投稿元:
レビューを見る
遠距離恋愛中の彼氏に会いに行く女子高生・・・「狼なんてこわくない」
バイト先の憧れの女性と、付き合いで芝居を見に行くフリーター・・・「夜中に柴葉漬」
中学一年生に憐れまれる三十路男・・・「野和田さん家のツグヲさん」
島のキャバクラに流れ着いた女・・・「感じてサンバ」
口うるさい夫にあきあきして、ボランティアの世界に飛び出した妻・・・「どきどき団」
プロ野球選手であり、かつてのクラスメートでもある男と就職支援会社勤務の男・・・「テディベアの恩返し」
元恋人の新居の家具を選ぶことになった家具メーカー勤務の女性・・・「踊り場を踊る」
職場体験の中学生を受け入れた縫製工場の面々・・・「一匹羊」
一人、をテーマにした短編集、とのこと。
山本さんらしい、人間くさいキャラクターたち。
普段から、色んな人をよーーーく見てるのかなぁ。
テーマは一見重たそうな感じを受けますが、中身はひとつひとつさらっと読めるお話です。
悪く言えばちょっと軽くて後に残らないお話。
でも読めばちょっと元気がでる・・・、かな?
投稿元:
レビューを見る
<内容>OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦…相手にされなくても。変人に思われても。一歩踏み出すと、素敵な自分が見つかるかもしれない、それぞれの「明日が少し元気になれる」物語。表題作ほか、7編を収録。
投稿元:
レビューを見る
女子高生、OL、フリーター、主婦…
パッとしない日常からふとしたことで一歩踏み出す人々の物語。
どれもそれほど大きな事件があるわけでもないし
華々しく変化するわけじゃないけれど
日常から一歩踏み出すのって案外大変だし
その先の光が見えて読後にジンワリする秀作揃い。
心地よい余韻。
【図書館・初読・11/14読了】
投稿元:
レビューを見る
どうってことない話だけど全て心が温まるような良い短編ばかりでした。山本さんの持ち味が存分に発揮されていたと勝手に思います。
特に面白いと思ったのは「夜中に紫葉漬」。短編では勿体ないと思いました。
投稿元:
レビューを見る
あいかわらず上手いのに
知名度がいまひとつ・・・
ダメそうな人間が
ふとかっこよく見える
「夜中に柴葉漬」
「野和田さん家のツグヲさん」
ふとしたことで
人生の新しい一歩を踏み出す
「どきどき団」
「テディベアの恩返し」
「踊り場で踊る」
「一匹羊」
最後の高揚感で
「どきどき団」がベスト
投稿元:
レビューを見る
短編集。以前「パパは今日、運動会」を読んで2作目。こちらの方が面白かった。だいたい1話に一人、いやなひとがでてきますが、最後にはいい形で昇華するというか、読後感がよいです。個人的には「踊り場で踊る」が好きです。ちょっと泣きそうになりました。
投稿元:
レビューを見る
山本幸久の連作ですが…1話1話が薄い。
内容もですが、サラッと読めるんですが…。
ヘビーな物を読みたくないときならアリでしょうか?
投稿元:
レビューを見る
小説宝石」に掲載されてきた読み切り7編に、書き下ろし1編を加えた短編集。いずれも小市民的風景をテーマとする作品で、あまり豊かな幸せさを感じ取れないこの時代を映し出すような中味だ。これまでのお仕事系小説とはあきらかに異なるタッチ。
OL、女子高生、フリーター、元野球選手、主婦などなどを主人公に、全力投球で書き下ろしたものというよりは、肩の力を抜いた(いや脱力系?)書きっぷり。まあ、読んでも読まなくても、どうということはないのだが、、、
最後に収録されているタイトル作は、若かりし頃の勢いを失って事なかれ主義に陥っている主人公になぜか納得。一匹狼が羊のように大人しくなることって、文字どおり大人になるからなんだなあ。
投稿元:
レビューを見る
さらっと軽い。でも悪くはない。読み終えてちょっとほっとするような、心が和むようなそんな8編の短編。
自分の現在に少し不満を持ちつつ、でも少し誇らしさも持ちつつ、小さな幸せや満足に活力をもらいながら毎日をそれなりに頑張っている登場人物たちばかり。どんな人も、何かしらここに出てくる人々に共感できるのではないかというストーリーだ。
悪くないのだけど、それほど残るものもなく、絶賛というほどでもなく。
よかったのは「夜中に柴葉漬」かな。
投稿元:
レビューを見る
どれも温かく締めくくられる良いおハナシ。読み終えると頑張って働こうと思える。しかし、きっと記憶にはさほど残らない。
投稿元:
レビューを見る
『大地』を読んでいたんですが、図書館の返却期限がギリギリになってきたので浮気しました。
や~前作の『パパは今日、運動会』も含めて、山本さん、良い!
最初の方の作品も面白くて「お、良い作家さんだなぁ」って思ってたんですが、ここ数年「何、言いたいか分からない……」って感じでした。
だけど、この2作で帰ってきましたね。おかえりなさい!
『一匹羊』は短編集で、どの章も最後がホッコリしたり、前向きになってたり読後感がよろしいです。
特に「どきどき団」は長い間、夫に従ってきた老いた妻の反抗って話なんですが、勇気を出して意見を言います。
その妻が何とも可愛い!
こういうの良いなぁって思わせてくれます。
で、今回は山本さんが何で良いのかなぁって考えながら、読んでたんですが、この方は表現が上手いなぁと思いました。
あと、手法としては「何でもない話に違和感のある要素を付け加える」てな感じかと。
さっきの「どきどき団」だと、老齢夫婦の確執という平凡な要素に、何か知らないけど息子を怒らせているらしいっていう情報が加えられてたり。
これからどうなるんだろう……って飽きさせませんね。
何の間の書きましたが、面白かったです!
投稿元:
レビューを見る
30代半ばの自分にはズシリとくる短編小説。
どの編もとても考えさせられる。
仕事のことが一番胸をつかれた。
仕事はまさしく後悔の連続。
でもやらなければ始まらない。
それが仕事だから。
いろいろと人の置かれている状況は違うが、人生を前向きに考えて生きる希望が持てる。
あの頃の自分、若さ故の自分。
自分探しは今も続いている。
常に変わらなければ始まらない。
事なかれ主義、打破!
そんなことをふと気付かさせてくれる。少しホッと一息つける暖かい小説。
明日から周りを見る目も温かく変わるかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
山本幸久氏の短編集。正直短編を読むのは苦手だけど(短い文からいろいろ読み解くのが不得意)どれも山本氏らしい柔らかくユーモアで前向きな話ばかりだ。
やっぱり会社員を描いた「一匹羊」がいいな。
投稿元:
レビューを見る
一人がテーマの短編集。どこにでもいる人たちのありふれた日常どけど勇気を持って飛び込んでみよう!みたいな結末で暖かい気持ちになります。そしてほんのりユーモアがあって登場人物がみんなかわいらしくて好きです。父子家庭の二人の会話が微笑ましい「夜中に柴葉漬」と魅力的なおばぁちゃんが出てくる「どきどき団」が好きでした。
投稿元:
レビューを見る
読みやすく後味の良い短編集なんですが、短編集としてのテーマ感が薄く(いちおう一人 というのがテーマらしいんですが)、山本さんならではというようなものもあまり感じられません。登場人物がいかにもいそうな感じがして感情移入はしやすいものの、キャラ立ちが不十分というか。山本さんもここのところ安定感はあるものの、とびぬけたものがなく、ここらで何か新しい挑戦が欲しいところです。