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人物評価の難しさ
2016/02/10 10:35
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投稿者:QQ3 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史上の人物の評価の難しさがよく分かる一冊です。井沢さんの本は、他の歴史書とは少し観点が違いますが楽しく読めました。
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2011/12/6 Amazonより届く。
2016/3/18〜4/3
江戸時代に入って、忠臣蔵、商人文化、日明の関係、琉球との関係に焦点をあてた、いつもの井沢節。ではあるが、本書は現代の世の中を生き抜くための示唆に溢れている。倉庫に入れずに、手元に置いておこう。
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フゥ~、漸く読み終わった…。このシリーズ、最初から読んでいるけれど、あまり興味が湧かない時代になってきて、いまイチ読み進むスピードが上がらず。
今回、頃は元禄、ということで忠臣蔵から始まって、それが明治維新につながっただの、前巻で触れられた「綱吉名君説」が縷々述べられたり、牽強付会、我田引水の謗りも恐れず相変わらずの井沢節。自説の繰り返しといきなり話が飛んじゃうのにはもう馴れたけど、興味が湧かない分、ちょっと辛い。
後半述べられる儒教や朱子学を基にした中国や朝鮮に対する論述も舌鋒鋭く、これを鵜呑みにするのも何かと思いながら、今の政治のこれらの国に対する付き合い方ちゅうのを、こういうことも頭に入れながら見るのも、まあ一興かと。
最後の琉球王国の件り、『テンペスト』の前の時代の話だけど、孫寧温がいたら良かったのにねぇと思ったり。
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“側用人”という改革実行のためのシステムを作り、戦国のある種野蛮な気風を一掃し、文治主義を確立した綱吉の功績。
そしてそれがいかにして後世に貶められて伝えられているか。
忠臣蔵のウソとそのウソが何故補強されて今日まで伝えられているのか。
14巻も相変わらず面白いっ。
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歴史は、時代時代を切り取ってマニアックに閉じこもって覚えるのではなく、マクロから視ることが大事。この逆説シリーズは、そもそも当たり前で冷静な視点で物事を考えるべしと気付かせてくれる、よいキッカケになる。
忠臣蔵と赤穂事件の違いから、日本史全体を一気通貫している怨霊信仰・日本教が浮かび上がる。のちの倒幕や二・二六事件の思想に繋がっていくなんて。こんなこと学校じゃ絶対教えてくれない。
「自分の歴史的位置」言い換えれば「使命」が認識できていたかどうか。綱吉後の新井白石に対する著者の考察は鋭い。
ドラマ的には地味な江戸時代中期、一層興味がわいてきた。
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これまでの巻で折に触れて出てきていた、「忠臣蔵」について書かれている巻です。
私はなぜか「忠臣蔵」に対する一般的な知識と認識を持っていないので、そういう解釈も出来るんだなぁとすんなり入ってきたのですが、思い入れがある人はそうもいかないかもしれませんね…。
むしろ、なぜそこまで「忠臣蔵」がもてはやされてきたのか、という部分についてとても興味がわいてきました。
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1、忠臣蔵、その虚構と真実編
2、将軍と側用人システム編
3、大阪・江戸大商人の世界編
4、江戸時代の東アジア外交Ⅰ 明と日本編
5、江戸時代の東アジア外交Ⅱ 琉球王国と日本編
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井沢氏の独断と偏見ワールド全開。忠臣蔵が史実とまったくかけ離れているのはわかるがあそこまでぼろくそに言わんでもいいんとちゃうか。私怨でもあるのか。
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忠臣蔵の話が中心なんだけど(史実と忠臣蔵は違うという話)、私は、そのあとの紀伊国屋文左衛門らの豪商の話が面白かったです。
特に、紀文が江戸の八丁堀三丁目全体を占めるような店を構えるまでに大きくなる過程と、その後、元禄年間に起こった大地震に伴って発生した大火災のために蓄えていた材木が完全に焼失し破産してしまったという話は栄枯盛衰と言いますか、なんとも言えない気持ちになりました。
現在まで残っているのかと思っていたのですが(紀伊國屋書店とか)。
何か、紀文の伝記読んでみようかな。
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文治政治と忠臣蔵の謎
武断政治から文治政治への展開Ⅱ
第一章 忠臣蔵、その虚構と真実編
武断政治から文治政治への展開Ⅲ
第二章 将軍と側用人システム編
武断政治から文治政治への展開Ⅳ
第三章 大坂・江戸 大商人の世界編
江戸時代の東アジア外交Ⅰ
第四章 明と日本編
江戸時代の東アジア外交Ⅱ
第五章 琉球王国と日本編
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1巻からずーと継続して単行本発売→即買しているうちの一つ。学生時代は先生が嫌いであまり好きじゃなかった歴史を大好きにしてくれた作品。この巻は江戸時代中期ですが、昨今の領土問題の根幹の話は腑に落ちます。
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柴田錬三郎は「秀吉は加藤清正に熊本でなく尾張あたりで百万石でも与えておくべきだった。そうすれば、豊臣家は滅びなかったであろう。」と書いた。
つまり、秀吉は、朝鮮出兵に本気で、家康をそこから排除し、子飼いをそこに張っていた。
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ご本人とその政治的主張は非常にクセがあり(マイルドに言って)、好き嫌いが別れそうですが、彼の通史は本当に面白い。「怨霊信仰+コトダマ+ケガレ忌避+和の精神」という日本人の宗教観をベースに古代史から現代までを新たな視点で考察しています。粗い・甘い箇所もあるけど掛け値なしに面白く、目から鱗。考えさせられます。
赤穂事件はまあまあですが、後はかなり散漫な印象。
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激動の時代が幕を閉じ、平定後の江戸時代の文化・政治を中心に論説が展開される。戦国時代からすると歴史的変化に乏しい時代のため、人それぞれ興味の問題ではあるが、個人的には些かダイナミズムに欠ける。
第1章 忠臣蔵、その虚構と真実編
第2章 将軍と側用人システム編
第3章 大坂・江戸 大商人の世界編
第4章 明と日本編
第5章 琉球王国と日本編
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今回は忠臣蔵、綱吉名君説、デリバティブの本家日本、徳川時代の中朝関係について。綱吉は生類憐みの令を出したことで暗君扱いされているけれど、それまでの時代は切り捨て御免の風習があり、かの水戸光圀でさえ浮浪者を大した理由もなく殺していたという。綱吉はそれを改め、今では当たり前の命の大切さを世間に知らしめたという。また彼は、側用人の制度を設け、政治の実権を握る役人たちを世襲制から実力本位の人が担当するように変革した。
だから暗君ではなく、名君だと著者は判断している。一方で綱吉には朝鮮系の血が流れている可能性もあり、そのためか現鬱陵島、現竹島(旧名松島)を朝鮮のものと認めてしまった経緯がある。これが現在でも韓国の不法占拠の根拠となっており、そう考えると何をしてくれたんだろう、との思いもある。
また、いきなりデリバティブ=金融派生商品の話が展開されたので何かと思ったら、この元祖は日本の堂島米市場にあるという。その証拠に、ノーベル経済学賞受賞者のマートン・ミラー教授が大阪へ行った時に「人類に対するすばらしい貢献」として先物市場の跡地に花を捧げたとのこと。
今現在株式市場でよく使われているローソク足も元は「酒田罫線法」といい、日本発祥のもの。鎖国時代にもかかわらず、世界最先端の経済の仕組みを実践していた証拠にもなる。
忠臣蔵については、相当なページ数を裂いて説明がなされている。というのも、この事件があったことが幕末に幕府瓦解のきっかけとなったからだという。
それは、人民が納得する理由があれば殺人も許容されるとの概念を幕府側も認めてしまったから。主君の恨みを晴らした赤穂浪士たちを下手人として処罰するのではなく、あくまで義士として扱い、切腹を言い渡した。これは幕府自身が、幕府の定めた法を超越する正義があると認めてしまったことの証明となる。
それがやがて幕府の力を超えた権威=朝廷を正義と見做し、勤王討幕運動に結実することになった。
そして、中朝関係についてだけれど、儒教、それも先鋭的な朱子学がどれだけいびつな考えで、それが日中、日韓関係をいかにこじらせている元になっているのかが説明されている。儒教においては、歴史が「どうであったか」よりも、「どうあるべきであったか」が重視され、この論法によると歴史捏造がいともたやすくなされるという。儒教は宗教であり、それを国際社会で主張されても困るというのが本音。そんな国と関わっていかなくてはいけないと思うと気分が暗くなる。