投稿元:
レビューを見る
【シェフの内山が勤める高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女。黙々とコース料理を口に運ぶ姿に、不審に思った内山が問いかけると、女は意外な事実を語り出して…(「マリアージュ」)。立ちはだかる現実に絶望し、窮地に立たされた人間たちが取った異常な行動とは。日常に潜む狂気と、明かされる驚愕の真相。ベストセラー『サクリファイス』の著者が厳選して贈る、謎めく8つのミステリ集。書き下ろし短編収録。 】
投稿元:
レビューを見る
サクリファイスの著者による珠玉短編集ということだが・・・
全て先が読めてしまった。
SWEET BOYSが面白かった。
投稿元:
レビューを見る
『マリアージュ』毎日ひとりでディナーを食べに来る女性と、彼女に恋をするシェフの話。ラストの余韻がいい。
『コワス』タイトルはダサいが、内容は染み込むような怖さ。別れた彼女が自殺したあと、今の彼女の様子がなんだか変だ、って話。うまくまとめたな、と思いきや再度奈落の底へ突き落とされる。
『SWEET BOYS』親友が育児ノイローゼで自殺したことで、主人公の女性が偶然たどりついた夫達の意外な企み。80年代風の照れ臭い始まりからは想像もつかないそれぞれのドロドロな心模様。ラストで彼女の心が折れる音が聞こえます。
『過去の絵』芸大の中で起きたある盗作疑惑を巡るミステリ。創作に関する才能についての辛辣で残酷な考察が出色。個人的にはあのラストには不服。
『水仙の季節』双子のトリックが主題のミステリ。と言う以外に何もなし。
『窓の下には』幼き頃に自分に向けられた悪意の正体は...。これもまたあまりピンとこなかった。
『ダークルーム』専門学校の写真科で知り合ったふたりの恋の物語。と思いきやそこに落ちる悪意の影。そんな悪意を扱いながら前向きなラストに好感。
『北緯六十度の恋』仲良く北欧を旅する二人の女性。レズビアンというものを描きながら爽やかな読後感。
総括としてはやはり、古い作品にはその時代なりの古さなのか、はたまた拙さなのか、そんなニオイがしてまぁまぁの印象。
最後の2作品は最近の作品で、この2作が抜けて面白いのは今の近藤さんの力量なのだろうね。
65点(100点満点)
投稿元:
レビューを見る
この人の話はどれもすとんと自分の中に入ってきて共感できて大好きです。
でも私はこの人の話は短編集よりも、起承転結しっかりしてる長編のが好きだなぁと実感。
一個一個が短いので本を普段はあまり読まない人にはとっかかり易い一冊かもしれません。
投稿元:
レビューを見る
少し前から、いまひとつ好みにしっくり来ない、とは思っていました。本作も残念ながらそのような印象です。
奇しくも作中の某所で「どこを目指しているかわからない味」という表現が用いられていましたが、今の近藤さんは僕にとってはそれです。
残念です。
投稿元:
レビューを見る
ミステリ集となってますが、あまりミステリーだと思って読まない方がいいかもしれません。
ミステリーとしてはちょっと弱いかな?って感じがしました。
だけど面白くない訳ではないですよ~!!
それぞれ「愛憎」がテーマとなり、ゾクっとするようなお話が多いです。特に「コワス」はゾゾ~って感じでした。
「SWEET BOYS」が私は好きでした。
女のいやらしさや嫉妬の話はよくあるのですが、これはそれだけ
でもなかったのが良かったなと。
ただそれでもやっぱり1番醜いのは女の方だったけど。
私は好きですが、読後感は良いものではないですよ(笑)
後はやっぱり最後の「北緯六十度の恋」が一番いいのではないでしょうか。
不穏な空気をまとったまま、最後はどうなる?ととっても先が気になりました。
そして最後は1冊の締めくくりとしてもいい感じでした!
投稿元:
レビューを見る
ノンシリーズ短編集。ほぼミステリ寄りですが。ホラーがあったり恋愛小説めいたものがあったり、さまざまなテイストが楽しめます。
お気に入りは「コワス」。正統派ホラーの印象。怖いだけでなく哀愁も感じてしんみりできるお話かと思ったら……あらら。でもホラーはやっぱりこうですよっ。
「SWEET BOYS」は一番悪辣な物語。この真相はとんでもないなあ。だけど、引っ掛けられたほうも悪い! お互い様ですよね。
投稿元:
レビューを見る
実にバラエティに富んだ短篇集だった。
解説にも書かれているが、本当に近藤史恵は引き出しが多い。
割りと明るい感じのものからダークなものまでさまざまな味わいの作品ばかりが収められている。
表題作の「ダークルーム」には2つの意味がかけられているのがラストでわかる。妹の「お兄ちゃん大好き」は非常に恐ろしい。
恐ろしいといえば、「SWEET BOYS」のボーイズも恐ろしいが、もっとおぞましいのは女性陣の方。
自分たちも同じことをしているのに、厚かましくも被害者面をする。でもけっこう女性はこういう論理を平気で振り回すものだ。
「コワス」はホラーテイスト。曖昧な結末が混沌とした世界へ引きずり込もうとする。
「マリアージュ」のラストは余韻が残って、心がしんとする。
「過去の絵」は才能というものについて考えさせられる。でもラストは仄明るい。
「水仙の季節」がもっともミステリーらしいとも言えるが、それだけに短編だとちょっと物足りない感じがした。
「窓の下には」は回想がメインの物語で、少し哀しいお話なのだが、これは「あのころの宝もの」というアンソロジーに寄せられた作品なのだそうだ。アンソロジーの意図を思うとなかなかに大胆な選択だと思う。
「北緯六十度の恋」は書きおろし。女性同士の恋人という始まりに少し戸惑ったのだが、そのことが重要な意味を持つとは。憎しみと愛情の境界の曖昧さが見事に表現されていると思う。
近藤さんの作品はけっこう読んでいるが、あまりにテイストが違うために苦手なジャンルもある。
歌舞伎シリーズや捕物帖シリーズはちょっと苦手。今回はそういうのが入ってなくてよかった。
投稿元:
レビューを見る
モップシリーズともサクリファイスシリーズとも全く違う本。本当に同じ人が書いたのかと思ってしまいます。ダークルームは全体的に濃い群青色が立ち込めてる感じ。sweet boys が一番印象的。
投稿元:
レビューを見る
+++
シェフの内山が勤める高級フレンチレストランに毎晩ひとりで来店する謎の美女。黙々とコース料理を口に運ぶ姿に、不審に思った内山が問いかけると、女は意外な事実を語り出して…(「マリアージュ」)。立ちはだかる現実に絶望し、窮地に立たされた人間たちが取った異常な行動とは。日常に潜む狂気と、明かされる驚愕の真相。ベストセラー『サクリファイス』の著者が厳選して贈る、謎めく8つのミステリ集。書き下ろし短編収録。
+++
表題作のほか、「マリアージュ」 「コワス」 「SWEET BOYS」 「過去の絵」 「水仙の季節」 「君の下には」 「北緯六十度の恋」
+++
どれもちょっぴり怖い物語である。背筋が凍るような怖さではなく、じわじわと足元から這い上がってくるような怖さである。どの物語にも逆転する――というか逆なのだということに気づく――瞬間があり、その一瞬の怖さといったら思わず息が止まるようである。たとえば、復讐していると思っていたのに初めから陥れられている、とか。こんなことが我が身に起こってほしくないと思うことばかりだが、その辺中に罠がありそうな気になってくる一冊である。
投稿元:
レビューを見る
著者デビュー以来初のシリーズ外短篇。
短篇であろうと心理描写の繊細さは変わらない。誰もが持っている心の暗い闇の部分を描いているが、その中に必ず光がある事を教えてくれる。
投稿元:
レビューを見る
さらっさらっと読めました。人間の心の描写はいい感じの話も多いんですが、ミステリーって考えるとちょっと弱いかも。
投稿元:
レビューを見る
ホラー,恋愛,ミステリー等のバラエティに富んだ短編集ではありましたが,どの話もインパクトの薄い物語ばかりだったように感じます。
移動中の暇つぶし程度にはなりました。
投稿元:
レビューを見る
人間ホラーな短編集。
2話目の『コワス』は心霊的な要素もあるけれど、
基本的に人の心の暗い部分を描いている。
『sweet boys』と『窓の下には』が好きだった。
ただ、もう何冊も読んでみるけれど、
近藤さん、ミステリ的トリックや日常の謎を作るのが、あまりお上手ではないと思う。。。
人の心の機微を描かせると重厚なので、
そちらにシフトしないのかなあと思うけれど。
サクリファイスが売れた後もミステリな作品を発表し続けているので、
きっと書きたいんだろうなと思う。
ミステリ的な視点で見るとちょっと物足りなさを感じてしまうので、「ミステリ集」と表現するのは損をしている気がするな。
余計なお世話ですが。
投稿元:
レビューを見る
「マリアージュ」「SWEET BOYS」「北緯六十度の恋」が面白かった。
特に「SWEET BOYS」は正直ウヘェと言う印象。こんな事あったらやってられん。が、実際ありそうな感じはする。一気に持ち上げて、一気に落とされた。
ちなみに「SWEET BOYS」「北緯六十度の恋」は同性愛が絡んで来る。
内容には直接関係ないんだけど
「~~なかった。だのに、」
と、続く文章があって、何故だか衝撃を受けた。「だのに」って初めて見た気がする。