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ここに描かれているのは、高度に組織化されたマフィア集団がすべてを蝕んでいくというお話です。ページをめくるたびに恐ろしい実態の数々に頭がくらくらしました。経済力と暴力。裏の人間が持つ獰猛さにやられます。
映画「ゴモラ」で一躍その存在に光があたったナポリを拠点として活動を続けるマフィア組織、カモーラの実態を筆者が潜入取材を敢行し、文字通り、命を掛けて書かれたものが本書です。筆者自身もカモーラ側から「死刑宣告」を受け、度重なる彼らからの脅迫により、警察からの24時間の警備体制で日々を送っているのだそうです。
この本を読み終えるのにはずいぶんと骨が折れました。まず、内容のすさまじさ。次に、その情報量があまりにも膨大だったからです。第一章の「港」では冒頭から冷凍された中国人労働者の遺体をコンテナに詰めて母国に帰す作業をする描写から始まり、物語が進むにつれて、「クラン」と呼ばれるカモーラ各個組織の実態や偽ブランドの販売に続き、組織と関係して生きる少女や女たちの群像。「カラシニコフ」では発明者のミハイル・カラシニコフ氏の話とともに、カモーラが武器の横流しによって、巨額の利益を上げているという実態が描かれます。
その合間合間にはさまれる抗争。復讐。まるで人が虫けらのように残虐な手段を尽くして殺されていく様は、読んでいて身の毛がよだつほどでした。依然、ここでも紹介したイタリア語通訳者の田丸公美子女史が日本でカモーラの幹部を案内したときに別れの際、
「君には本当にお世話になった。僕にできることがあれば何でもするから、遠慮なく言ってくれ」という提案に田丸女史が冗談で
「実は、殺してほしい男がいるんですけれど」
というと、カモーラの幹部が
「そんなのお安い御用だ。イタリアにそいつを連れてきてさえくれれば、いつでもOKだ」
と眉一つ動かさずにいっていたその背景がいやというほどよくわかりました。
こういうことを何の造作もなくやってのける人間がこの世にいるんだ、ということが恐ろしかったです。個人的なハイライトとして、彼らの「主力事業」の一つである産業廃棄物の不法投棄にまつわる描写が後半部にあって、そこで上げる利益が5億ユーロという巨額なものであるということと、こういうことで利益を稼ごうというのは、どこの国の犯罪組織も変わらないんだ、という現実を僕に突きつけてくれました。
個人的にはこういう集団と係わり合いになるのはイヤですが、映画版の「ゴモラ」はなんとしても見ておきたいと思っています。このすさまじい内容をどうやって映像化したのか。それを見るのも人生の楽しみのうちの一つになっております。
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読みはじめたばかりだけど、面白くない…訳が下手なのか。。
読みづらく、先に進めず挫折。
テーマ自体は非常に興味深いのだけど。
映画版あるらしいからみてみようかな。
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酷い読み辛さ。
久しぶりに途中で読むの諦めた。
映画があるらしいからそっちにした方がまだマシだった。
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『オバマ大統領は2011年7月25日、日本の「ヤクザ」を含む世界の4団体を対象に米国内での資産凍結など経済制裁を科す大統領令を発動した」
制裁対象は、日本のヤクザ(山口組)、イタリアのナポリを拠点とするマフィア組織(カモッラ)、メキシコの麻薬密売・武装組織(ロス・セタス)、旧ソ連圏を拠点とする犯罪組織(ブラザーズ・サークル)』・・・
という刺激的なニュースをきっかけに本書に辿り着きました。
マフィアとカモッラは全くの別物。
マフィアを遥かに上回る凶悪さを秘めたカモッラの実態を、
著者サヴィアーノが 文字通り命がけで取材し描いたルポルタージュです。
マフィアがいわゆるアウトロー(反政府、反国家)的姿勢であるのに対て、
カモッラの行動原理は、利益・金銭の追求のみ。
利益・金銭のために、合法・非合法の手段と資本を使い分けている実態は
驚愕であり、戦慄を覚えます。
カモッラの触手は、
アパレル/不動産/農園/株/流通資産/建築/製糖業/セメント工業/高利貸付/麻薬/兵器取引/産廃処理、と 広範囲に展開していて、
まるで総合商社のよう。
深く考察すると、やはり根底にある問題は、
「貧困」であると、読み取れます。
貧困層の生き残る手段が カモッラ配下に下ることである、という背景を鑑みると、
ただ単に暴力反対・カモッラ排斥を主張しても 本質的な解決にならない。
「貧困層の恒久的な自立」が達成できない限り、
カモッラが永遠に存在して続けると思料します。
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映画を見たかったのに見逃してしまった。
廃棄物処理を牛耳り莫大な利益を上げるクランの話が、震災後のがれき処理や除線作業で同じように儲けをあげていると聞く日本の暴(ぼう)団体に重なって見えた。
books219
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読みにくくてしょうがない
原文ほ の雰囲気を再現しようとした結果意味不明文章になっているのか、それとも純粋に翻訳が下手なのか
新訳が出ることはまずないと思うので、頑張って読んでみます
ライトな小説とセットで読むとその本の良さが際立つと思います