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もう一度読んでみたい。 一度読んだだけでは、作者が意図することを読み取る力が足りない。訳者あとがきを読んで初めて、あーそういうことだったかと少しわかった気になる。だからもう一度通して読んでみたい。
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『罪と罰』『白痴』とこの『悪霊』と読んできて、どれもまだるっこしい序盤に不穏になりはじめながらも混沌とした中盤、一気にスピードをあげて破局になだれ込む終盤、というのは同じだなと思った。特に『悪霊』と『白痴』は、終盤のなだれ込み加減と、あまりにも急展開かつあっけない幕切れが似てる。
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正直ちゃんと理解はできてないと思うけど、それでも面白かった。
特に三巻目はいろんな事件が起こり大量に人が死ぬなど、動きが激しいしわかりやすい部分も今までの巻よりは多かったので読みやすかった。
『祭り』でのカルマジーノフのあたりはすごく笑えた。
実在の人物であるツルゲーネフがカルマジーノフのモデルらしいが、どれだけドストエフスキーは彼に不満があったのかと…。
最後に読書ガイドもついているので、あぁなるほどあれはそういうことだったのかと発見できることも多くて良い。
(2024/02/16:再読)
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内ゲバ殺人事件。終盤大量に人が死んでいく。ドミノ倒しのように。
第二部で登場するシガリョーフ理論(人類の十分の一は、個人の自由と、残りの十分の九に対する無限の権利を享受します。残りの十分の九の人間は個性を失い、家畜の群れのようなものに変わり、云々)が予言的でそら恐ろしい。
これで五大小説のうち、未成年を除く四作を読み終えた。カラマーゾフの次におもしろいのは、この悪量かな。
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なんというか、圧倒されたまま終わってしまった。宮部みゆき作品を読んでいるような展開の圧力と速さと暗さ。雨で流量の増した川の流れに押し流されるような、抗っても耐えられない恐ろしさ。
いつの間にか忍び寄って、気づいたときにはもう後戻りできない。
いまでも、ごく一部ではあるが純化されて暴走する組織は存在しうる。そういうときにどうすればいいか。根本対処は自分ではどうしようもない気はするので、助けを求められるうちに求めないとと思う。
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最後の最後まで作品からの圧力が凄かった
滅茶苦茶だった あまりにも人が死にすぎた
昔のロシアでこんな物凄い作品が書かれていたことに驚いた
読者ガイドにもあるように、ヴェルホヴェンスキー氏は面白おかしく人間味あふれる人物だった
彼が出てくるシーンは何故かホッとしていた
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一、二巻は展開が冗長でまどろっこしい印象を抱いたが、この三巻で『悪霊』の筆舌に尽くしがたい面白さが一気に畳み掛けてきた。この面白さを味わう資格のある者は一、二巻を辛抱強く読み終えた者達だけである。『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』に散りばめられた“救い”の部分がこの作品からは殆ど感じられないぐらい陰惨めいている。人物の“死”が多く描かれるが、その描写自体は淡白な印象を抱いた。革命事件に主軸を置きながらキリスト教と無神論(人神思想)といった宗教哲学が濃厚に詰まった作品である。殊に人神思想が登場人物によって語られる描写に魅了された。
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俗悪と悲劇を結びつけるために多大な労力を要したであろう作品であり,構造を把握するだけでも複数回読まねばならないことは決まっている。その中で訳者による解説は心強い。
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そもそもこの本を読み始めたきっかけは『ゴールデンカムイ』のキャラクター・尾形の死だ。彼が毒で朦朧として、過去の自分との対話する形で気づきがあり自殺する描写が本書・『悪霊』のようだというから読んだ。読んだけど、その要素は2巻の描写かなあ?3巻にはそれっぽいところは見受けられなかった。
というかこの本、かなり読みにくいと思うのだけど、尾形とドストエフスキーを結びつけられる人(或いはそれに納得できる人)がSNSでかなり多くいるらしくて吃驚している。
ストーリーは今までの3冊の中で1番面白い。
お喋りで倫理観なさそうだな、と思っていたピョートルが殺人まで躊躇しないのには驚いた。酷い理屈でばんばん殺っていく。ドストエフスキーはもう面倒になってキャラクターを次々片付けていったのか?とも思ったほどだ。
ヴェルホヴェンスキーは世間ズレし過ぎていて、ずっとこいつはなんなんだ?と思っていた。聖書売りの女との会話では意識が飛び飛びみたいな描写が不穏だったし。ただ、彼を探しに来たワルワーラ夫人の剣幕は凄かったし、聖書売りの女もあったばかりで支離滅裂な彼の世話をずいぶん焼いているのを見ると、女性が放っておけないタイプの人物なのだろうとは思う。
読書ガイドやあとがきも読んだけど、どうも何が言いたいのか解りかねてしっくりこなかった。