投稿元:
レビューを見る
ジェローム グループマン (著), Jerome Groopman (原著), 美沢 惠子 (翻訳)
間違える医者と間違えない医者は、どこが異なるのか。いかにして医療現場でのエラーを回避するかという問題を考えるために、実例をあげ、医師の思考方法について探索する。知的刺激に満ちた医療ルポルタージュ。
投稿元:
レビューを見る
診断を間違えるパターンについて、具体例をたくさん見ながら改めて実感できる。間違えないためにはどういうアプローチを取るべきか、ロールモデルもたくさん登場する。最後のほうは飽きてくるけど、読み物として普通に楽しめるし、お気軽にどうぞ。
投稿元:
レビューを見る
一挙に読み終えた。臨床医必読。どのような状況で医者がミスを犯しやすいのかということを、10の症例で考察している。身に覚えがあることも多い。自分の犯したミスをすべて書き留め、事あるごとに読み返しているという(周りからは変人と言われている)医師のエピソードが印象に残った。
投稿元:
レビューを見る
医師の判断、思考アルゴリズムを詳細に記した本。
実際のケースにもとづき、関わった医師らがどうやって誤診し、どうやって正しい診断にたどりついたかが書いてあり、勉強になった。こういう思考アルゴリズムは意外と診断学の教科書にも書いていない。自分も類似の失敗や失敗に陥りやすい状況になったことがあり、一気に読んでしまった。
投稿元:
レビューを見る
高名な医師(らしい)が語る、臨床現場で働く医師たちが使っている道筋。失敗にこそ滋養があるという主張、マニュアル至上主義や市場主義への批判的意見など、共感できるところも多いんですが、読んでいると、なんとなくもやもやします。なんというか、アメリカ上流社会のエリート臭みたいなものを感じる。綺麗事を言い過ぎっていうか。単に僕のひがみかもしれませんが、手放しで賞賛する気持ちは起きませんでした。
投稿元:
レビューを見る
医者が判断しなければいけない材料はとてつもなく多く、目の前の患者が本当のことを言っているかもわかりません。
医療を箇所を治す技術と考えるか、人を治す行為と考えるか。あるいは、「ドクター」という職業と考えるか、「お医者様」という聖域に置くか。それぞれの立場で考え方が変わりそうです。
医療ミスという大きなものに至らずとも、よく生じがちな医者への不満は、その辺にあるのだなあと理解した気になりました。医者も患者にそういう不満を抱くのかな。
投稿元:
レビューを見る
「本書は、患者を診察するときに医師の頭の中で何が起こっているかに関する探索の書である」と著者が述べている。
医師自身が仕事に集中できないとき、イヤな患者さんが来たとき、自分の想定通りに治療が進まないとき、業者がプレゼントをもってきたとき…それらが意思決定にどんな影響を及ぼすか、というのはごくあたりまえの日常から出てくるテーマであるはずだが、実際の医療現場ではそのようなことについて考えにくいバイアスがかかるらしい。そのようなバイアスが重なった結果、患者はいろんな病院を渡り歩き、病気が進行してしまうといういわゆる「認知エラー」が生じる。
本書はアメリカの事例なので日本とは状況が異なる部分もあるが、指摘している問題点は同じであり、考えさせられる。
投稿元:
レビューを見る
医者が、病という現象に対してどのように診断し対応するかケースを通じて記述。
スポーツ選手の心構えの本はよくあるが、これもプロフェッショナルによる不確実性への対応であり、複雑系である人体を扱う医者の事例はあらゆる職業により通じる。著者はオンコロジスト。
事例:
長年誤診されてきた患者の再診断の難しさ。
感情による誤診。好ましい人への甘い希望的判診断と好ましくない人物(exアル中)への適当な診断
救急時における冷静な判断。
患者の家族による患者への判断のサポート。
新生児医療における前例のない症状への対応。
機器の発達によるデータ過信と患者への個別対応の軽視。
製薬企業との関係と治療時の判断の歪みが過剰治療をもたらす。
投稿元:
レビューを見る
間違える医者と間違えない医者はどこが違うのか。
研修生チームの指導医としてある時彼らが的を得た質問をしたり、注意深く相手の話を聞いたり、するどく観察することに関しては、ほとんどが落第生だったことに気づき医師達の思考法を理解することが誤診の頻度と重度を軽減できると考えたのがこの本を書くきっかけになっている。医師が考える時に患者やその家族の助けが必要になるため本書は素人向けに書かれている。
最近ではアルゴリズムとディシジョンツリーを使った診療ガイドラインを導入して医学生などの教育につかわれている。効率性は上がるが統計は必ず例外が有るし、無条件に受け入れると思考が停止する。
直感力を磨くのはいいことのように思われるが過度に依存するのはやはり危ない。
時間が限られる中で判断する以上間違いは起こり得る。しかし、医師と患者が協力する事で認識エラーを減らせるというのが本書の主張だ。
もし患者になった場合に医者の助けになる質問がいくつか挙げられている。
「私の病気は最悪の場合は何ですか」「症状が起きているこの患部の周りには他にどんな臓器があるのですか」こういった質問は医師に他の可能性を喚起することになる。
「他に何が考えられますか」「辻褄が合わない点が有りますか」「私の問題はもしかして一つだけではないのでは無いですか」
NHKのドクターGを見ていてもベテラン総合診療医は研修医達に同じような質問をしている。
間違える医者の思考法を見て思ったのは間違える研究者(やマーケターや営業や・・・)と同じパターンが見える事。インスタントな結論に飛びつき辻褄の合わない点は何かの誤差として無視をする。再検査や再実験は時間やコストの無駄に思えることもあるが立ち止まって考える時間は必要である。
ちなみに間違える碁打ちも同じパターンにはまることは身をもって分かっている。orz
投稿元:
レビューを見る
【テーマ】
医者はなぜ、治療・診断においてミスが生じてしまうのか。本書では、医者の思考メカニズムに基づいて、その要因を考察している。
【内容】
医療とは、そもそも不確実性を伴う分野であり、少なからずミスは生じてしまうもの。そのリスクをミニマイズするためには、以下の要素が重要である。
①医師特有の思考メカニズムの良くない特徴を認識しておく必要がある。例えば、時期尚早な結論付け、フレーミング(すぐに既存パターンにあてはめる)等。
②上記の予防策・防護策として、患者の協力が必要とのこと。つまり、より良い医療には、医者と患者間のコミュケーションを良好に図る必要があるとのこと。
*一般的には、医者は最適な治療方法の選定・診断を行うためには、”臨床アルゴリズム”のようなロジックを使っている。ただ、万能な思考ツールではなく、複合的な要素が絡み合うケースや、判断が難しいケースの場合、上記のようなロジックは使えない。
投稿元:
レビューを見る
医学のエラーについてケーススタディ形式で書かれている。いかにエラーを抑えるか、また医者による思考の差が診断にどのように影響するのか。医者も人間である。それをいかにもよく感じた。
電車が過ぎ去っていく中で、診断をしなければならない。限られた時間の中で、エラーを最小限にとどめ、効果的な治療をし、更には医薬品のマーケティングをも考えねばならない。病気には治療の難度がある。小さな異変を異変として気付けるか。医者というのはどの仕事よりも責任が重く、素晴らしく大変な仕事なのだと改めて気付かされた。
また、これは後から聞いた話だが、検査をなくしても問診だけでほとんどの病気は診断可能であるという。検査は量的データをもたらし、小さな変化を数値で示すことが可能だ。しかし一方でその量的データが医者を苦しめることもある。
量的データを有効に使う為にはどうすべきか、医療技術が進行する中で考えねばならない課題ではなかろうか。
投稿元:
レビューを見る
原書で買って積んどいて、日本語版で買い直してやはり積んどいた本。ようやく読めました。なかなかに面白かったです。
しかし、検査をやって見逃しを防ぐ場合と、検査をやらないで無用な侵襲を防ぐ行為は背反します。ここをどう乗り越えるかが、難しい。
伝統的な臨床推論の学的情報と実際のケースを織り交ぜつつ、かつベイズの定理への批判なども織り交ぜ、アメリカ発の本としては現実感、重みを感じる良書だと思います。
投稿元:
レビューを見る
上手な医者のかかり方の参考になると思う。病にならないと分からない、人間の心理もとても興味深く考させられた。また他の著書も読んでみたい
投稿元:
レビューを見る
医師が診断や治療の選択の際に陥りやすいバイアスについて豊かな物語を紡ぎながら示唆してくれる.
常に自己のバイアスに自覚的であるべきであること.
投稿元:
レビューを見る
医師は、時間の制約からヒューリスティクスにより診断していかなければならないが、その中で切り捨てられた情報、患者への思い込みなどのために誤診をしてしまうということを豊富な例で論じている。