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恩田陸さんってこんなのでしたっけ…。と一寸唖然としてしまった作品。
後半に入ってきて、「え?この残りのページ数でまとまるのこれ??」って思ったのは間違いなく、終盤の失速っぷりは半端なかったです。
ネタ切れか、とも思ったものですが、なんかこう、総てを回収しきれなかった感が強い、と言うか。
此れはもう一冊分くらいの補足を挟まないと面白くはない、と思いました。
はい、正直に言って面白く無かったです。
導入というか視点というか、そういうのは良かったと思うんですよ、ね。
ただ、主人公の奥さんの存在がただの可哀想な人になっていて、薄い。
鮮明に夢を見る小学生の女の子がもうちょっと何かあるんじゃないか、と思いきや突然その存在が霞んで何処いったのかわかんなくなって、薄い。
そもそも主人公自体が自己というものが薄い。
こんなに厚めの本なのに全体的にうすっぺらいなあと言う印象を受けました。
本当、これ打ち切られた、とかじゃないですよね。
某週刊誌の打ち切り作品みたいながっかり感でした…。
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私、今まで読んだことのある小説家さんの中で、恩田陸が書く文章が一番好きかも知れない。というか、途中までの展開の強さは本当にこの人の文章の魅力だと思う
ストーリー展開が本当に面白い。文章にすごく引き込まれるというか、ワクワクして止まらなくなる
そして、最後の最後で、…なんだろう、もやっとする。中盤までの展開、疾走感、緊張感、不安感、雰囲気、どれも本当に好きなのだけれど、何故か最後がちょっと惜しい。
あ、ここで終わるの?という感じ。こんなに中盤までの流れがすばらしいのに、そこで急にブツッと切れてしまうのは本当に勿体ない!
うーん、今回のこの作品も、最終的にちょっと不完全燃焼かも。結局何だったの?って思ってしまう。
ラストの練りをもっともっとしっかりすれば、本当に、文句なしの作品を作れる人だと思う。
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この前放送されてた悪夢ちゃんの原作になった話らしいけど随分テイストが違った。ちょっとオカルトっぽい不思議な話。
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夜読んだら、怖くて怖くてトイレにいけなくなるくらいです。
でも、引き込まれてどんどん読んでしまう。
夢を見ることができるようになる近未来、それでかわっていくものなど、とってもリアルでそこも怖いです。
でもね…ラストが物足りなかったです…。
私の理解ではついていけなかった…ハッピーエンドということくらいしか…。
奥さんどうしたー!?と言いながら本を閉じました。
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文章は相変わらず、読みやすくて、すんなり読めました。
設定は、夢を映像化ってのが現実に出来るようになってきてるので、リアリティを感じましたが、お話は、伏線が回収仕切れてないですね。
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2012.04.03. 予約して、やっと借りたら表紙が気味悪い。ぞっとしつつ読み進めると、想像以上に怖くて、どうしよう…と思い悩む。正体不明の怖いものが、確かに眼前にいるんだけど靄に隠れてよく見えない。だけど、気配は濃厚で無視するのも危険…そんな雰囲気のまま、恐るおそる読む。読めば読むほど、怖いというよりは、薄気味悪いので、いったん強制終了。とてもじゃないけど、この表紙は、枕元にあったら怖い。寝る前に読むなんてもってのほか。ブツ切れのイメージを、次々に手渡されるよう。手触りとしては、恩田さんの「Q&A」に似てる、と思ったけど、読了してみると「月の裏側」や梶尾さんの「OKAGE」に近いかも。後半~ラストにかけては、ややファンシーというか、ゆるく終わってしまって残念。前半の緊張感が続けば、★5つなのにな。
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恩田陸さんの最新作、「夢」を判断して、子ども達の失踪事件を解決する・・・という内容に惹かれ、期待大で買ってみました。
恩田さんらしい、少し不気味で、でも引き込まれる。
この雰囲気が全面に出ていて、夜中に布団で読むのは間違いだった、と後悔。どきどきしながらの序盤読破でした。
中盤からは少しテンポが悪く、「もしかしてこれ、解決しないんじゃないのか?」という不安で読み進めるのが重かったです。
私が一つ勘違いしていたのが、この「夢違い」は、事件の謎を解いていくミステリーの要素が強いものだと思っていたのですが、どちらかというと、ホラーやサスペンスが強かったようです。
私は、ミステリーだのホラーだの、サスペンスだのの違いは明確にはわかりませんが、少なくとも私が期待していた”事件解決までのドキドキ”は味わえませんでした。残念。
あとは、毎度おなじみですが、オチがもう一歩。しっくりこないのです。
でも、夢判断といったネタが妙にリアルで面白かったです。
結構値が張りますので、まずは図書館で借りて読んでみてはどうでしょうか。
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疑問に思ったのは、古藤は最後現実へ戻ってきて浩章に会いに来たのか、夢の世界の住人となってガラス越しに会いに来たのか、浩章がいよいよ現実と夢の違いがわからなくなって古藤の「幽霊」と会ったのかということ。
髪が元に戻っていて、かつ浩章の腕に触れ、彼女の息を感じているというのは矛盾している気がする。髪の色は失われれば染めない限り元に戻らない。だとすると夢の世界の住人になったと考えられるが、現実に触れられているので、衰弱状態から覚醒してリハビリを経て浩章に会いに来たとも考えられる。判断がつかない。
それとも、完全な夢の世界の住人となったことによって、岩清水が懸念していたように、自由に現実に干渉できる存在になったということだろうか。
物語の最後の「余韻」を残すというのは作家の常套手段だから、考えてもしょうがないのかもしれない。
レビューでは後半が失速していると書かれている書き込みが多かったが、むしろ前半のほうが私は入りきれなかった。
「夢札」「獏」「夢判断」などの造語がこの物語のファンタジー要素として表されているが、この設定についていくのに苦労した。慣れるまでの辛抱だったが、「夢」が視ることができるようになった世界での時事問題に関する登場人物の議論では、ファンタジーにおける世界設定作りの材料にしていることは理解できるのだが、どうしてもフィクションであることを強調されてしまって若干冷めてしまった。
恩田さんのファンタジー作品はあまり自分の好みに合わないのかもしれない。
あと、これもほかの書き込みに散見されたことだが、私も言わずにはいれない。
奥さん、どうした(笑)
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何故、生き別れの兄にしたし(絶叫)
発売直後に買ったものの積んでたのですが、直木賞候補になったと聞いたとき期待するのをやめて、しかも正解でした(涙) なんで竜頭蛇尾のときに限って候補になるんだ、恩田作品。
夢が見えるようになった未来で、無意識が視覚化されることで起きる集団意識の変化、という切り口は面白かったのに結末が残念。主人公の奥さんとか生き別れの兄(泣)とか、強引に畳もうとして色々切り捨てちゃった印象。活かしきれなかったんだろうけど、唐突にお兄さんとか要らないよ。ご本人がすっとぼけてたって方がずっといいよ……
この当たり外れの大きさが恩田作品だけど、そろそろ当たりが読みたいなあと切に思います。
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思い続けることで、思った人のそばにいること。いつまでも忘れられない、忘れたくない思い出を持ち続けること。科学が進化した先は、突き動かされる衝動に左右される原始的な生活になるかもしれない。でもそれが良いのかもしれない。しがらみに縛られて生きるより、自分の思いに忠実にわがままにいきる強さも必要なのでしょう。
物語全般を何がおきているのか分からない不安感で包みながら、細かい情景描写とダイレクトな思考描写が秀逸。ただ、そのもやもやとした霧のような感覚にとらわれすぎて、世界に没頭できなかった感じがあり、★3つ。
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「夢は外からやってくる」
人が見た夢を、録画するように可視化した「夢札」。
なんでも可視化したことによる弊害。
夢なのか、現実なのか、という物語は、昔から好きで、
そういう映画もけっこう観ているし、
自分が実際にそういうことになることもある。
今目にしている現実は、本当は夢なのじゃないか?
夢だと思ってるあちらが現実なんじゃないか?
聴こえてくるドビュッシー、水仙の香り、吉野の桜・・・
こういう小道具の使い方がいい。
しかしながら、どんどん広げていったけどあれれとなるのも、
恩田陸らしいところなのか。
雰囲気重視なのかな・・・
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2012.2.21〜
パパに借りた。2.29読みおわる。
最後まで、ほんとにどうなるのか?とドキドキしながら読んだ。なんとも言えない、不思議な近未来の話で。
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久しぶりの恩田さんの長編でした。
中盤までを盛り上げて、そこから終盤まではアレレレ?これで終わり?と思わせるような流れは、いつも通りだったんだけど。
なんだろうなあ、
淡々とした文章は恩田さんそのものだったのですが、
どうも冴えが無い。
行間から滲み出てくる独特の切なさとか瑞々しさが感じられなかった。
独りよがりで思わせぶりな展開だけが宙に浮いてるという印象。
面白いテーマなのに、とっても残念。
一番疑問に思ったのは・・・奥さんどうした!?ってこと。
この疑問でもわかるように、登場人物への愛が希薄。
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夢を映像として視ることの出来る機械が発明された世界の話。恩田さんの新刊は久しぶり。様々なガジェットの使い方がすごい好きです。「夢は外側からやってくる」といった作中での解釈と相まって、随所で浮かび上がってくる幻想的なイメージの世界がいつの間にか近くにあるような気がする感覚に魅了されていました。この解釈こそが恩田作品の大切な要素だと僕は思います。
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観た夢を可視化する技術が、個々の人間や人類に及ぼす影響。
ホラー、ミステリー、サスペンス、様々な要素が絡み合ってずっしり重い。
過去と未来が交差しながら、現実が見えてくる。
恋愛小説でもあるのだなぁ。