紙の本
土光敏夫氏の伝記・評伝です。
2021/01/24 09:29
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投稿者:まお - この投稿者のレビュー一覧を見る
土光敏夫氏の伝記・評伝です。こういう立派な人物が比較的最近まで活躍なさっていたことが分かります。財界・政界への影響力が大きい方だっただけに、重圧や重責に耐え得る精神力をお持ちだった―この土光氏の精神こそが、今でも尊敬され続ける所以なのだと思いました。
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土光敏夫の一生について書かれた本。
1994年12月初版、293ページ。
土光敏夫の幼少期から死ぬまでの一生を、
関係者や文献などの記録・記録から辿っている本。
残した言葉だけではなく、色々な人が見て感じた土光敏夫が描かれている
ので、この人の人間性が非常によく分かる。
ただ、分かりづらいのは、「無私」であり、信念の人であった土光の、
怒涛の活力や合理的な考え方・思想は非常によく分かるが、
あまりにもそちらの性格が強すぎて、この本を読んだだけでは
「聖人」であり、あまりにも人間離れしているという印象を受ける。
尊敬できる人物、生き方を学ぶべき人物として、
自分が目指したい人生ではあるが、
一方で、こんなに「聖人」のような生き方、これほどまでに徹底した生き方ができるものなのか、畏怖の念さえ浮かぶ。
とはいえ、江戸後期・明治・大正の人の世に生きた偉人と呼ばれる人は、
今の時代の人間からすると、想像ができないほどの艱難辛苦を乗り越え、
また、そのために自分を高め、深めていた。
必ずしも、現代においてその生き方を全て当てはめるということはできないが、
日本人として、現代に生きる人間として、大いに倣いたいところである。
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●内容
・元雑誌記者による”メザシの土光”こと土光敏夫・元経団連会長の評伝。
・土光の人格形成に影響を与えた母にもフォーカス。
●コメント
○土光の仕事論。「仕事とは”問題”を見つけること」という、マッキンゼーの姿勢にも通じる現代的な認識。
・土光は社員の「問題がない」ということばを重視した。会社は毎日稼動している。すべてに「問題がない」などということはあり得ない。問題点に気づいていないだけである。
(土光のことば)「問題が生じるからこそ進歩があり、問題発生はむしろ歓迎すべきことだ。それをみずから発掘することに喜びを感じるようになれば、その人はまちないなく、本物である」
・(土光のことば)オレと議論しろ。間違いはオレが正してやる。ただし、オレが間違っていることは、どんどん反論しろ。
○周辺人物
・土光母のエピソード。キリスト教を学びたいという娘に。
それでは、条件をつけましょう。一家の中で、宗教が違うということは、悲惨なことです。あなたが本当に知りたいというなら、私も一緒に研究します。ですから、あなた一人で、洗礼を受けてはいけません。今は、研究の段階です。実践活動をしないように・・・
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〃土光語録〃的な本ではなく、生涯がわかる本を探していて、この本を手にとりました。幼少期~亡くなるまで。著者が多くの人たちに直接話を聞いて、まとめたものです。
土光さんはジェット・エンジンの開発、東芝再建、経団連会長、当時の総理大臣中曽根に乞われ、臨調会長、そして〃メザシの土光〃
そのイメージからとても倹約家で、その辺を徹底して東芝も再建したんだろうな・・・と勝手に思っていたので、本を読んで驚きました。
開発費等に対しての金銭感覚はざる、金は銀行に借りればいい。でも社長だからと高級車に乗り、贅沢な部屋や物を、というのはおかしい。という考え方。そして議論大好き。寝る時間を削っても、立場を問わずたくさんの人たちの意見を聞き、納得すれば、即決、即行動。
土光さんの人格形成に大きな影響を与えたのは、素敵なお母様、はじめての職場石川島造船所、石坂泰三、山本五十六なのでしょう。
現在の日本を見たら、なんと言うのだろう、どう動くのだろう、と考えてしまいました。
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久しぶりに読んでいて「喝」を入れてもらえた本。今の経営者に自分以外のことを考えられる方はどれだけいるだろうか?会社のため、国のため?(自分も含めて・・・)もっともっと大きな視野で仕事、世の中を捉えなければダメなのでしょうね。
自分のやっていることなんて小さいから関係ないやと思った瞬間に全てが思考停止ですね。