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著作権、文化追及権について全くの知識ゼロで読んでいったがスラスラと読めた。非常にわかりやすく書かれているのでお勧め!
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本や音楽は複製された商品が多額の印税を作者にもたらすが、家画や彫刻家は作品を1回売ればそれっきり。その後の値上がりの恩恵にあずかることもできず、赤の他人が転売益を得るのを横目で見ながら自らは貧しいまま(かもしれない)。そんな不条理を救うルールが追及権。転売の際の売価の一定パーセンテージ(数パーセント)を作者に遡って払い続けるというルール。ヨーロッパの多くの国で制定されている。アメリカでは州によって違う。日本はなし。さまざまな事例を紹介しつつ、各国のルールや運用の実際を説き、芸術家の保護(ひいては芸術の健全な発展)のために国際的な法整備が必要と訴える本。学術論文を新書に盛りつけ直した本なのでやや堅苦しい気もするが、大事な一冊ではないかと思う。
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[ 内容 ]
絵画や彫刻を作る芸術家は、日本では一度作品を売却した後は、オークションなどによっていくら作品の価格が上昇しても、一切収入を得ることが出来ない。
これではアーティストはなかなか育たないだろう。
実はこれは日本の文化的貧困につながる大問題である。
ヨーロッパやアメリカの一部では「追及(利益配当)権」という著作権の保護システムによって、作者の利益がそうした場合においても保証されるシステムが作られている。
本作では、著作権についてわかりやすく解説しつつ、その一部としての追及権について日本で初めてくわしく紹介する。
[ 目次 ]
第1章 芸術家は貧しいのか―La Boh`emeの登場人物は、その後も貧乏なままなのか?
第2章 芸術家と著作財産権
第3章 芸術家と著作者人格権
第4章 追及権の始まりと今
第5章 追及権と制限規定のバランス
第6章 追及権は芸術家を救えるのか?
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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非常に面白い視点.
芸術家の育成や創作モチベーション維持のための新しい考えを提案している.
本筋の追求権の方は十分に理解できていないのだが,その前提としての著作権(権利の束)の説明が今までみたどの本よりももっとも理解しやすかった.
授業での解説にも使わせてもらおう.