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涙なしでは読めない。
震災取材を通じて、新たな決意を固める記者。紙幅の制約等で伝えたいことを伝え切れない現実に思い悩む記者。取材で知り合った被災者の将来を見守ることを誓う記者。
読売新聞社の記者が初めて直面した大震災を前にして、正直な心のうちをさらす。
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震災の取材をする裏側での、記者たちの葛藤やよろこび、さまざまな想いが書かれた手記。
私の家族も被災地のボランティアに行っていたが、そのときの話を思い出した。
こういう本こそ誰もが読むべき1冊だと思う。
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(読了)
読売新聞の記者職を始めとする社員78人の記録。
「震災に当たって、自社は自社社員はどう対応したか。」という書籍が多い中で、この作品は、社員がどう動きどう感じたかをそのまま纏めたもの。
従って、記者という職業への自負や疑問などがそのまま伝わってくる。
九ヶ月も経つというのに、東日本大震災関連の本を読むと、いけない。
涙が出てくる。
東日本大震災を経験して、あるいは、取材して讀賣新聞の記者は何をどう見たのか。
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読売新聞の記者たちが震災の時に、それぞれの部署で何を感じたのか、何を追い求めたのか、など、自由な文体で書いた作文?を集めた本。
震災の現場に派遣された記者もいるし、地元に残った記者もいるし、官庁に詰めていた記者も居て、なるほど新聞社というのはこれだけたくさんの記者を抱えてそれぞれがたくさん記事を上げてきた、その中の厳選されたものが、新聞になるのだなあということがよくわかった。
個々の記者たちの文章の中では、やはり津波被災地での話が(自分が津波被災地に行っていたため)リアルに迫ってくる。
とくに、お母さんに手紙を書いた女の子のことを描いたカメラマンの文章は素晴らしかった。絵(写真)もすごいが、その押さえた筆致がすばらしく、非常に印象に残った。
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(2012.01.03読了)(2011.12.20借入)
【東日本大震災関連・その46】
NHKの記者たちが書いた「明日へ-東日本大震災命の記録-」という本がありますが、この本は、読売新聞の記者たちが書いた本です。
「この本は、東日本大震災の取材に当たった読売新聞記者78人が現地で何を見て、いかに感じ、何を考えたかの体験記だ。」(2頁)
章立ては、以下の通りです。
第一章、津波
第二章、原発
第三章、官邸・東電など
第四章、東京、千葉そして各地で
●石巻市の精神科病院「恵愛病院」(34頁)
「一番被害のひどい、一番弱い人がいるところに支援が届いていないんです。人も食料も移動手段もなく、ずっと孤立したままです。そういう現実を、きちんと社会に伝えてください」
●遺体の回収(51頁)
行政に頼んでも遺体の回収まで手が回らない。平塚さんは毎朝、避難所から約15分の現場に足を運び、2人の遺体に合掌することしかできず、悲嘆に暮れる日々を過ごしていたのだ。
亡くなった人の分だけ、悲しい出来事が起きたと伝えたい。
●ママへ(80頁)
トランプをしていると、突然、「ママに手紙を書く」と、ノートを広げた。愛海ちゃんは、覚えたばかりのひらがなで、一文字ずつゆっくり書き進め、「ままへ。いきてるといいね おげんきですか」と書いた。
●子供と母親(96頁)
幼い子どもの泣き声とともに、申し訳なさそうに体育館の外に出たり、集団を避けて布団を敷いたりしている母親の姿が目についた。事情を尋ねると、子どもの声で他の避難者に迷惑をかけたくないからだという。また、震災当初、ミルクを初め、おむつやお尻ふき、哺乳瓶やおしゃぶりなど、子ども向けの支援物質は不足を極めていた。母親同士で道具を融通し合い、何とかしのいでいるのだという。
●海での遺体捜索(114頁)
「いつまで続けるのか?」
「やめろと言われるまで続ける。遺体が帰ることで、遺族は次の一歩を踏み出すことができる。そう信じている」
●母の手をつかんで(134頁)
「母と2人で自宅にいました」。女性は静かに語りはじめた。「2階にいたけど、どんどん水位が上がってきて……。初めは母の手をつかんでいたんです。でも、自宅ごと流されて、気がつくと手を離してしまって……。近くに浮かんでいた板やタイヤに無我夢中でしがみついて、助けを待ちました」。
●原発の功罪(212頁)
原発で崩壊する地域社会。放射性物質によって住み慣れた家を追われながらも、「原発がないと働き口がない」とこぼす被災者たち。矛盾するようだが、どちらも被災者の実相だ。
●「情報隠し?」(230頁)
枝野氏から「情報を隠しているのではない、そもそも情報がないということが国民に理解されていない。地震で放射線量を計る装置も壊れ、原発からどれくらい放射性物質が出ているかわからないから困っている」と、苦しい胸の内を聞いたこともある。政府の関係機関が把握した情報を首相官邸が集約しきれていなかったし、情報を集約する手順の欠陥も明らかだった。その意味では「情報隠し」とは言えないのではないかと思う。
●保安院(252頁)
保安院の広報意識や情報処理能力の低さは、以前から報道各社の間で問題になっていた。報道対応の担当者が必要な時間帯に不在だったり、複数課にまたがる発表内容を問い合わせるとたらいまわしにされたり……。強く申し入れるて改善されても、数カ月すると元に戻っていた。
●浦安(274頁)
道路は波打ち、亀裂と陥没で通行もままならない。電柱は傾き、住宅街の塀は崩れ、地中のマンホールはあちこちで路面に突出した。
2日目以降も、液状化の街を歩いた。被害は市域の約8割に及び、住宅約8500棟が傾くなど損壊し、延べ約5万2000世帯が上下水道とガス断絶の「三重苦」に陥った。
☆関連図書(既読)
「緊急解説!福島第一原発事故と放射線」水野倫之・山崎淑行・藤原淳登著、NHK出版新書、2011.06.10
「津波と原発」佐野眞一著、講談社、2011.06.18
「前へ!-東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録-」麻生幾著、新潮社、2011.08.10
「明日へ-東日本大震災命の記録-」NHK東日本大震災プロジェクト著、NHK出版、2011.08.30
(2012年1月9日・記)
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現地取材にあたった読売新聞記者を中心とした体験記集。多数の体験記を収録しようとしたためか一人当たりの字数が限られているうえ、外部の一般読者に読まれるのを意識した「たてまえ」「いい子」の原稿が多い。
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河北新報のいちばん長い日を読んだ後、
他にはないかと見回したときに見つけた一冊。
読売新聞社ということで全国紙の立場から
震災を捉えている部分も多かったと思う。
全国に対し、警鐘をならすという意味においては
この本も読んで損はないと思う。
同じように心に熱く響き、自然と涙がこみ上げてくる
そんな体験談が描かれている。
地方紙と全国紙と立場は違えど
二度と繰り返さない為に、そして東北の復興の為に。
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地震・津波の部分はかなり良い。特に地震当時に東北にいた記者の記事は価値あり。記者として取材しなければならないことへの自己批判など、訴えるものがある。取材先選定なども、このように決まってくるのか、と参考になる。逆に震災後1ヶ月後に現地に入りましたというような記者の記事はあまり参考にならず。後半の原発・政府関係の部分は評論家的であり、読む価値なし。
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現地を取材した記者1人1人の熱い体験記を書いているのですが
結果として何十人とほぼ同じ内容なので飽きてしまいました。
1人数ページの内容なのが残念ではないでしょうか。
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震災を忘れまいと買った本。
正直ページをめくるのが辛い。
今だ苦しむ人がいることを忘れてはいけない。
津波の記事は胸にきます。
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大災害を体験した者と、していない者との間の違いを感じた。また、いわゆるマスメディアに従事している人間・記者に対してもっと注意して見る必要性があるとも感じた。一部ではあるが、マスコミたちは彼ら自身の記事によって人々がどう感じるかなど全く気にせず、それによってかかる影響などにも全く責任を取りもしない。岡本公樹氏のような善良な記者もいる一方で、記事を読む際に物事を深く注視し、読者が真贋を見極める必要性を感じた。
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3/11東日本大震災、我々は新聞、テレビ、ラジオなどの報道機関を通じて現地の様子を知った。しかしその映像は、写真は誰が撮ったのか。記事を書いたのは誰なのか。それを気にする人は少ない。
ある記者は被災者だった、ある記者は特ダネを見つけるつもりで乗り込んだ、ある記者は単なる仕事の一環として行った、そして、それぞれが想像以上の現実を目の当たりにすることになる…。(院生アルバイトスタッフ)
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3.11東日本大震災の読売新聞記者たちの取材記録。当日、自らも被災した記者、あるいは何日か後に応援で現地入りした記者、さらには官邸や東電に張り付いていた記者など、主として若手の記者たちによる取材記である。新聞に掲載された記事とは別の、もう少し個人的なスタンスで書かれているので、よく言えば個々の記者の思いが伝わるのだが、ややもすると思い入れが空回りしてかえって伝わりにくい側面もある。多くを載せようとするあまり、1つ1つが短かすぎることもややマイナスに働いたようだ。
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[2013.17]読売新聞の記者が、東日本大震災発生時に被災地をはじめ、東電や官邸などでの見たこと、感じたことが書かれている。
その言葉一つ一つが被災地の壮絶な光景を投影しているようだ。
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2016/02/09読了。「人間」としての記者の目を通じて、被災地を、官邸を、東電を見つめる。特に被災直後に現地入りした記者の筆は、3.11の危機感と記者の人間のとしての苦悩がダイレクトに伝わってくる一冊。