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じわじわどんより、ブラックな味わいのミステリ短編集。妬み、嫉み、企み、裏切り、愛憎渦巻くそんな感情がいっぱい詰まっています。こういうダークさは個人的には大好き。もちろん、ミステリとしての驚きも充分に楽しめます。
お気に入りは「決して忘れられない夜」。正直なところ、「なんてことするんだあっ!」って思いましたが。だいたい、オチの見当はつくんですよね。なのに「あれ?」ってなっちゃう。単純なことなんだけど、しっかりダミーが仕掛けられていたというところは巧いなあ。
表題作「味なしクッキー」も凄い。こういうのってあまりないような。怖いし嫌だし哀しいし、人生妥協すると痛い目に遭うのかな、って思っちゃいました。
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恐ろしい物語が詰まっています。
若い頃に比べて、こういったブラックな話に対してより恐怖を感じるようになりました。単なるイメージの世界から、より経験に近くなって来ているからでしょうか。
しばらく、この世界から遠ざかっていた人にもオススメです。
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まさにイヤミス。ブラックな余韻満載の短編集。6編収録
「パリの壁」誰が誰を殺したのか。着地点を予想させない展開で、本作中ベスト。
「決して忘れられない夜」いやぁ、思った通りの展開に逆に拍手。
「愚かな決断」倒叙モノ。動機と性癖がミスとうまく絡んでいました。
「父親はだれ?」既読。この短編集の中に入るとしっくりくる作品となりました。
「生命の電話」この動機もやるせない・・・。でもそれ以上にここまでの準備に戦慄。
「味なしクッキー」人間消失の謎はすぐにわかっちゃいましたが、この動機もまた・・・。
そしてこれまたエピローグが怖ろしい。結局殺されて満足なんだもんね。。。
男性が犯罪を犯す作品もありますが、読後印象に残るのは「女って恐ろしい・・・」。
岸田さんお得意の女の情念とブラックな結末がかなりハマっていました。
『出口のない部屋』の次に好きかも。
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ミステリ風ブラックな恋愛短編集といった感じ
ブラックでえげつないけれど
ただただ黒くて人の厭なところが出て嫌悪するといった感じではなく
さっぱりとしたブラックな恋愛が
人生で一度だけ私もこんなブラックな恋をしてみたいと思わされる
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ブラックだとか
後味悪し…と言うことで期待していましたが
そこまで無かったです(笑)
短編集ですが
強いて言えば表題の「味なしクッキー」が
一番怖かったかな。
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ブラックテイストな短編集。ありがちな話が多いけど、表題作が情念たっぷり超濃厚でイイ。夫はなぜ妻を殺すに至ったのか。遠のきかける意識の中で妻は何を思っていたのか…。愛と狂気は紙一重。世の旦那様方、妻の本音なんて知らない方が幸せですよ。
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+++
別れを決意して「最後の晩餐」の仕度をする女
高校時代の友人の自殺の真相を知りたがる女
不倫相手にクッキーを焼く女。
気鋭の描く「無垢と悪意」の後味は・・・・・
+++
表題作のほか、「パリの壁」 「決して忘れられない夜」 「愚かな決断」 「父親はだれ?」 「生命の電話」
+++
これは怖い。日常のなかに狂気が潜んでいるようなじわりと外堀から埋められていくような怖さである。後味は決してよくない。甘いと思って食べたら味なしクッキーだったときよりも、おそらく苦味が強い。思わず顔が歪んでしまう物語もある。それでも、次の物語の扉を開けずにはいられない一冊である。
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6つの短編集。
真梨幸子程の毒さは無いものの1話1話の短さからサクっと読めました。
ピリッと捻りが効いていて自分は好きですね。
「父親はだれ?」が一番ですかね個人的には。
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内容はあっさりしているが、後からしみじみ感じるものがある。
余韻を残しながらのは、短編集ならではの醍醐味。
意外な結末が主人公たちを不幸にしている。
後ろめたい人には、ちょっとした毒がある。
ブラックユーモアというのだろうか。
自分は快楽までには至らない。
個人的には「父親はだれ?」が好きだった。
あれ、って感じて正直やられたと思った。こういうオチか。
それにしても女の執念に脱帽。ただただ恐い、それだけ。
毒を盛って、毒を制す、現実社会ではいただけないが、小説の中でならいいんじゃない、こいいう恋愛もと思えてきた。
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「みんな邪魔」の解説で紹介されていたので読んでみた。「サファイア」に続いてまた、あまり好きではない短編集。でもおもしろくて一気に読み終えた。岸田さんの他の本も読んでみたい。
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短編集。
いわゆるイヤミスらしい、後味の悪いミステリーが6編。
表題作は、浮気した妻を殺した夫の話。
内容的には『父親は誰?』が面白かったかな。後味が悪いどころか、オチというか真意は真っ黒、でもミステリーとしてはきちんと解決させているので、すっきりはしている。
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ブラックテイストな短編種だが、後味は悪くない。
ありがちな話のようだが面白かった。
一番意外性があったのは「パリの壁」、どんでん返し連続の二人劇のようだった。
(図書館)
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6話の短編集。
だというのに、ひとつ読んだ事があるものでした。
何かのアンソロジーに入っていたやつでしょうか?
あの特徴的というか、想像しやすい実験風景が…。
どれもこれも、違う方向に怖い話でした。
一番理解できるのは、表題にもなっている最後の話。
これは夫の気持ちが分かります。
最後まで一方通行片思い。
しかし妻の気持ちも分かります。
無理やりくっつけられた、としか思えませんし。
警察の戸惑う気持ちも、ものすごく分かりますが。
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書名が「味なしクッキー」だから、
もう少し料理も絡んだ本かと思ってたんだけど、
全然違った。怖いって。この本。
おばけとかそういうのじゃなく、怖い。
人間、どこで何されるかわかんないね。