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凄かった。
この一言につきる。やっぱりどこか非現実的で、テレビで見たりはしていたものの、他人事感が付きまといニュースでしきりにやっていたときはきにするものの、時間が経つと風化してしまうが、本を読んで壮絶な状況というのが手に取るように伝わってきて、一つ一つ読み進めるのすら辛くなりました。
もし、娘が、
もし、息子が、
もし、家族が、、、、
と、読みながら同時に考えざる得ないし、リアルな臨場感が伝わり夢にまで見る一冊です。
実際に現場を見ていない日本人ならば、必ず読むべき一冊。
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東日本大震災の取材にあたった読売新聞社数十人の手記。
沿岸部の支社のひとたちは自らの被災経験を、全国の応援記者は現地での経験を語っている。
被災直後の悲惨な状況等はほかの本でも多く接してもはやお腹いっぱいという感じだが、この本で面白いと思ったのは下記の2点。
まず、自分が書いた記事が紙面に載らないことも多いんだなということ。そして載らないということは記者にとってはかなりストレスなんだろう。時間を割いてお話を伺ったのに、自らの書く能力の不足で記事にならない。そこにプレッシャーを感じる人が多そうだった。
もう1点は、読者にさまざまな事実を伝えるためとはいえ、身内が亡くなった人たちにずけずけと取材に入るのはどうなんだと思うところもあったが(それは記者も同様だと本にも書いてあったが)、中には記者さんに自分の経験や想いを語ることによって助かっている人もいるんだなということ。特に、その一瞬だけではなく、長期間に渡って寄り添いながら取材を続けると、取材対象者の心の助けにもなっているんだなと感じた。少し目からウロコ。
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震災のことをより知りたいと思い読了。
あまりの惨状と被災者の方の辛すぎる状況に胸が苦しくなった。
そんな現場に赴き、時には被災者の方の悲しみをえぐってしまったり、自身の家族の安否が気になったり、、記者として何をすべきか、取材をすべきで何を伝えるべきなどか、など…記者の方も辛さも伝わった。
より広く正しい情報を伝え、被災地に有益な情報を届け、またこの悲劇を教訓にすることができるのは
報道機関の役目。昨今マスコミの姿勢について問われることが多々あるが、本来あるべき姿を考えさせられたように思う。
自分の仕事とは、使命とは、についても考えさせられた。
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東日本大震災を新聞記者の体験談をもとにまとめた書籍。当日東京で過ごしていた自分は多くの方が亡くなった未曾有の大災害が他人事のように思っていた。しかし、家族ができたこのタイミングで改めて知っておくべきだと思い読むこととした。
被災者の証言には何度も涙が出そうになった。目の前で家族を失うこと。大切な人が今も見つからないこと。故郷を去らねばならないこと。こんな平和な時代に生まれたのに、そこはまさに戦場のようであり地獄だった。大切な家族を失う喪失感と途方もない悲しみをたくさんの人が抱えることになった。遺族の気持ちを考えると目頭が熱くなった。
誰もがそこで起こった多くの悲劇を知るべきだと思った。もしかしたら身近にも被災された方がいるかもしれない。その方に自分がどう接するか変わってくると思う。
そして、自分が同じように家族を失うことを想像した。耐え難い、絶対にそんなことがあって欲しくないと思った。自分の大切な人を誰一人失いたくないと思った。