(実際には世界)にとっての利益を同一視したとき、これらの企業にとって、戦争、疫病、自然災害、資源不足といった大異変は確実に利益増をもたらす、、、ブッシュ政権の高官たちが、戦争と惨事対応の民営化という新時代を導く一方で、、、自分たちの権益を維持し続けた、、、自ら惨事を引き起こすことに加担しつつ、同時にそこから利益を得ていた、、、』
2003年のイラク戦争後の復興においては、急激な民営化、貿易自由化、しかも現地企業ではなくアメリカ企業ばかりが利益を得る仕組みにより、復興自体は成果を上げるどころか、イラクを以前よりも経済的に壊滅的な状況に追い込み、文化も破壊し、民主化の約束も反故にし、多くのイラク国民に対し不当な拘束・拷問を行い、結果、過激組織を生むことになり、治安も悪化。2007年には、イラク政府収入の95%を占める石油からの利益を外国企業が思うがままにできるようになる新石油法案が可決。アメリカ政府のやり口には怒りを覚える。
2002年から4年にかけ、ショック療法プログラムである「スリランカ再生計画」に国民がはっきりとノーを突き付けたスリランカにおいても、2004年に大津波に見舞われて後は、復興援助を受けるために民営化の条件を飲むしかなかった。
ダボス・ジレンマ=不安定な政治・社会情勢に反し、経済状況の好調が続いている21世紀に入ってからの状況。『戦争の継続と惨事の泥沼化を前提にして成り立つ経済がいかに危険か』との言葉、その通りだと思う。
本書最終章で語られているラテンアメリカにおけるショック療法からの覚醒、世銀・IMFの影響力の低下、レバノンの抵抗例、タイなどでの地元民の自力復興例等、希望も見られる。
本書は2007年に出版されたものだが、今はどうだろうか。今なお、世界、アメリカの情勢は、新自由主義真っ盛りの時期の選択による影響を逃れられていないようにも感じる。コロナ然り、ウクライナ然り、ハマス然りり。。。曇りなき目で現実を知ろうとすることが自分に出来る大切なことだと思う。
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と、いうことで下巻。
わたしは1976年生まれなのだが、物心ついて自分が経験してきた世界の歴史を、実際に自分が見てきたモノとは違う視座、角度から見せてくれるような内容。現代史に疎いということもあり、その辺りはめちゃくちゃ読み応えがあった。
上巻のチリをはじめとするラテンアメリカや南アフリカなんかの話は生まれる前だったり幼すぎてよく分からなかったりで正直あまりピンと来なかったけど、9.11後からのイラク戦争の話やソビエト崩壊から、今にまで至るイスラエル、パレスチナの問題は特に、一方向からしか認識していない事象というものがそこかしこに存在しているんだなという事に改めて気付かされる。
下巻を読み終えて、改めて序章を読んでみたのだが、はじめて読んだ時よりすんなりと内容が入ってきたのも面白い。
それにしても、イデオロギーというのは厄介なものだ。
一部の大企業や為政者が私腹を肥やすためだけのドクトリンなら30年も繰り返し続かない気がするんだが、もし著者の言うフリードマンのこの新自由主義的思想が一貫しているというなら、社会主義やケインズ経済へのカウンターとしてその思いが純粋すぎる故にめちゃくちゃ複雑で強固な思想に練り上げられ、それを実現させるための手法も強固で時に暴力的にさえなってしまったということなのだろうか。
作中登場した人物の中には普通に私腹肥やしまくったろーとだけ思ってる人もいるかもしれないが、それだけじゃない全体善への思いもあるはずだと思う。…と、いうかそう信じたい。
そうは言ってもやはり出来事だけ見れば20世紀後半でも尚西側の大国がやってることは帝国主義の延長ではないか、と憤慨する箇所も多々あった。
最終章で、ショックドクトリンにのまれない為には、政府にしてもらうことを待つのではなく、自身で動き、それによって自身を癒すという事例があげられていたが、これについても実際の現場では賛否あるのではないかな、とも思う。
やはり全員が納得する形での合意の形成は難しいからなぁ。
より良く世界を動かしたい。
こうすれば良くなるはずだという、強いイデオロギーを持った為政者の気持ちもわからなくもないんだよな、と読み終わった直後のぐるぐるしている頭でちょっと思ってしまった。
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ショック状態を作り出し、混乱と喧騒の中、ドサクサに紛れ、私腹を肥やすアメリカ。それがアメリカ合衆国の歴史。