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タイトルが気になって借りた一冊。
昔々あるところに・・から始まる大人版おとぎ話。
子供向けの昔話では触れない部分をおもしろく書いてありました。
自分たちが甘やかして育てた兄弟のダメな所は呪いのせい、と正当化してみたり。
大人が読むと真意がわかる、ちょっとシュールなおとぎ話でさくっと読めました^^
「きみの助言」と「木霊の住む谷」がお気に入り。
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図書館でふと見かけて、なんとなくおもしろそうだなあと思って借りてきた本。
童話のような語り口だけれど、子どもに語るにしては難しい単語が出てきたり、やや哲学的だったりと、大人向けの童話という感じ。
自分とはなにか。平和とはなにか。美しさとはなにか。
そういった哲学的な疑問を、メルヘンチックな物語に乗せて語り掛けてくる、そんな本です。
第1話の他人になりたいお姫様が、
「オシャベリ姫」(夢野久作)みたいな雰囲気なのが好き。
それと、第6話に出てくる、「王子と乞食」(トウェイン)みたいな
対照的な二人の王子。
第2話と第3話のスカッとするオチも好きです!!
あとパンの実食べたい。
【収録作品】
1.おめざめですか、お姫さま
2.バカなんだか利口なんだか
3.きみの助言
4.魔法のパンの実
5.ウミガメの平和
6.呪われた王子たち
7.木霊の住む谷
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安東さんの本は2作目。「頭のうちどころが悪かった熊の話」がおもしろかったので。7つのお話が入っていて、笑えるのから、少しせつないものまで全部よかったです。特に「バカなんだか利口なんだか」「呪われた王子たち」「木霊の住む谷」が好きでした。
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安東みきえさん3冊目。
『頭のうちどころが悪かった熊の話』『まるまれ アルマジロ!』よりも大人向けな感じ。
世間知らずな王女様や気弱な王子様、魔法を使う小人などなど、「ザ・おとぎ話」といった風情のパーツ達に、安東みきえ味の皮肉を利かせています。
サラッと読んでしまいましたが、時間を置いて再読するとまた面白いかも。
特に「木霊の住む谷」は、いつ読むかによって印象が違いそうです。
【収録作品】
おめざめですか、お姫さま
バカなんだか利口なんだか
きみの助言
魔法のパンの実
ウミガメの平和
呪われた王子たち
木霊の住む谷
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図書館で借りました。驚いたのは子供図書に置いてあったこと。
これは大人が読んでも充分楽しめる読み物でした。
クスッと笑えるお話もあって一気読みしてしまいました。『バカなんだか利口なんだか』『きみの助言』がお気に入りです。
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2014.7/27 題名借り。なんとなく聞いたことのある昔話がブラックジョークが効いて話がそれて...それなりにめでたしめでたし(;^_^)面白かったです♪
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子どもにも大人にも読みやすい良いお話でした。
図書館からレンタル。
タイトルの抜け感と、「呪われた王子たち」のあらすじが扉に乗っていて面白そうと惹かれました。
全体通して、苦味が広がる短編とありましたが、笑えるところもあり、そこまで後味が悪いというものでもなく、教訓としてかみしめつつしっかり楽しめる作品でした。
最終章の「木霊の住む谷」だけは少し切ないものでしたが、その後の展開も見える様であり、希望が持てる終わりでよかったです。
「バカなんだか利口なんだか」はアンジャッシュ的な漫才を見せられているかの様で大変面白かったです。
水の精は「なんかめんどくさいから全部あげるわ」って適当で、最終的には主人公「どう(銅)でした」は反則すぎる。
「魔法のパンの実」は身につまされるお話ですね。
悪を断とうと思ったらアクが蓄積する。
出してやることも大切だという教訓を改めて感じます。
子供がいたら買ってあげたいなぁと思う様なそんな本でした。
章メモ
おめざめですか、お姫様
バカなんだか利口なんだか
きみの助言
魔法のパンの実
ウミガメの平和
呪われた王子たち
木霊の住む谷
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むかしむかしのお話集。
タイトル通りアホな人たちがいっぱいだが、さて身につまされる所がないかというと、他人のことをアホだと笑ってばかりもいられない。
好きなのは「ウミガメの平和」と「呪われた王子たち」。
ラストを締めくくる「木霊の住む谷」は他のお話とは違って、優しい嘘が切ない。
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ヨーロッパの昔話風の物語だけど、特定の物語のパロディというわけではない。ストーリーはオリジナル。
どれもそこそこ面白いし、ちょっとブラックな味わいもあるのだが、飛び抜けてすばらしいという作品もないような。
読みやすけど味わい深いから、普通の物語に飽きた本好きの子どもにはいいと思う。
ブラックはあくまでちょっとで、倉橋由美子みたいに凄くブラックというわけではないから安心して子どもに渡せる。
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子どもに読んでもらいたい。
全く難しい知識もいらない面白い本。
ゲラゲラ笑うってよりは、優しさある内容。
よかった。
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「ウミガメの平和」
王と妃のあまりにアホな会話が笑えた。
6編脱力な話が並んで、最後の「木霊の住む谷」はズルい。
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安東みきえさんは、教科書のみに書かれている短篇が二作あるそうなのだが(「そこまでとべたら」と「星の花が降るころに」)、私の学生時代より、遥かに新しい年代だったので、知らなくて当然といえば当然。
しかし、本書を読んだ後になると、それが読みたくてたまらなくなり・・要するに、こんなタイトルでも(失礼)、気軽に楽しめる事に加えて(ごく自然にクスッと笑える感じ)、何かを学び得られるような感覚と、心がぽっと温かくなる空気感もあって、そこに私は妙な新鮮味を感じられました。
とは書きつつも、ざっくりした表現になると、物語の内容の殆どが、外国のおとぎ話のパロディを盛り込みながらも、オリジナリティはちゃんとあるが、タイトル通りの、「アホな昔話」ということになってしまうのだが(笑)、さっそく各話を紹介していきましょう。
「おめざめですか、お姫さま」
城の中の窮屈な暮らしにうんざりした、お姫さまが他の暮らしに憧れる、『隣の芝生は青い』を、具現化したようなおとぎ話だが、そう思っていたのは、自分だけではなかったことを、皮肉な形で思い知ることになる。
「バカなんだか利口なんだか」
ロバを亡くして悲しみにくれる若者の、ピュア過ぎる天然の行動が、結果良い方向に導かれていったという、生きたいように生きていればなんとかなると、言われているような気もするが、割とデンジャラスな目にも遭っており、笑った顔のまま沈んでいった、水の精の台詞、「きこりはもっと上手によけたわよ」の真の意味が怖過ぎる。
「きみの助言」
ベタな駄洒落も決して不愉快ではなく、寧ろ、微笑ましい展開になるのが素晴らしく、本来、怖いはずの亡霊の姿が想像してみると、思わず可愛すぎて、逆に笑える中、これまた、ピュアで素敵な双子の妹姫の、アドバイスを素直に受けた上での、姉姫へのぶっちゃけ発言には、とても痛快で、すっきりさせられるものがあった。
「魔法のパンの実」
言いたい事を隠しておくのが、如何に難しく辛いことを痛感させられる話で、それに対して、『水清ければ魚棲まず』を引用しているのも頷ける、教訓もの。皆さんも溜め込みすぎるのは、身体にも心にも毒ですよ。気をつけましょう。
「ウミガメの平和」
几帳面すぎる王子もアホだが、その両親はそれ以上にアホで、ある意味、彼らの中でのみ描かれている平和な世界が、却ってやるせなく感じられるが、まあ別にいいかと思えて(笑)、寧ろ、ドライな対応で我が道を進む、家来の将来を応援したい気持ちにさせられた。
「呪われた王子たち」
ナルシスト過ぎる兄王子と、自信のなさ過ぎる弟王子の、双子の将来を嘆く余り、昔、双子は魔女に呪いをかけられたことにして(自らの子育ての問題はおいといて)、妄想の世界で楽しむ王と王妃のアホっぷりも面白いが、物語はとても凝った構成で、謎解きも楽しみながら、『人目をひどく気にするのは、人の中に自分の姿を見ようとしている』といった、劣等感についても考えさせてくれた。
「木霊の住む谷」
実は、これだけ異色の内容で・・アホと書いといて、こういう展開はずるいと思ってしまうが、物語は素晴らしく、『木霊がわかってくれるんだ。気持ちをいっしょになって言ってくれるから』の言葉は思っていた以上に、とても深いものを感じさせられたが、その一方で、『虐げられてきたものは虐げる者を見つける』といった言葉はやるせない。
しかし、それを慰めてくれるかのような、木霊たちの美しく温かい描写には、確かな未来への希望を感じさせられるとともに、本当のアホというのは、思い込みに縛られて、見えないものを見ようともしない輩の事を言うのだろうなとも、実感させられた。