投稿元:
レビューを見る
光武帝の良いところは、やはり後味の悪くなるようなエピソードの少なさだろう。天寿を全うし、晩節が汚れることもない。郭皇后の顛末には含みを感じるが、そのあたりに触れないあたり、宮城谷先生らしいところだろう。
相変わらず最後の巻は足早で、まるで人生の濃度をそのまま写したようにさっぱりしたものであったが、読後感の良さは他のシリーズの中でも上の方だろう。ちょっと感じ入るものは少なかったかもしれないけれど。
投稿元:
レビューを見る
下巻はこれまでの陰徳がすべて報われる胸すく快事が続く。空前絶後の寛容を誇る劉秀にどっぷり心酔した。一気に天使に駆け上る様はまさに痛快。本当に気持ちよく読めた。春秋戦国、三国志に比べれば歴史の中に埋没していたといってよい後漢王朝にかくも心躍らせる事績があったとは。ただただ驚嘆に打ち震えた。疾風に勁草を知る。言辞をあらためて噛みしめた。
投稿元:
レビューを見る
よく知られている三国志のひとつ前の王様にならはった「劉」さんのものがたり。
なんか淡々と書いてはるような気がして、ものがたりを読んだんやけど、感情みたいなものが残っていないというか・・・・・まぁ、三冊も読めたんやから、それなりに面白かったんです。今は劉さんなん?
投稿元:
レビューを見る
中身のない理想に固執し国を巻き込んで自滅していった王莽に対し、あくまでも人を尊び理想を体現していった劉秀。
賊をすら心から恭順せしめる度量の大きさとか、配偶者選びの目の確かさとか、あらゆる点で帝王の鑑すぎる。
「疾風にして勁草を知る」という言葉も格好良い。彼自身が勁草だとも読める。
王朝の再興・空前絶後の情け深さ・親しみやすくて人望度MAX・奴婢解放とくると、これアルスラーンですやんと思うくらいにフィクションっぽいけど、全部史実なのか…。あれはもしかして光武帝がモデルだったのかと、ちょっと驚いた。
将軍が揃ってくると、さらっと紹介するだけの人物が多くなってきて、ただでさえ同姓同名や似た名前が多いのでやや混乱してしまった。4巻構成くらいで読みたかった。
故事の引用も多く、過去作の懐かしい顔ぶれがけっこう出てきたので、読み返したくなった。
投稿元:
レビューを見る
後漢の初代皇帝光武帝の物語。
主に青年期から皇帝になるまでが描かれている。
実に爽やかで徳が高く頭脳明晰。武力もあり知略もあり胆力もありながら、偉そうにせず庶民によりそう姿は非常に好感が持てる。
似たような名前が連発して誰が誰か分からなくなるのと、位置関係が分かりにくい地名が出てくるので多少混乱し挫折しそうになる。
三国志が好きな人ならおススメです。
投稿元:
レビューを見る
上中下3巻通しての感想。◆後漢の光武帝の建国までの話。兄・劉?の謀殺の箇所を流すなど、駆け足で事象をなぞる部分が有り、人物描写が散漫。後漢建国のエピソードについて、全く予備知識がなかったので、面白かったが。疾風頸草、隴を得て蜀を望む、志有る者は事竟に成る、柔よく剛を制す、妻を娶らば陰麗華などが、彼の言葉とは知らなかった。蜜売りのバイトをしていた話や、武の話を天下統一後は好まなかったということなど。十八史略は読んでいるはずなのだが…◆◆建武の武は「戈を止めるの武なり」ということが後漢書に書いてあるのか。武の
投稿元:
レビューを見る
一気に読んだ。劉秀がとっても有徳で、理想的な主人公として描かれていた。上巻の展開のゆっくりさに比較して、戦が始まってからの中、下巻は展開が早く、もう少し長くてもよかったかなと思う。各所で故事の引用があり、それらを知っていたので楽しめた。