紙の本
神出鬼没な市民サーヴィス課臨時出張所
2012/01/30 15:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:壱太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
安楽椅子探偵が謎解きをするミステリを初めて読みました。
安楽椅子探偵って話し手の情報だけで事件を紐解いていくんですね。
悩みごとを抱えた登場人物が、どこに出張してくるか予測のつかない神出鬼没な「市民サーヴィス課臨時出張所」に出くわし、謎の腕貫職員に何気なく相談してみるとあら不思議、概要を聞いて悩み事を的確に解決してくれる。
本当に神出鬼没としか言いようのないありえない場所に突如として現れてました。
あまり人気がなさそうな「市民サーヴィス課臨時出張所」なのですが、行列ができるぐらい人気があるみたいです。
短編なのですが、登場人物が繋がっていないようでちょっと関わり合いがあるので、そのあたりもちょっと楽しいです。
事件は、死体移動事件から恋の悩みまで幅広く何でも解決してくれます!
「スクランブル・カンパニィ」 が爽快でした。
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2011/12/4 Amazonより届く。
2015/4/10〜4/13
西澤さんの新シリーズ。櫃洗市の様々な場所に現れて、相談者の抱える謎にサクサク答える謎の腕貫男。西澤作品は変わった設定が多いが、こんなパターンがあったか。イヤイヤ盲点を突かれたなあ。面白い。シリーズ次作も楽しみ。
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色んなところに現れる”腕貫”着用職員が市民の悩みを解明。
連作ミステリーで読みやすいです。 ”腕貫”着用のお役所仕事丸出しの探偵(名前も出てこない)。 斬新でユニークで鋭くて、淡々と事件解決のヒントを出します。 軽いのもブラックなものもあり、一気に読めました。 続編もあるようなので、文庫化したら読みます。
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西澤保彦にしては後味のいい作品の多い短編集。短編集だけに、後に行くほどインパクトが薄くなるが、これはまあ仕方あるまい。「喪失の扉」の最後の句点は不要だと思ふ。
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【謎の“腕貫”着用職員が市民の悩みを次々に解明!
大学に、病院に、警察署に……突如現れる「市民サーヴィス課臨時出張所」。
そこに座る年齢不詳の奇妙な男に、悩める市民たちはついつい相談を持ちかけてしまう。
隣人の遺体が移動した? 幸せ絶頂の母がなぜ突然鬱に? 二股がバレた恋人との復縁はあり?
小さな謎も大きな謎も、冷静かつ鋭い洞察力で腕貫男がさらりと解明!
ユーモアたっぷりに描く連作ミステリ7編。 】
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推理小説には2種類あります。
人が「死ぬ」お話と「死なない」お話です。
推理小説というと必ず人が死ぬと思われる方が多々いますが、
推理というのは犯人当てというのがメインではなく、
犯人当てだとしても如何にロジカルに回答を見つけられるかが
面白みなのです。
結果ではなく、過程を楽しむものという感じでしょうか。
西澤先生の作品は総じてこうした過程を楽しむ作品が多いと思います。
与えられた情報からロジカルに考えられる回答を導く過程。
それを楽しむのが一番だと思います。
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市民のちょっとした悩み事を聞き、その場で解決のポイントを提示してあげるという安楽椅子探偵系のライトミステリ。
それなりに楽しめるが、全体的に惜しい感じ。探偵が無表情で無口な設定かと思えば、結構ペラペラしゃべるところもあり、キャラ設定がよくわからないし、謎の質ももうひとつ。惜しい。続編に期待。
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謎を複雑に見せようとして頑張り過ぎた感じ。ちょっとご都合主義っぽいなぁ…。安楽椅子探偵としては間違ってないけど、神出鬼没な所が残念。後、どうも作者の特色らしいが名前が難し過ぎて読みづらい。全体的にラノベ感が漂っていて惜しいかな。
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個人的な思い込みで、西澤ミステリー=死人、のイメージがあったので、読み始める前までは、役場の職員が事件解決?なんじゃそりゃ?って訝しんでいましたが、良い意味で予想を裏切られて、大満足。
最近読んだ本の中で、個人的に大ヒット作品です。
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シュールな腕貫探偵の設定と単純に謎解きとしては面白いです。共感など気持ちに訴えるものはありませんが、短編として息抜きに読むには良い感じです。
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すぐ買って、すぐ読みました!
腕貫探偵シリーズ1作目!
うん、やっぱり面白かった!
個人的には2作目の方が好きかなぁー。
でも、1作目も先に買ってても、2作目は買ってたと思う!
出てくる人が微妙に絡んでるからまたいいんだけど、そーゆーのって続けづらいじゃん?
次も出して欲しい私的にはなんか…
うん、まぁとにかく、早く3作目が読みたい!!
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ふと本屋に行って気になってしまったのがこの本。表紙の絵もステキだったがなにより引かれたのはタイトル!推理ものが好きなので探偵とついてるのに引かれてしまい、あらすじも気になり即買い。
7つの短編の連作でできてるのですが、すっきりする1,2話、思わず笑っちゃう3話、ぞっとする4話、5話、ちょっときゅんとくる6,7話の構成。特に印象に残ったのが6話目『スクランブル・カンパニィ』。一番最後にきゅんとしましたね。淳子さんと檀田くんのその後が凄く気になる…。
登場人物としてはやっぱり腕貫男が気になる。彼は本当に公務員なのかはたまた魔法使いの類なのか、そこが誰にも分からない。性別男年齢不詳公務員風で腕貫してる、そこしかわからない。でもそこが、続き読みたくなる要因なんだろうな。
この作者さんの本を読むのは初めてだったんですが、個人的には当たりだったなあと!
ただ登場人物の苗字が読みづらくてそれが特徴なんだろうけれども漢字弱い私にはしんどかったです。西尾先生もそうなんだけど、難しい読みは覚えられなくなってしまう……。
続編も出ているらしいので、読みたいなあ
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サクサク読み進められて良かったです。
それぞれの事件は「ああ、なるほど」くらいで、驚きや感動があるわけではないけれど、短編集なんだから個人的にはむしろその方が嬉しいですね。
ソカワくんとかアサカさんとか、聞いたことないし読めない名字ばっかなのは…ご愛嬌(笑)
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アームチェアに対抗して、腕貫(アームカバー)かぁ……と、気楽に読みだしたのですが、惨敗に次ぐ惨敗、いい意味で推理が裏切られっぱなしでした。
いや、推理が裏切られたというよりも、同じ情報が渡されているのに推理すらできない(&でも、腕貫探偵の推理を聞くとそれしかないと思う……)という、、、あぁ、さすがロジックの天才、西澤 保彦です。
ということで、堪能しました。
また、登場する女性たちがほんと魅力的なんだなぁ。
続きがあるということで、『腕貫探偵、残業中』もポチッっとしました。
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誰かが書評で、蒼井上鷹さんがスキならおススメ!と言っていたけれど、確かにその通り。
蒼井ファンのあたしは(まぁその前に西澤フリークになりかけているんだけど)もう、
つるっと狂喜乱舞でこのワールドにGO!
まず最初の設定がさすがの西澤ワールド。
世にも奇妙な物語みたいに、おそらくは気持ちとシンクロしないと巡り会えない、
フシギな臨時出張所にすとんととりこまれ、まさにアームチェアディテクティブによって、
謎が解決してゆく連作短編集。
ちなみに主人公?というかタイトルの腕貫探偵とは、
その不思議な出張所に座っている、役人みたいに形式主義で、
ほとんど無駄話をせずに人の話だけ聞いてはぼそ、ぼそ、とヒントを出す、
摩訶不思議な出張所の担当者である。
あとがきで言いも言ったり、アームチェディテクティブならぬアームカバー・ディテクティブ。
この本を読んで一番私が学んだのは、よください格好の人を揶揄して
「ほらあの、お役所のおじさんがしてるような黒いアームカバーしてそうな」
なんていうそれが腕貫という日本語の単語として存在したことだったりもするのだが、
それはここの本題ではない。
この本の面白いのは、いわゆる探偵のプロトタイプが崩壊し、
いかに新規性(あるいは新奇性)のある探偵をと血眼になる世間を逆手に取ったかのような、
たいへん淡白で個性のない、主張しない探偵というスタイルなのかもしれないと思った。
なんせ本当にひと言二言の進言なので、逆に伝えられた依頼者のほうが、
悩んで自力で考えて、自分で解決するのが短編の山になるくらいなのだから。
そう考えるとアレね、世にも奇妙な〜は、日常のエアポケットに落ちるのは、
単に偶然だったり罰にふさわしい人なんだけれど、この作品に関していうと、
この出張所が目に入るのは、ある程度の知性と行動力があって自力で解決できる人、
というフィルターがあるのかもしれないねぇ。
続編は腕貫探偵残業中、らしい。
これも読まねば。
ところで西澤作品と言えばとにかく、珍しい名字が多い。犯人も被害者も。
これって、メジャーな名前だと自分が殺された!とかいう人が続出するから、
わざとそうしているんだろうか。
もしあたしだったら登場人物の名前を決めるだけで労力の半分を使ってしまいそうで、
すごい寡作な作家になってしまうと思うんだけど。