紙の本
神田氏の本か、石川氏の本か
2021/09/18 15:57
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投稿者:トリコ - この投稿者のレビュー一覧を見る
・2008年に熱気球で単独太平洋横断を試みて消息を絶った神田道夫氏と著者を含めた周囲の人間の物語。
・著者の卓越した文章とまなざしの硬軟はすばらしい
・けれど、この本が神田氏自身の姿を描くのか、石川氏のことを描くのか、ややどっちつかづの印象だった
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石川直樹「最後の冒険家」を読んだ。ラダック後から少しずつ読み進めた。気球での太平洋横断チャレンジ、行方不明となった師のこと。石川さんの本を読むたび、呼吸をすること、大地を踏みしめる一歩、ただそれだけのことが「生きている」という強烈な実感につながる世界があることを知る。ゆらぐ
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熱気球に情熱を注いだ神田道夫氏の実話。冒険本が好きなら面白いと思う。
なにより石川直樹の文章の上手さに驚く。一気にファンになった!彼はきっとモテると思う(´▽`)
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【出会い】
たしか、帰国したとき往来堂の平積みで。
出張用息抜きにと思って。
【概要】
気球で冒険飛行に挑戦し続けた神田道夫の軌跡を、記録への挑戦と死地を共にした石川直樹氏が綴る。
【感想】
驚いたところが主に二つ。
一点目は神田氏のキャリア。
様々な世界的な記録を築いた神田氏だが、気球の世界に入ったのは30近くなって子供もできてから。
さらに記録への挑戦も、一介の地方公務員として働きながら休暇を利用してのもの。
やりたいことを突き詰めるというのはどんな環境でも出来ないことはない。
そこから希望を掻き立てられもするし、逆に仕事が忙しいなんてことを言い訳にできないな、という気分にもなる。
二点目は石川氏の文章。
昔、おそらく10年近く前に彼の文章を読んだことがあって、その時感じたのはあまりおもしろくないなという印象。
それが頭にあったので、本書の叙述には驚いた。こんなに書ける人だったのか、と。
まず平易な言葉で経験や感じたことを表現しており、まったく未知の分野の話だが頭に入ってきやすい。
加えて、関係者の言葉や人となり、先人の著作など丁寧に取材しているのが読み取れ、それが内容に奥行きを与えている。
週末旅行の道中に一気に読めた。
ただ、あんまり飛行機移動のときに読むものでもないかもしれない・・・
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熱気球中重量級の高度世界記録や長距離世界記録を持つなど、熱気球の神田道夫さんの生涯を追った本。神田さんは2008年に2度目の太平洋横断遠征に挑戦し、その後行方が分からなくなっています。石川さんは2004年の最初の太平洋横断遠征にパートナーとして同乗しており、本書を書くきっかけになったそうです。神田さんを熱気球の師として仰ぎつつ、石川さんの客観的な視点で本書は進んでいきます。「冒険家」の重みを感じるともに、自分自身の冒険を見つけたくなりました。(2011.10.12)
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手に汗を握る冒険譚でした。
文章が非常にお上手でサクサク読めるし。
気球の旅というのがどんなのか分からなかったので、すごく興味を持って読めました。
空に登ったときの一体感みたいなのがよく表現されてて素晴らしいです。
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「熱気球で太平洋横断に挑戦中の冒険家、行方不明に」というニュースを昔聞いた覚えがあります。
その時はなんて無謀な事を…くらいで気にも留めなかったけれど、本書を読んでみて初めて凄い人がいた事が分かった。公務員で冒険家、やる事も
石川直樹さんも関わっていたこと
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神田道夫という冒険家の生き様を、極地の旅人・石川直樹が語った一冊。神田と石川とは、二人熱気球で太平洋を越えようとチャレンジした時のパートナーである。
映画のワンシーンを映し出しているような、俯瞰的かつ感情移入を待ち受ける語り口に引き込まれていき、第三の冒険者のように読んでいくことができたのが、何より幸せだった。
ハイライトは、第六章「単独行」。石川の捉える神田像が、これ以上知りようがないという材料不足により、一番遠くぼやけている。それなのに、いや、それがゆえに、神田に最も石川の心が接近している。この40頁を読むために、私事ながら、喫茶店に入り、足をとめて読みふけってしまった。
人生を支える大事な一冊になる予感がする。
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自作熱気球で太平洋横断に挑んだ神田道夫さんのノンフィクションを写真家・石川直樹がまとめたもの。「冒険はリスクをどんなに減らしていっても、最小限のリスクだけは最後まで払拭できない。だからこそ、その行為は冒険といわれる」という言葉が印象に残った。っていうことは、”生きている”こと自体も冒険なんだよね。だからこそ、限りある命の中でどう生きるかってことは、やっぱり大切なんだなぁと改めて思った。
にしても本当に写真家の人は文章がうまい、描写もうまい。写真にしても、文章にしても、対象に対する視点の定め方がうまいんだろうな。第6回開高健ノンフィクション受賞作でありながら、開高健の文章によりも全然アクがなくてスマートだから、スラスラ読めちゃうのでオススメ。”神田道夫さん”に生き様もみなさんにも是非知って欲しい。
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石川さんの等身大の語り口、文章がずるいくらいらうまい。
空の旅は想像を喚起させ、神田の一途な冒険は心を揺さぶる。
天の川2号の着水時のいわば仮死状態の描写に、スターライト号の通信を途絶えたあとの石川の想像する描写に手汗にぎった。
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石川直樹著「最後の冒険家」集英社文庫(2012)
熱気球の滞空時間と飛行距離で世界記録を樹立、ヒラヤマ8000m超えも達成した日本人、神田道夫。2008年に熱気球で太平洋単独横断に挑み、海上で消息をたった。かつて一緒に飛んだ事があるパートナーである著者が神田の軌跡を追う。開高健ノンフィクション賞受賞作品。
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第6回開高健ノンフィクション賞受賞作。気球で太平洋横断しようとして行方不明になった人の話。冒険家っていうけれど、自己満のために周りへ多大な迷惑がかかるリスクを無視するエゴイストでしかない。スポンサーや協力者は別にしても、勝手な行動で遭難した時につぎ込まれる多大な労力と費用は血税。どういう神経してんのかわからない。本作は当然肯定的なスタンスだけど(著者の)恰好良いところだけスポットあててる感じ。
読了後に調べたら、この著者いろいろあって評判悪いみたいね。外部の批判を目にするまでは特に気にならなかったし、作品としてのまとまりはよかったです。
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てか、死ぬじゃん、それ、的な。
石川直樹の写真(が、より理解できた気がする。
被写体との距離感とか。
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角幡さんのエッセイに神田さんについて書かれた話があって、この人について知りたいと思って読んだ。
「最後の冒険家」とタイトルにはあるけど、本人は気球は道楽でやっているらしい。でも新しいことに挑戦しようという意欲と行動力はとても道楽でやってるようなレベルではないと思う。
失敗でも生きて帰ってきて欲しかった。
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石川直樹が側で見続けてきた冒険家の最後の冒険を綴る。
こだわりは貫きつつも、柔軟な変更ができるような冒険家になりたいと思う。