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『下町ロケット』で直木賞後、池井戸潤作品一発目の文庫本。さすが吉川英治新人文学賞をとった作品だ。
内容的にはゼネコンの談合に関するビジネスアドベンチャーであり『下町ロケット』よりも面白かった。
ビジネスアドベンチャー作品としては楡周平作品ばかり読んでたが、池井戸潤作品も読んでいこうと決めた。
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やっぱり池井戸潤は面白いなあ。ゼネコン談合の様子もリアルでのめりこんだ。個人的には西田の存在がよかった。
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本書にあるように、談合は死にかけている人たちを延命させる仕組みであり、競争と業界の成長を阻害する悪しき習慣といえる。
談合がはびこるのは、かつて公共事業に社会保障という意味合いがあったから。最近は、箱モノ行政も陰りを見せて、公共事業という間接補償から、社会保障という直接補償へかわりつつある。これは銀行を通さない直接株式と同じ構図をもっている。
効率化という点では利点はあるが、公共事業は、所得の再分配を労働の対価という形でおこなってきたため、同時に「働きがい」を作ってきた。
談合も、銀行融資もどちらも古き慣習だけれど、労働の対価としての金銭と、お目こぼしとしての金銭。どちらが望ましいのかは議論が残ると思う。
談合は国民の利益を阻害していたかもしれないが、「あ~、今日もよく働いた~」という一言をたくさん
つくってきたという歴史は確かにあると思う。
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中堅ゼネコン・一松組の若手、富島平太が異動した先は談合課と揶揄される、大口公共事業の受注部署だった―――
面白かった!!!
600ページを超える分厚い文庫だというのに全く飽きることなく読んだ!
建設業界についてはよく知らなくて談合のしくみなんてよく分からなくても、若手の主人公や業界外の彼女の目線で語られるので、わかりやすく読みやすい。
どうしても私は銀行員である彼女の萌ちゃんに共感しちゃう。流石、元銀行員の池井戸さんだなぁ…銀行の織り込み方も上手い。
登場人物それぞれに感情があって、過去があって、人間味を感じる。特に主人公の平太はまっすぐでいい奴〜!かっこよくて出来る主人公より、年も近くてがんばってる主人公のが読みやすくていいなって思う。
お話はキレイにまとまってる。前に池井戸さんの作品を読んだときもキレイにまとまってるなって思ったんだけど、池井戸さんてミステリー出身なんですね。納得。
池井戸さんの他の作品も読みたいな。
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談合をテーマにした企業小説。二千億円規模の地下鉄工事受注を巡り、技術とノウハウのある中堅ゼネコンが大手ゼネコンと熾烈な入札へのバトルを繰り広げ、さらに水面下での東京地検特捜部の捜査が描かれる。サスペンスに満ちた人間ドラマ&主人公の成長物語でもあると思う。
物語は、マンション建設の現場主任の入社4年目の富島平太に本社業務課への人事異動が下される。そこは、“談合課”と囁かれている部署で、取引先メインバンクに勤める彼女にやろうとしていることは、犯罪じゃんとなじられたりもする。
単独で仕事を獲れとの常務の指示で、先輩と共にコストダウンの為、下請け業者との交渉に東奔西走する。そんな中、業界のフィクサーと一目置かれる三橋と出会い常務の腹心として談合の渦の中へ巻き込まれていく・・・・というのが大雑把なあらすじである。
658ページと長編だが、全くの門外漢だったので興味深く読んだ。平太と恋人の関係で他の男へと心が移ってしまう両者に心が揺れ動く彼女の微妙な心模様も読み手としては気になった。それから政治とカネの問題も描かれているが、とりわけ、清濁併せ呑むというか、三橋という男の存在感あったね!競馬場、茶席etc…と場が変わるごとに平太に人生というものを語っていく。鉄を鍛えて鋼となるかのように。これは読んで期待を裏切らない!
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途中までよかった。
最後は…。
萌は、これぞ女性!という感じで、世の中そういうもんだよねって納得。
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新しいジャンルの作品だ。
企業小説のようで、一種のミステリーでもある。
600頁にもわたる長編小説であるが、一気に読ませる筆力がある。
ストーリーが洗練されていて、無駄がない。
人物もめりはりがついていて、よく描かれている。
直木賞作家の実力を見せつけられた。
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この人うまいなぁ、、立て続けに読んでいます。
物語として非常に完成度が高い。
建設会社における官製談合の話。
主人公と公共事業受注
主人公と彼女
との双方のストーリーを主に話が進むが、彼女部分が加わることで、物語としての視点がものすごく広がっていて非常に面白かった。
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池井戸潤の本はとても面白い。読みやすい文章で話がテンポよく進む。ストーリー構成もよく出来ていて、最後までいっきに読み進んだ。
元銀行員であるからか、銀行に対する描き方がいつも批判的、内部にいたからこそ描けるのかもしれない。
「鉄の骨」ゼネコンの談合の話、必要悪なのか?悩む平社員の生き方が初々しい。
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談合なんて知らないし、建設業界の話しなら読むのどうしようかなーと思ったのですが、読み始めたら止まりませんでした。平太も人間味あるし、西田も泥臭くいい。どんな業界でもクリーンであること、いることは難しい。
『汝、運を掴むときは躊躇うなかれ』
この本に出てきた言葉。モーゼの言葉らしいが、私は好きである。
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ゼネコンの談合をテーマに扱った、池井戸潤さんの作品です。
非常に重いテーマなのですが、そこはさすがに池井戸さん、見事なまでのエンターテインメント小説に仕上がっています。
理想と現実の間で悩む主人公の平太に感情移入必至!
社会で働くということは、本当に大変な事ですよね。(笑)
ちなみに、以前NHKでドラマ化されましたが、このドラマもすごく面白かったです。機会があればぜひ!
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おもしろくて、いっきに読みました。
いろいろ考えさせられもした。
ただ、最後がすっきりしなかった。
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同じ作者の「下町ロケット」に負けず、手に汗握る企業小説。
談合というテーマに対して、企業の生き残り策と個人のモラルとの狭間で揺れる登場人物たちの葛藤に引きこまれ、自分ならどうするか考えさせられる。テンポが良く予想を超えたストーリー展開はさずがです。
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企業小説っぽくなく、すーっと読める。面白い。
ゼネコンの談合がテーマであるため、土木・建築の話というよりは、しがらみ、理想と現実のギャップ、挫折、葛藤…等人間模様が中心に描かれている。
談合といえば一昔前の話なのかなと思う一方、現在でもゼネコンのみでなく他の様々な業態においても形・名称を変えて存在しているのではないか!!と思ってしまった。
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ゼネコンの談合がテーマ。
640頁の読み応えのあるボリュームだがサクサク読める。
下町ロケットの様なドラマ仕立ての痛快さこそ少ないけれど
企業人として働くこと、仕事と生き方とのバランスの取り方、
サラリーマンなら誰もが少なからず抱えている疑問や葛藤みたいなものがうまく散りばめられていて、とてもおもしろかった。
談合、政治家、地検、マネーロンダリング、銀行。
テーマは重たいけれど、そこはさすが池井戸潤って感じだった。
メインテーマは談合だけど、それだけじゃない。
主人公は中堅ゼネコンで働く入社3年目の若手社員。
その彼女は大学時代からの付き合いで、銀行勤務。
お互いの仕事に引っ張られるかのように、徐々に噛合わなく2人。
すごくリアルで、たぶんきっとあの手のすれ違いは、誰もが一度は経験していると思うから。
そういう視点でも、すごく入り込みやすい作品だった。
故郷の両親。母親が語った「りんごの樹」のエピソード。
とにかく読ませてくれる作品。