紙の本
人間は考えるバカである。
2012/01/14 14:22
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:セカンド・プラン エトセトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
”大きな道を歩くとき、もっとも気をつけなければならないことは、小さな脇道に迷いこまないことだ”と常々思いながらも、やっぱり迷いこんでしまう。
なぜそうなるのか不思議だと思っていたら、そのヒントを本書で見つけた。
「人間は自然の法則に外れたおかしなことばかりしてしまう」と。
たしかに本能にプログラムされたとおりに芽を出し花を咲かせて実を落とすと、それが次の芽を出すだけの繰り返しが自然の状態だ。対して人は、花を咲かせ続けることばかり考え、本能のプログラムを無視することにより絶滅させてしまう。そして悩み苦しむ。
「迷っている状態のときは、実はどちらでもいいから迷っている」とも著者は教えてくれている。どちらにいっても正解であり不正解であるのが人生ということか。
なるほど小さく悟るのも悪くない。
「人が考えるのはバカだからである」と本書の最初で規定しておいて、「考える習慣がないと、常識の中でしか行動しなくなる」と最後のほうで締めくくっているところに、矛盾しているとも思えるが、しっかり「生きることそのものが矛盾だ」と前段でフォローしているあたり、悟りの開いている人は違うなと感心。
本能と思考の狭間の中で考えるバカは今日も錯覚の世界を楽しんでいる。
「錯覚から目覚めるというのは、悩み苦しみから解放されること」と著者はいうが、同時に幻想の楽しみも奪われることになる。「何かを諦めないと、何かを得ることはできない」と本書にあるとおりだ。大きな道も小さな道も錯覚に過ぎないのかもしれない。
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これまでの著作と基本的には同じ内容。同じ内容に何度も惹かれてしまうのは、自分の中で咀嚼ができていないということか。
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思い描いていた生活、人生に到達して、困難にぶつかり、この先々の事を考え、この本に書いてあるような事をまさに考えていた。
生きている意味が分からなかったが、ようやく分かり始めた気がする。
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色々人生で悩む人は是非読んで欲しい本です。
生きるということはいろいろな束縛を受けて本来は苦しいことなんだと筆者は言います。でも、人は生きることに執着してます。苦しいことに気づかずに生きている。
どんなにお金を稼いでも、仕事で出世したとしても、それに伴い、必ず何か新たな課題が加わってくる。
そのような中で、現状をいかに"悟り"生きていくかを説いています。
本文で面白い考えだなと思ったのは、プラス思考もマイナス思考も否定されていること。
プラス思考については、妄想的な思考もあるので、今ある自分をよく見ておく必要があると指摘しています。
むしろ、プログレッシブ思考をしなさいと。
全体的に、論語の中庸の思想と同じような考え方を提示されていました。
筆者は「怒らないこと」の本を書いて見えるので、今度近いうちに読んでみようかと思います。
最後に、私が感じたのは、東洋思想はやはり中庸の精神が求められているのかと思いました。
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小さな悟りを積み重ねる
自分も世界も因果法則によって起こる一時的な現象だと理解する人は、一流の人生の整備士になります。
無常の見方を万能薬にして、因縁理解して、自我は幻覚であるとはっきり知った人は、一切を捨て去らねばと覚悟します。
捨てて、捨て続けた先にこの上ない心の自由に到達するのです。
何かを一生懸命やっても何か面白くないなと思った時、真面目な人は、焦って何か意味を見いださなければいけないと考えてしまう。つまり不安な時に、意味を見出したくなる。意味を求めがちな人はその瞬間、自分は何かにつまずいているんだということに気づくといいでしょう。
私たちは人生を大げさに捉えすぎています。自分の人生を非常に意味があるものだと考えすぎなのです。
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生きることはそんなに大したことではないそう。
食べたり、お風呂に入ったり、仕事に行ったり。
基本的には、その瞬間その瞬間に必要なことをして過ごしていくだけ。
私たちは、人生を大げさに捕らえすぎているのかもしれません。だから、人と比べて不満や不安を感じたり、こうありたい、こうなりたいと理想ばかりを追い求めたり・・。でもそれは、生きることをより困難にしてしまいます。
何事にも捕われずに生きられたら良いですね。
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スマナサーラさん、スリランカ人。13才で得度したすごい人、日本語は完璧、本書は現代人の悩みや生き方を仏教的に解決し、生きるという苦行を穏やかに生きていけるように諭した本。分かるような、わからないような。
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中道が超越の道だというのは謎が解けた
同時にポジティブでも、ネガティブでもなく、プログレシップに思考するというのは智慧が増えた
そして究極は、自分すら頼りにしない方がいい
あとは、真の常識人となる
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定まった運命があるというのは錯覚。
マジメな人は意味を求めすぎるという過ちを簡単に犯してしまう。
不安は期待通りにならないのでは?という気持ちから生じます。
私たちにとって本当に重要なのは、刻々と変化する目の前のことに純粋に全力で取り組み、人生という仕事をその都度、完成させること。
諦めることはネガティブでない。精神を豊かにする非常に前向きな態度。
良い方でも悪い方でも、どちらに転んでも、どちらにしてもそれが人生。
人生は、小さな達成感をどれだけ多く持てるかが勝負。
いい笑は人を自由にさせてくれる。
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[ 内容 ]
この不確かな時代にあって、私たちの抱く「迷い」は尽きることがない。
どのようにすれば人は上手に迷いを晴らして自分を守り、穏やかに生きていくことができるのか。
そもそも人が苦しむ理由は、全て勝手な思い込み、錯覚にあった。
本書ではスマナサーラ長老が、その錯覚を一つひとつ分かりやすく解きほぐしていき、今よりもずっと「ラク」に生きる方法を伝授する。
スマナサーラ長老が贈る、小さな「悟り」の積み重ね方とは。
[ 目次 ]
第1章 あべこべ人生の夢から覚める(あべこべ人生の夢から覚める;人が考えるのはバカだからである ほか)
第2章 「諦める力」で人は成長する(完成は瞬間においてしかない;「諦める力」が幸福をもたらす ほか)
第3章 疲れない生き方は可能である(仕事は本来疲れないものである;人間はそもそも自立できない生き物である ほか)
第4章 争いをもたらす自尊心を捨てる(自分すら頼りにしないほうが救われる;愛はほんとうは悪いものである ほか)
第5章 人生は割り算にするといい(足し算の人生から引き算の人生へギアチェンジする;「脳が喜ぶ笑い」が問題を解決する ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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スリランカ上座仏教のお坊さんが書いた「生き方」についての本。
人に紹介されて読んでみたが、仏教の教えを、現代日本の言葉・文化を使って説明してくれており、まあまあ分かりやすかった。
例えば、決定的で変えることのできない「運命」は仏教では否定しており、あるのは「業」という考え方。
「業」とは与えられた基本的な性格を作るものであり、パソコンのOSのようなものらしい。
OSは修正することはできないが、その上に載せるアプリケーションにより、そのパソコンで何ができるかが変わってくる。
もし、アプリケーションが気に入らなければ、別のものに乗せ換えれば良い。
つまり、人には向き不向きがあって、それぞれに合ったアプリケーション(生き方)を選ぶことで、人生の幸不幸が決まる。だから、今の生き方が合わないと思ったら諦めて別の道を探しても良いんだという心構えを持つことで、楽になれるということだと思う。
その他、述べられているのは、以下のような「悟り」への第一歩のための考え方。
・長期間の計画・目標を立てるのはやめて、「今」という目の前のことに全力で取り組むこと。そして「今」が瞬間になることが「悟り」
・ギブ&テイク(自分が得しようとして奪い取る)ではなく、ギブ&レシーブ(お互いに与え受け取りあう)の利他の精神が大事
・ポジティブシンキングは現実逃避になり、ネガティブシンキングは悪い面しか見ようとしない。より建設的に「どんな対応をすればよいか」「自分が成長するにはどうすればいいか」を考えるプログレッシブ(前進)という姿勢・考え方をすべき
・仏教の「中道」は両極端の考え方の真ん中という意味ではない。両極端にあるAとBを超越した道
まだまだ自分には実行に移すのは難しそう。
特に、計画・目標を立てるなとか、臨機応変な行動の出来ない、今の自分には無理そう。
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同著者の他の本を読んで、とても共感したためこちらを読んだがかなりイマイチだった。
イマイチと感じたのは以下の2点
・仏教の考えの正しさを示すために、キリスト教や世の中でよく言われる考えなどとの比較が多く出てくるが、例が極端すぎたり、その例の解釈が恣意的に感じる。(例えば、「キリスト教では愛を説くけど、愛が平和を生み出すことなく戦争を生み出している」と言った趣旨があるが、愛で平和を感じている人もいるのでは?)
・仏教の教えが多く出てくるが、ぱっとみた時に教え同士が相反しているように見える。
実際には上記2点は私の解釈の問題なのかとも思われる。ただし、説明が簡潔すぎるのと、あとは恐らく仏教の中での大前提があるが、それがちゃんと記載されていないのではないかと感じた。
深く読み、解釈を汲み取ることを求めているのかもしれないが、それは結局、私が推測する解釈であって著者の伝えたい意図とあっているかはわからない。また、論調的にも合わないことからそこまで深く読もうとは思えない一冊だった。
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追記
でも全く響かなかったわけではなく、以下の点などは良かった。
・世の中は無常にも関わらず、人はそれを忘れてしまう。何かを受け取る時に、それを脳内でスチール写真のように固定したものに変換してしまい、「ものはある」という誤った認識を作ってしまう。それによって苦しみのサイクルが生じる。
・意味を深く考えなくて良い。なんで学校に行くの?将来偉くなるため、とかそこまで行かずに「勉強するため」そのくらいで良い。
・現代人は考えることの正しさを強く信じているから、よく考えることができるならなんでもコントロールできると過信している。でも、それはとんでもない思い違い。目の前で起きていることを「自然なこと」と捉え、どうにかしようと考えたり不安に囚われる必要はない。