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「清貧の賊」
人の人生や幸せとはいかなるものか。
己のやりたいことや為すべきことに真っ直ぐ向かい合って生きるということの豊かさや尊さを感じた。
人基準ではなく、自分はどうしていくのか。
目の前の現実を大切に、日々を積み重ねていく素朴な姿が美しい。
その人生は仏教の真髄と重なるのだろうと思う。
「星夜」
本人に会って話し合わないの?
と、現代人の私には少し不思議な感じがする。
でも、昔のことだから、正直な話とはならず、建前のやり取りとなってしまうんだろうな。
女の心は、というより、他人の心はわからないものだよな、と思う。
「霧の中」
霧を払う努力が出来なかった。
チャンスはいくらでもあったと思う。
不幸と混乱と屈辱とに絡めとられた人生のように見える。
地に足を付けて道を踏みしめることを避けた男のなれの果て。
1話目と真逆の話だと感じた。
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今東光 池大雅の弟子、佐竹噲々の評伝。江戸時代の話なのに会話で「芸術云々」と語られると、一気に興が醒める。
田宮虎彦は江戸から昭和まで生き抜いた元旗本の倅の一代記。時代に恵まれなかった人間への眼差しが深い。
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『人それぞれに歩むべき道があり、
人それぞれに歩んできた道がある』
書画の道を求めた末に…【清貧の賦】
恋は盲目、突然の別れ…【星夜】
見えない敵を追い求め…【霧の中】
♪人生楽ありゃ苦もあるさ♪