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ココロコネクトシリーズ6作目。
主人公は新入部員の宇和千尋と円城寺紫乃。
今回の現象は、千尋が他人に自身を別人と誤認させる力を与えられて始まる。(千尋命名『幻想投影』)
いつもの5人からすれば偽者を見せられるわけだが、築いた絆と信頼でもって千尋の目論見は崩される。
打ち負かされた千尋の失態により、太一と唯は文化研究部に関する記憶を失う。
新人2人の成長の物語。
どうしようもない超常現象を契機としてるけれど、どうしようもなく青春の物語。
世界に絶望したり、
周囲のせいにしたり、
自分に言い訳したり。
けれど、そんなことに意味は無くて、結局自分で考えて行動するしかないよね。
っていう青臭い結論に至る物語。
確かに、世界はいつだってあるがままに存在しているし、
何かが出来ない理由は大抵自分の中にある。
けれど、それを理解した上で先に進める人ってそうはいない気がする。
いやはや、青春ですなぁ。
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シリーズ本編第5弾!!前回の短編集を入れると6弾目になります。
新たに加わった新入部員の紫乃と千尋の2人。
2人に<ふうせんかづら>が表れ、5人をなお面白くする代わりに力をあげると話を持ちかけられる。
自分にはないもの、5人の絆をどこまで強固なものか確かめるために崩壊させていく千尋。
それを知っているにもかかわらず頑張ってみようと思っているものの行動に起こせない紫乃。
そんな二人の成長物語。
くさい!!クサすぎる!!面白いけど!!
高校生の時ってこんなに悩んだりしたものだっけ!?
こんなに悩みに真剣で物事にぶつかっていくことって現実にあるだろうか。
この小説を読んでると自分の人生とどうしてもくらべてしまいます。全力を出してるかって。
それとやっぱり新キャラ2人は太一たち5人より読者よりな感じがします。
この2人みたいな人って世の中たくさんいると思うのです。実際わたしもそうですし。自分よりできる人が周りにいっぱいいて何も努力しないで自分には無理だといつの間にかあきらめてるんですよね。それでいてそんなやつらに嫉妬してるなんてことたくさんあります。
そんな思いを最終的に乗り越えてしまう2人もほんとにすごいと思う。
言葉の1つ1つが自分に突き刺さる。
現状を変えれるのは自分なんだなと思わされる作品だと改めて思いました。
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シリーズ本編第5弾。
「ふうせんかずら」に出会った千尋は、文研部のメンバーに対して別の人間だと思わせることのできる「幻想投影」の能力を授けられます。「ふうせんかずら」が出した条件は、その能力を使っておもしろくすることでした。千尋はさっそく能力を行使して、文研部のメンバーたちを翻弄しますが、彼らの信頼の結束を崩すことはできず、敗北感に打ちひしがれます。
一方紫乃は、千尋の様子がただならないことに気づき、彼が「ふうせんかずら」と接触したのではないかという疑惑を膨らませていきます。やがて彼女は、太一の言葉に背中を押されて、千尋の真意を見極めるため、一歩踏み出す勇気を振り絞ります。
今回は、新入部員の千尋と紫乃にスポットを当てたストーリーになっています。後輩たちの目から見た、太一や姫子のカッコよさが際立っています。
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前回の短編集で登場した一年生2人がメインの話。
今回を機に、ようやく文研部の仲間入りができたと思う。
話としては、かなり厨二病感が強く序盤はイライラしたが、後半の解決に向かって行く場面はまぁまぁ。
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新入部員の千尋が文研部の5人に対し、千尋を他の人と錯覚させるようにできる現象。
ふうせんかずらから力を授けられる。
今回は新入部員の千尋、紫乃のお話。
千尋が生意気すぎて、最初の方はイライラ。
稲葉が脱がされるときはピークでイライラ。
千尋の失敗により、太一、唯の文研部の記憶がなくなったときは唖然。
まさかの事態は、読んでいても青くなりました。
いままでで一番の被害かも。
最終的には、紫乃の活躍により、千尋も改心。
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シリーズ6巻。一年生部員千尋・紫乃の成長譚。夜郎自大な千尋と極度の引っ込み思案な紫乃。彼らにとって文研部の5人は眩いばかりの存在であったのだろう。そして、問題を一人で抱え込み、どうにも身動きが取れなくなってしまう千尋。一方、行動をしないことを一人悩む紫乃。本巻が訴えかけるのは、一人ではなく皆で助け合うこと、行動を起こすことの大切さか。そして、彼らは気づく。一人ではないことに、助け合える友人が存在することに。シリーズで始めて紡がれる孤独な戦いは何と震えるような恐怖を生むのか。それに気づくラストの稲葉は…。
途中、サイコサスペンスの小説を読んでいるような気持ちの悪さがした。著者のテリトリーはかなり広範ではないか、との印象を強くした一書である。
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稲葉んのサービスシーンにどきどきして(男子か)、そこからの展開のえぐさに理屈でない強烈なショックを受けて(良かったちゃんと女子だった)、稲葉んに入り込まされるの本当疲れる……。
でもすき。むしろすき。
バカだとか痛いとか真正面から内心断じている千尋に抉られる。
恋愛脳によってコントロールを失っている人間とか大嫌いで敵だから、敵だったから?、本来ならわかる理屈なのに、稲葉んに入り込みすぎていてだめだ。
あああそれにしても危なっかしすぎるよ何でも聞いてあげちゃう系女子な稲葉ん……。
予想はしていたけど……。めちゃ入り込んでいるから気持ちもわかるけど……。
ギリギリで、いや既にアウトだったけど、ちゃんと耐えられなくなってくれてある意味じゃほっとしたよ……。
千尋だけじゃなく、当の太一が当たり前のトーンで多少面倒臭い時もあると評しているのも、そこが可愛くもあると続くしラノベだから大丈夫だと信じているけど、本当なら崩壊の予兆で結構くる。
稲葉姫子を裏切るのかとぶち切れた伊織が恐すぎて痺れた。迫力!中二病とか思う隙もなく格好良かった。
デレばん症候群により叫び突っ込みに変貌した伊織が本当に可愛くてすき。大すき。
三角関係の結末としてこんなに明るくて可愛くて楽しくて素晴らしい着地がかつてあっただろうかいやない。
伊織の中で太一の好感度が下がる過程が(確か二、三巻辺りで)自然に描写されていたおかげですごく納得がいっているし、とても良い流れだ。
これまでの唯、青木パートもそうだけど、後半をほぼ占める新一年生二人のパートが物足りなくていまいち入り込めなかったのは、(青木は違うけど)同族嫌悪の所為かもしれないなあ。
稲葉んは結局嫌いじゃないところが似ている、けど、唯紫乃千尋は心底嫌いなところが似ている。そして救いが救いとして作用しない。成長に乗っかれない。
非日常パート、デレばん界隈の盛り上がりに対して、いわゆるふつうの学校行事に熱中する高校生たちの描写に冷めてしまう自分がいやだ。
年を取ったのに未だ尊べない……。