紙の本
炸裂女性パワー
2019/06/05 05:53
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投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランス革命の中でも名高いバスティーユの陥落。事件は知っていても、今まで囚人を解放したのかなぁくらいに、なんで襲われたのか知らなかったのですが、ようやく分かりました。実は囚人が目当てではなかったのですね^_^;本巻の見どころはほかにも。王をパリに拉致してしまう女性パワーにも脱帽です。さてさて、少しずつ議会から距離を置き始めたミラボー、今後どう革命が進展していくのかますます楽しみです。
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ある種のミステリーである。如何にして、フランス革命が起こったか?計算されたものでなく、何かの勢いであったのか?
ルイ16世は民衆を軽く見過ぎたのではないか、イギリスのような立憲君主国に導くことも可能だったのではないか?歴史はちょうと歯車が狂うと別の方向に行ってしまう。そういう意味では、本当にわくわくする小説である。
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1789年、パリ市民の暴動は、バスティーユを陥落させ、革命を成功させるが、暮らしは一向に改善されず、女たちによって国王の拉致される。
パリとヴェルサイユの関係、国王と議員と市民の関係、状況が理解できて面白い。
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バスティーユ要塞の陥落といえば、フランス大革命の最初の山場である。というより、さらっとした理解では、この陥落こそがフランス革命であると勘違いしかねない。そのくらい印象的な大事件である。確か、オスカルが戦死したのも、このあたりの設定だったと思う。
実際のところどうだったのかはもちろんわからないけれど、この小説では、ごく普通の人たちが集まって盛り上がっている中でひょいと生まれた、一種の弾みのように感じる。物足りないという漢字もしたけれど、実際のところ当事者にとってはそういうモノなんだろうと思う。そういえば、あくまで小説であって歴史の本ではないから、登場人物は常に当事者である。当たり前のことなんだけど、それが新鮮なのだろう。
有名なヴェルサイユ行進も同じだ。女たちが集まって国王一家をヴェルサイユからパリに拉致してしまう事件も、実に台所っぽい話になっていて、なんだか、そのあたりで普通に起きる事件のような漢字である。
ミラボーが戦う姿が痛ましい。革命の最初の頃こそ圧倒的な迫力で革命を前へ進めていたけれど、実はきっちりとバランスを取りながら理知的に物事を運んでいく彼は、そろそろ革命から取り残されつつあり、そうなってしまえば、反動勢力になってしまうのが納得できる。このあとのことを考えると、なんだか切ない。
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いよいよ最初の佳境。バスティーユ襲撃の前日から,ベルサイユ行進まで。ダントンとマラが登場。民衆側はかなり烏合の衆な気もするが,大きな力で歴史を動かした。
武器が足りず,7/14に廃兵院から銃・弾薬などを入手,バスティーユを包囲する。パリには王の軍隊が入っており,さらなる武器を求めていた。交渉がうまくいかず,跳ね橋が降りたことで民衆が殺到,多くの犠牲を出しながらも,要塞側を降伏させる。報復の槍首など,行き過ぎがあるのは仕方ないか…。
歴史小説を読んでていつも気になってしまうのは,事実はどうだったのかということ。デムーラン,ダントン,マラなど革命の有名人がバスティーユで戦っているのは,史実がそうなんだろうか,それともまったくの創作で,真相は歴史の中に埋没してしまって永久に分からないのか。
ともかくバスティーユが陥ち,革命を今後どうするかで悩ましい。アメリカ革命とは違って,民衆の利害は多様。事件の収拾を図り,将来につなげていくために,ベルサイユの議会が動く。ここらから,ミラボーとロベスピエールの意見の相違が描かれはじめる。良い伏線だ。
ロベスピエールは議会における議論を,正しい意見に軍配を上げる勝負のような感じで受け取っているのに対して,ミラボーは異なる意見のやりとりを通し,元の意見をさらに練り上げるという解釈。王の拒否権などを巡って,両者の対立が深まっていく。
巻末あたりのベルサイユ行進,これはちょっとわざとらしいかなというのがあった。デムーランの恋人リュシルが行進の先頭に立って…という設定。あんまりあからさまだとちょっと萎えてしまう。
…万一史実だったら謝りますが。
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進み具合が緩慢で面白みに欠ける。長編小説だから、ちょっとつまらない巻があるのは致し方ないのかもしれない。その中で面白かったのは「19ー人権宣言」の章。とてもわかりやすく解説してあって、読んでてワクワクした!
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バスティーユ襲撃~ヴェルサイユ行進まで。
人権宣言は当時の封建社会からすれば画期的なことではあるが、だからといって実生活に直結するわけもなく、それがヴェルサイユ行進へと繋がった。
実態を捉えることなく制度を決めたり、言葉選びに終始したり、政治というものは今も昔も変わらないのだろうか。
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ようやく3冊目。しばらく間が空いてしまったのでちょっとストーリーを忘れつつあり。
バスティーユ陥落、人権宣言、ベルサイユ行進とフランス革命の初期のメインイベントが目白押しの一冊。
面白いのは、この時点では、誰もが立憲君主制を考えていて、王の処刑なんて夢のまた夢、と考えているところ。歴史の顛末を知っている現代人ではこの部分を忘れて、王制廃止=革命と思ってしまうのだけれど、絶対王政、王権神授説なんかがあった時代には、王の処刑なんてありえないというのがスタートなのは当然だな、と改めて思った。
ミラボーに絶大な信頼を寄せていたロベスピエールとの間にも隙間風が吹き始めて嵐の予感を感じさせる。ベルサイユ行進のスタートが、結婚話のもつれから始まるのは小説ならではの面白さ。
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解説:篠沢秀夫
グレーヴ広場◆略奪騒ぎ◆市政庁◆直談判◆武器をさがせ◆バスティーユ◆苛立ち◆走れ◆突入◆バリケード◆総決起◆援軍◆白旗◆革命か、暴動か◆誰の勝利か◆敗者◆革命なったというならば◆さらば、貴族よ◆人権宣言◆王の拒否権◆新たな危機◆パレ・ロワイヤル再び◆なにかしないと◆女たちの理屈◆ヴェルサイユ行進◆珍客◆親切◆女たちの勝利◆絶望◆密使
著者:佐藤賢一(1968-、鶴岡市、小説家)
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20131218読了。
知識不足により、どこまでが史実なのか判断できないのだが、大まかな流れは変わらないだろう。
ミラボーのずば抜けた洞察力と雄弁さに驚く。
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ミラボーという人物がよくわかる3
革命が迷走してるので、少しだらけてしまうけど、バスティーユの場面は迫力満点
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いよいよ革命は民衆をも巻き込んだ壮大で、後戻りのできないものへと変化していく。ヴェルサイユ行進の成功は、国王一家、そして議会をパリに引きずりだす。これらから先この革命はいかにとめるのかミラボー、しかし歴史の結果からわかることはそれはかなわなかったこと。そしてロベスピエールが向かう先も…
革命が複雑化し、さまざまな想いが交錯していくようになり、これからが目が離せなくなる。
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一巻二巻と心地よく読めたので、三巻が待ち遠しかった。ミラボーからデムーランに主人公が映るのかと思いきや、デムーランは主人公たりえない。むしろ彼女に気圧されてるしwロベスピエールもおどおど塩飽なったけど、主導権握るような感じはまだない…
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・パスティーユ陥落が最大の見せ場なのだけど、物語はその前後が読みどころ。(巻末の解説が篠沢教授なのも感慨深い)
・ミラボー、ロベスピエール、デムーラン、目的は有るところまでは一致しているが、思惑は異なっていて、そして、誰の思惑通りにも革命は進んでいないところが面白い。
・自分の思惑を超えて流されながら自身の虚像が肥大化していくデムーラン、終盤ではミラボーにも転機が訪れそう。先が楽しみ。