紙の本
女性版「半沢直樹」の物語
2013/09/06 20:39
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
銀行の仕事を熟知している池井戸氏ならではの短編集です。8つの話で構成され、それぞれが緩く繋がっています。
内容は、銀行の窓口を舞台として、勃発する数々の不祥事に挑む女性行員(ヒロイン)の物語です。半沢直樹シリーズと比べると話のスケールは小さくなりますが、悪事を暴き悪人をやっつける痛快ストーリーは、まさに女性版半沢直樹です。
銀行はカネを扱う職場ですから、時代が変わっても不祥事は絶えません。すなわち偶発的な事務ミスもあれば、それこそ犯罪に繋がる事件に事欠きません。本書は小説ではありますが、たいへんリアルな感じがして、そこがまた面白いと思いました。
とにかく、半沢直樹シリーズに優るとも劣らない仕上がりで、期待を裏切らないでしょう。
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池井戸さんの銀行もの。
銀行内部で起きる様々なトラブルを、調査役の補佐に抜擢された若手女性行員が解決していく短編集。最終的に、すべての事件の背後に見え隠れする悪の親玉に正義の鉄槌を!というような展開を期待したが、そういうのはなかった。なので、4点どまり。
それでも、それぞれ面白かった。続編を期待。
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不祥事って起こるものだよね
で、これを金融系の業務をしている知人に読んでもらった感想を聞いたら
「う~ん、これって手続き上、今は出来ないと思う」との事。
大口現金なんて支店にホイホイあるわけないじゃん、とかいろいろと突っ込みどころがあるようだ
ただ、こんなのより実際の不祥事の手口は実はたいした事ないようなことも言っていた
不祥事を起こしてしまう人は、「なんで、絶対ばれるのにやっちゃうんだろうね~」
との事(発覚が遅れてしまうのは結局、運用なんだって)
小説としてみた場合面白と思うが、不祥事はなくならないのだろうな
自分が起こすことがないようにしよう
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池井戸潤氏自身が銀行出身なだけに、ありそうな不祥事の短編連作。テレビドラマのよう。ただ今まで読んだ氏の作品に比べ短編のせいか、じんわり感じいる内容ではない。
しかし、主人公が保身に走らず正しい事を正しいというところは、いつも通り、サラリーマンとしては読んていてスッキリする。読物としては、読みやすいし面白い。
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池井戸潤はもともと銀行に勤務していただけあって、銀行もの書くとリアルだし分かりやすい。
この銀行という社会では、一つのミスがずっと考査につきまとう。そんな男性社員は上の顔色を伺って無難に過ごすようになる‥
そういう銀行社会のしがらみを一切気にしない、ちとベテランの花咲舞が銀行社会の行員心理を見抜いて、問題点を暴く姿がすがすがしい。こういう実態を目の当たりにして、この著者も作家に転向したんだろうな。
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ちょっと池井戸潤ブームが来ています。企業ものの小説が面白いとは、私も年をとったものだな~とおもうところです。しかし、企業で働いているからこそ理解できる点もあるというのはそれなりに成長している証拠でもある。
さて、主人公の狂咲さんは正義感あふれるオテンバさん。仕事に愛をもっているからこそできる行動、上司ははらはらですが、こんな子がいてくれるからこそ駄目な仕事にも一縷の希望を見出せるのかも。
彼女はこんな言葉を吐露する。「たまに銀行という組織に、こういう無力感というか、殺伐としたものを感じる時があるのよ。結局、ここには人を動かし、ときに狂わせるいくつかの物差しが同時に存在している。銀行という利益という物差し、そして派閥や個人的な私利私欲という物差し・・・」
そうこれは銀行というそしきだけではなくすべての業態でいえることだ。
後にはこう続く「私たち個人が幸せになれるか、本当にやりたい仕事ができるかという物差しはいつだって後回し」
いつだって、人は自分中心だ。企業もおなじ 。どこに妥協点を見出すか、どこが正義にかなうのか。
そんなことを考える一冊。
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面白い。
タイトルは難しそうな印象を与えているけれども、そんなことはない。
仕事で鬱憤が溜まっている人には是非読んでもらいたい。
世に蔓延る悪を蹴散らしてくれます。
水戸黄門がずっと印籠を出し続けているような爽快感たっぷりの作品。
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池井戸作品、銀行モノのなかでは特に読みやすいのでは。NHK21時枠でドラマ化されそうなストーリー。花咲舞の雰囲気、ショムニの江角マキコ。
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池井戸潤さんの銀行もの。
花咲舞の感情的になったときの台詞が堪らない。
今回の話は銀行だけに留まらず、世間一般の企業の内部にも当てはまるのかもしれない。
花咲舞のような人物が堂々とものが言える組織にしたいものである。
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登場人物二人に焦点をあてた短編集。
面白かった!そして、一話一話の爽快感!現実世界じゃこうもうまくいかないんじゃぁ・・・・って思いは否めませんが読み応えありました。
外からみているだけじゃ分からない銀行の組織。
保身に走るエリート銀行員とか目に浮かびます。
こんな花咲さんみたいな人、上司だったら仕事がんばるのにと思ったり。
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またまた銀行話。
臨店指導を行う二人の銀行員。
相馬と花咲。
この花咲さんの啖呵とか素敵過ぎるんですけど…!
オムニバス形式で進むけども
最後はやっぱりそこにいきついてくれてすっきりです。
伊丹の若造め…!
ただその後の真藤さんとか気になります。
延々目の敵にしてこのまま行くのでしょうか?
シリーズものとしても出ないのかなぁ?
面白いのに…。
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“狂咲”こと花咲舞の歯に衣着せぬ言動が痛快!正義感溢れる主人公で銀行ものと、とても池井戸さんらしい作品。
とにかく読んでいて気持ちがいい短編集。話は繋がっているけれど、ひとつひとつきちんと読ませる。
特に『過払い』は銀行の体質が出ていて、素晴らしいと思う。池井戸さんは女子行員の気持ちもよく分かるし、上司になって欲しかったな。
女子行員はさらに楽しめると思う。言えないこと言ってくれてる!とか、あるあるそれ!とか、とても共感出来ます。
クリップケースに鍵入れとくは実際にやってた(笑)今はちゃんと鍵入れあるから、それはないけど…
続きが読みたいのでシリーズ化して欲しいです☆
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短篇小説の形式を取りながら1つの小説として読める。面白かった。花崎役は相武紗季でドラマ化したら面白いだろうと思うぞ。
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内容(「BOOK」データベースより)
ベテラン女子行員はコストだよーそう、うそぶく石頭の幹部をメッタ斬るのは、若手ホープの“狂咲”こと花咲舞。トラブルを抱えた支店を回って業務改善を指導する花咲は、事務と人間観察の名手。歯に衣着せぬ言動で、歪んだモラルと因習に支配されたメガバンクを蹴り上げる!新ヒロインの活躍が痛快なオフィス名編集。
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おもしろかった!
銀行にまつわる不祥事を描いた八篇による短篇集。
不祥事というトラブルやエラー、その背景にある人間関係の歪みに焦点を当てて描かれている。
人間の醜い部分も見せつつ、最終的には痛快にそれらの綻びを主人公の二人が解決しちゃう。
そして、なんといってもヒロインの狂咲こと花咲舞のキャラがすごいわ。
見事な暴れっぷりで強烈だけど、まっすぐで正論が通ってるからこそ、なんか元気がもらえる気がする。
この作者の本をもっと読んでみたいと思う。