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なかなか面白かった。
同年代のアメリカの警官小説 Ed Mcbein の87分署シリーズ第1作 cop hater を思い出させる展開といったら、知っているひとにはネタバレかな
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登場人物全員のキャラクターがたっていて、しかも描写がお茶目で素晴らしい。このキャロラス・ディーンシリーズを順番に読んでいきたいけど、翻訳されていない作品が多いみたいで残念。愛に溢れた訳者あとがきも好き。
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スマートな資産家で歴史教師のキャロラス・ディーンシリーズの第一作目とのこと。
主人公のキャラクターは品が良く嫌味もなく、強引さには少し欠けるかもしれないけれど強い意志を感じさせる好ましいキャラクター。
警察と近すぎず遠すぎずの関係なのも、探偵小説的に無理を感じさせない程度で良かったです。
二件の殺人事件解決に関する手がかりは全て開示されているので、読み直して確認するのも楽しいかも。
街の人間もそれほどどぎつい変人がおらず、全体的に地味だけど味わいのある世界でした。
解説も丁寧で読み応えがありました。
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図書館で。
公立高校の歴史先生が犯罪に挑む!のは良いんだけど… 助手の生徒が可愛くないな!実に(笑)
そして極悪人ではないけれども小悪人だったおばあさんがねぇ… なんか哀れ。
まあ最初からダンスに行った妻は変な反応だなぁとは思ったんだけど…。でも彼があそこまでしないと犯人があぶりだせなかったというのもちょっと、ちょっとな、と思いました。
下手したら死んでたかもしれないのに呑気な先生だなぁなんて思いながら読み終えました。
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キャロラスはパブリックスクールの教師ですが、
親の残した財産があるので本来働く必要がなく、
純粋に好奇心から推理する正統派(?)探偵です。
これまでいろいろな探偵役の登場する小説を読んできましたし、
まだ私の知らない探偵像も沢山あると思いますが、
昔読書の中で出会った最初の探偵たちはこんな感じだった気がします。
歴史と犯罪に強い興味を示し、
少し前に執筆した本がベストセラーになり、
友人の巡査部長が意見を求めに訪れる。
「相当額の不労所得があることが同僚達のやっかみの種」
という行がありますがこれも「粋な服装」と合わせてポイント高いです。
何でこんなに懐かしい感じがするんだろうと思っていましたが、
解説によると原書は1955年のイギリスで出版されたとのことでした。
納得。
容疑者が沢山いて、
皆何か隠すかうそをついている。
キャロラスはそういう長閑な町の隣人達を一人一人訪ねていって、
聞き出した事実をつなぎ合せて推理します。
トリック物のような犯行が可能だったのは誰かという推理ではなく、
言葉のパズルを楽しむ感じでした。
発想の転換で事件の様相ががらりと変わるところが醍醐味でしょうか。
いろいろ持ってて鼻持ちならない設定のキャロラスですが。
パブリックスクールの生徒達は彼の好奇心をよく知っていて、
歴史の退屈な授業を避けて事件の話に脱線させるべく、
一丸となってキャロラスに質問する場面が何回かあります。
キャロラスはまんまと乗せられる訳ですが、
そういう抜けた(お茶目?)なところが憎めない人物像になってます。
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ところどころに挟まれる探偵小説の話や辛辣さを含んだユーモア。それ以外はとりたてて特徴のない普通のミステリという印象でした。多様な犯人が生み出されてきた今となっては犯人も意外性はなく、早い段階で察しはつくのではないかと思います。目を見張ったのは解決編のディーンの視点の転換。根拠の不足は認めつつ、想像で埋めることなくフェアに事件の真相にたどり着いた過程は説得力のあるものでした。
作品、作者への傾倒が窺える訳者の解説が秀逸です。作者のバックグラウンドを把握した後に本編を読むとまた興味の持ちどころが変わってきそうです。