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実に巧みな状況設定で、とにかくベタな展開を打ち破ろうとする著者の意気込みが感じられる小説だ。
主に家庭的に恵まれていない二人の少女と少年の語りで進行していくのだが、それぞれの人生ドラマだけでも大きな主題なのに、田舎の中学校の合唱コンへの挑戦のドラマや他の派生するストーリーが多く盛り込まれていて、そのため散漫になりがちなところがやや残念。
でも、安易に先を推理させない驚きに満ちた展開が用意されていて、さすがにこの著者ならではだ。
普通とは違う感動の涙が似合う物語。
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自分が合唱で歌ったのを思い出す。
作者のいつもの独特の孤独感といったものがリアルに描かれていて流石だなと思う。
主人公であるサトルがこの本、合唱を通し、成長、また人の輪に溶け込むことができたのが何よりで、ぜひ若い人に読んでもらいたい作品である。
ナズナの甘酸っぱい青春も胸を打つ。
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「きっとこの小説は日本の宝になる!」の惹句に惹かれて読了。
歌を通じてつながる青春物語。
じわっと効いてくるよい話。 映画化されて再読(6/8)
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一言で言うと「うすっぺらい」いろんな人の観点から描こうとしているため、どうしてもひとつひとつのエピソードが軽すぎて、そんな出来事でみんながひとつになるんだろうか・・・という疑問が出てきて、どの人にも感情移入できない。短いページ数でまとめあげなければいけないことは分かるけれど、どうしても同じ高校生、部活、音楽系でいうと「船に乗れ!/藤谷治」と比較してしまうと、雲泥の差があるように感じました。
また、先生のしゃべり言葉に終止違和感を感じました。変に男言葉で、おそらくざっくばらんな、教師らしくない教師としたかったのだろうとは思いますが、今時、女性でこんな言葉づかいする人いないだろうな、という風に思ったのもこの本に入り込めなかった理由かもしれません。
なにより、CMで見て期待しすぎてしまったことも、この本の評価を下げたように感じます。期待しすぎてしまい、その落差が激しかったので、良さを全く感じなかったのかもしれません。
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わたしたちは、何のために歌っているのか。好かれたい楽しく過ごしたいという欲望よりも、コンクールを勝ち進みたいという願望よりも、今私たちにあるのはもっと純粋でつよい心だった。
…この先はネタバレになるので自粛しますが、この本通じて自分の合唱への取り組み方って不純な要素多いなって今更ながら気付いたり。不純な要素があるから推進力がひ弱なんだろうなとも感じました。色々思うことは多い本でした。
ただ文章自体はすごくわかりやすい分、情景描写も心理描写もかなり単調で、そういうの期待している人にはキツイかも…。(僕は終章の桑原くんの思想描写は特に違和感が強くて、最後まで感情移入はできませんでした。せめて中学生じゃなければ…)
でもすごく気楽に読めます。余計なものを求めず単純に青春物語を読みたい場合にはすごく楽しく読めると思います!
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アンジェラ・アキの名曲 「手紙」が課題曲の、NHK合唱コンクールを舞台にした青春小説ということで、かなり熱く語られるのか、と思いきや、割とアッサリした展開だった。
ラノベ的とも言えようか(必ずしも悪い意味ではなく)。
しかし、ヤマ場ではやはりホロッとくるものはある。
各登場人物の掘り下げかたは、今一つ。
特に、産休となった先生の代わりに臨時できた柏木先生については、描き方が不十分と感じる。
閉じこもりがちだった男子の桑原君の、将来の自分に宛てた手紙が、ヤマの一つにあるのだが、この手紙が立派過ぎて(笑)、リアルさが感じられないところが残念。
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あまり好きじゃないと思っていた乙一の別名小説だったと、読み終わってから知る。
面白かったーと読み終わり、あ、なるほどこの人は「百瀬、こっちを向いて。」の著者なのかと腑に落ちたのに。
乙一、もう一度読んでみようか。
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とてもおもしろかったです。
この作者の小説は、アンソロジーで「百瀬、こっち向いて」を読んでからずっと追いかけてきたのですが、この小説で虜になりました。
何気ない日常の風景を、本当に美しく、儚く表現しますね。
もうずっとついていきます。
終盤の、全部がつながったシーンは、息がとまりそうでした。
思わず涙があふれました。
できれば登場人物たちの同世代のとき、自分がまだ学生だったときに出会いたかったです。
でも学校や部活動が当たり前だったあのときに読んでも、これほどの感動はなかったかもしれません。
もうこのひとは乙一の名を捨てて、中田永一で書きまくればいいよ!
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長崎の五島列島。女子しかいない合唱部に産休に入る顧問にかわり、美人の臨時教員が赴任し、男子生徒が下心まるだしで入部する。
安住さんがラジオでしきりに合唱の話をするので、なにかと気になっていて小説でその世界観に出会えたような気がします。
アンジェラアキの『手紙』も課題曲として登場して。想像もしやすかったです。
読みながらyoutubeでなんどかチェックしながら。
物語は2人の男子部員、女子部員の視点で描かれていてとても読みやすく。中学時代がとてもなつかしく思いました。
本屋大賞ノミネート作らしい。いい話でした。
映画化するなら美人先生を松下奈緒でお願いしたいです。
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合唱は「個人個人の歌の単なる集合ではなく、融合して別の生命体になる」都いう表現(実際は別の表現だが)に共感できた。
ただ、中学生世代の青春小説というよりは中学生の姿を借りて大人の感情を表しているように感じた。
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満点です。
帯や他の方のレビューでも高評価でしたが、私も満点です。
本当に親にとっては、子供は何が大切なのか、考えさせられましたね。
ただ産休代替教員の言葉使いはちょっと違和感がありました。
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合唱を中心に中学生の青春ストーリー
何かに夢中になれるってとってもすてきだ!
と思わせてくれました。
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視点が変わることで良い面と悪い面が両方出て、私にはマイナス面の方が勝っている気がした。先生には魅力が無く少しがっかりしたが、生徒たちの優しさが(信じられないくらいみんな優しい)歌声とともに美しい。
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舞台は、長崎の中学の合唱部。
語り手がコロコロ変わりますが、するすると読めました。
あっさり読めてしまい過ぎる感はありますが、登場人物が抱えているものはみんな複雑。下手したら暗くなりそうな話ばかりですが、全体の爽やかさから外さない様にうまいさじ加減で書かれていました。
音楽小説ではありませんが、合唱という独特の部活がよく描かれていました。柏木先生と松山先生が最後まで掴めませんでしたが、後半の生徒たちの展開が面白かったです。
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合唱を舞台にした青春小説ということで、かつて合唱部員だった自分の過去と照らし合わせて読んでいたのですが、正直この物語に出てくる子たちほど合唱というものに打ち込んでいた記憶はありませんでした(準備運動とかしなかったぞ…とか、声がひとつになる感動とか…)。
しかし、この物語に登場する子たちの合唱に対する言葉はとてもまっすぐで優しく、合唱部員だった当時の自分に聞かせてあげたいなぁと思いました。
読み終わるとふんわりとあたたかな心地になる可愛らしい作品でした。