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世界にも日本にもこのような子供はたくさんいます。ありふれた日常のほんのひとコマに過ぎない。本を通しておかしさを感じる人も、いざ自分の生活に真摯に向き合える人、気づける人は少ないでしょう。この本は、今の時代の人間の歴史を、事実を鮮烈に明記しています。後世に訴え掛けるための手段とも捉えられるでしょう。是非この本を読んだ時に芽生えた感情を忘れたくないものです。個人的には、あとがきでの説明が嬉しいような余計なような、どっちつかずという感想を抱きました。品を失わせていないか?でもそれで内容の意味を補強した自分もいますので、何とも言えませんけど。ヘッセの文体はとても上品だと思いました。そこか飄々と、淡々としているような。
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Nobel Prize.诺贝尔文学。天才少年は天才のまま育たない。弱い心では車輪の下に挟まれる。才能を持った少年が環境と心の変化に苦悩する様がよこ描写されている。百年以上前のノーベル文学賞作家の作品でした。
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20世紀前半のドイツの詩人・小説家ヘルマンヘッセ(1877-1962)の自伝的小説、1905年。
「若さ」という生牡蠣のように傷つきやすく鋭敏な感受性は、或る覚醒を契機に、「社会」という即物性・散文性に対して美的であることを、「社会」の規矩に対して自由であることを、その純粋さゆえに自己を滅ぼしかねないほどの極端な徹底さで以て、希求する。この潔癖にして感じやすい内面の直接的な純粋性は、「社会」という媒介的俗物性とは、本質的に相容れない。そして、この老獪な「社会」にあっては、そうした純粋性への志向それ自体が、恰も罪であるかの如く"矯正"の対象とされてしまう、純粋性のあらゆる疾走が禁じられてしまう。なぜなら、それは、「社会」の「社会」性、"中庸"と詐称されるその欺瞞的安寧を、紊乱しかねない不穏さを帯びたものであるから。よって、「若さ」という感受性は、「学校」という装置に於いて施される"特殊な訓練"を通して、美的志向に羈絆がつながれ、対「社会」向けに馴致されてしまう。純粋さとは、それ自体、反「社会」的だ。純粋さと折り合いをつけ得ない者は、「社会」の即物的暴力性を、まるで罰として、剥き出しの痛覚で以て受け止めねばならない。「社会」とは、即物的な生を――何事とも冷笑的に両立可能であるような中途半端な生を――強要する、暴力だ。現代、その暴力性は、20世紀初頭の比ではないだろう。
少年は、「学校」と「homosociality」に組み込まれることで、「男性性」が心身に刻み込まれた「社会」人となる。
一切奇を衒うことのない文体と物語は、その全編がハンスの内面そのもののようだ。
「偉大な英雄的行為はできるが、日常の退屈な、こまかしい仕事はできない、という気持ちだったのである。そういうわけで、かれは再三再四、絶望的なためいきをつきながら、自分自身をかせのなかへはめこんだ」
「そしてまたただひとりとして、学校と父親や二三の教師たちの、やばんな名誉心とが、このきずつきやすい人間を、こんなことにしてしまったのだ、ということを、ゆめにも考えなかった」
「・・・、かれはみじめなきもちになった。あれだけの苦労と勤勉と汗、あれだけの投げすてられたささやかなたのしみ、あれだけの自尊心と名誉欲と、あかるい望みにみちた夢想――すべてはむなしかった。すべてはただ、今あらゆる仲間よりおくれて、みんなに冷笑されながら、最小の見習い小僧として、製作所へゆくことができるため――そのためのものだったのである」
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主人公は周りより幾分優秀だった。
先生にも可愛がられた。
進学校へ入って、精神が弱って辞めた。
そして鍛冶屋で働いた。
飲んだくれた挙句、溺死。
ひらがなばかりでかなりよみにくかった。
もっと、漢字を。
文学…ムズカシ。
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少年の青春期の苦悩。作者の人生ともリンクしているらしい。関係ないが、60年前の戦没学生の日記にこの本の名前を見つけ、時代を越えて同じ本を読むことの不思議を感じた。
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中学の時に友人からもらって読んだ作品。全然知識もなかったし興味もなかったが、そういう出会いは今にして思えばありがたいものだった。
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初めて読んだ。。。
とりあえず、10代のときに読まなくてよかった。いまだから離れた世代として読めるけど、主人公と同年代として読んでたら良くも悪くも考えることが多すぎる。
本編とは関係ないけど、平成の世の中に出版される本ではみられない表現が多くて、ひそかにしみじみ。これだけ現代、差別(の可能性があると出版界がとらえる)単語が増えたんだな、と。
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小学生の頃に読んだ本。
ちょうど学級崩壊が叫ばれていた中、自分の学校生活と
照らし合わせながら読んだ。
秀才も、秀才ではない凡人も、何かの歯車がきっかけで、
人生が思いもよらない方向に回り始めることへの不安と
恐れを抱いた覚えがある。
名作。
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1905年発表、ヘルマン・ヘッセ著。秀才ハンスは試験に合格し、神学校に入学するが、友人の影響で徐々に成績が悪くなっていく。そして友人が放校になったことをきっかけに精神を病み、実家に戻る。彼は機械工となり人生を再開しようとするが、酒に酔って川に転落してしまう。
ヘッセの自伝的小説らしいが、なるほど確かに田舎の描写が綺麗で、ヘッセが幼少の頃に見た風景が目に浮かんでくるような気がした。
そしてストーリーは非常に身につまされるものだった。充分、現代にも置き換えられる気がする。例えば、必死に勉強してそれなりの大学に入ったにもかかわらず、自分を見失い、ろくに就職も決まらず精神を病んでいく若者(といっても、ハンスはもっと年齢が若いが)。この小説には、まさにそういう若者特有のナイーブさが描かれている。最後の展開は事故なのか自殺なのかよく分からないが、どちらにせよ、ハンスの心は限界だったのだろう。
あまりにも敏感な精神を持っていると、ハンスのようになってしまうのだろう。それが良いとか悪いとかいう問題ではない。ただ、思うに、ハンスは閉じた世界でこそまともに生きることのできた人間なのではないだろうか。開いた世界に接していると、どこかしらで様々な他人の影響を受けるはずだ。そこで壊れるかどうかが、大きな境目である。ヘッセ自身もきっと壊れてしまったのだろうが、彼はそれを芸術に昇華できた。一方、ハンスはどん詰まりに行き着いてしまった。
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ヘルマン・ヘッセの代表作で、世界的名作文学作品。
あまりにも切ない青春小説だった。とにかく、情景描写が美しく様々な場面が映像として目に浮かぶ。
天才少年であるがゆえの孤独や挫折が描かれており、現代の社会に置きかえてもそのまま通じる内容。
少年の繊細な精神や、寄宿学校で描かれる恋愛にも似た友情や、初恋の切ない思い出など、世代を超えた青春の苦悩がみずみずしくも、切ない文書で描かれている傑作でした。
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中学・高校時代の読書感想の対象本だったのを読み直してみました。
古いせいか、訳はちょっと違和感ありますが。内容は色んな意味で良いです。巻末の解説にもありますが、暗記型の押しつけ教育を「大人の無理解・利己主義」と否定するもの。これがこの本の最大のテーマです。これを読書感想の対象本に選んだ先生のセンスもGoodでした。私立の進学校でしたけど(笑)
それにしても、最近は暗記型押しつけ教育の復権って感じがしますが、いかがでしょ? 日経なんか見てると、「国際的に日本の若者の点数が低下した」「ゆとり教育のせいだ」と煽ってる印象がしますが?
ま、テーマをちょっと横に置いて。原文を読んだわけではないのですが、訳文でもヘルマンヘッセのセンスは良いと感じさせられました。
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自分の心の動きと向き合い続け、人の心も痛いほどわかる思春期の少年の話。
あぁ、学校にいた彼はこう思っていたんだなぁとか、リアリティをもって読める。
こんなに自覚があることは羨ましいと思いつつ、苦しいだろうとも思う。
ある意味最後はハッピーエンドだったのかもしれない。
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試験が終わった後の解放感溢れた時期の情景描写が秀逸
ハイルナアがどうしてそんなに影響してしまったのかいまいちよく分からない
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優秀さ故に大人達から勝手に期待されて勝手に失望されて
勉学と引き換えにせっかく築いたはずの友情は脆くも消え去り鬱状態になったあげく
初恋の純情は弄ばれ
仕事は二日目にして早くも苦痛で
仕事仲間が一週間の楽しみにしているらしい酒盛りもそれほど楽しく感じられない
そりゃ辛いよね…まして若くて繊細な子だもの…
名作はどの時代にも通じることが描かれているから名作なのだと、改めて思った。
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百年以上も前の作品であり、神学校や田舎の暮らしなど、私たちの生活とはかけ離れているにも関わらず、少年の押しつぶされ傷ついた心に共感できる。
心は不変なものだと感じました。
神学校時代もそうだが、田舎に戻ってからの少年の、友も少なく死に囚われた描写が痛々しい。救われてほしかったけれど、悲しい最後でもやもやしました。