投稿元:
レビューを見る
上巻と同じく飛ばし読み。
一人の言葉(「」でくくられる部分)が5ページを越えるときもあり、読みづらかった。。
投稿元:
レビューを見る
解説:片山恭一
不安◆ミッチェル◆EVA◆もの言う巨人◆障害者白書◆繁殖生物◆ショウダは煙草を吸わなかった◆詩集◆ジュンナの智恵◆小さないのち◆手紙◆痴漢の顛末◆白いワンピース◆「必然?何それ」◆プランピー・ナッツ◆異変◆役員人事◆クルーグマン◆クレパス◆新村光治◆さよならUSA◆偽善者◆率直な反射◆千枚通し◆本当のかあちゃん◆サルと人間◆この胸に突き刺さる矢◆真相◆丘の頂にて
投稿元:
レビューを見る
この胸に深々と突き刺さる矢を抜け 下巻p316
「あなたはあなた自身をひたすらに見よ、と。あなた自身を常に見失わず、あなた以外のありとあらゆる存在に対して身構え、なすべきことをなせ、と。あなた以外のありとあらゆる存在を慈しみ慰めるために、いまこの瞬間に自らが欲することをなせ、と。あなたはいまここにしかいない。そのあなた自身があなたという必然の唯一の根拠なのだ、と。だから、たったいまあなたはなすべきことをなせ、と。」
語りたかった一言は結局、ここに収束するでしょう。ストーリーを書くことはふさわしくない。そういう内容だったと思う。主人公もほかの登場人物も、そして巻き起こる事件も素材でしかない。大切なのは素材ではなく本質だ、と感じた。
投稿元:
レビューを見る
「そんなことより、もっとよく現実を見ろ。それがお前の仕事だ。問題なのは“過剰さ”ってやつだ。俺たちジャーナリストがこの世界で見逃してはいけないのは、過剰な不幸、過剰な貧困に喘いでいる人たちの姿だ。そのひとたちのために自分には何ができるのかを考えろ。俺たちにできることもやるべきこともそれだけだ。この世界がなぜこうも悲惨なのか、なぜこうまで残酷で非人間的なのか。つまりは問題や課題は一体何のために存在するのか、その一点に自分の能力を集中しろ。」う〜ん。上巻はけっこう面白かったんだけどな…。上巻からの進展が少ない。
投稿元:
レビューを見る
理屈っぽい男の理屈っぽい話が永遠続く後編。政治論や精神論や…。ふーんって感じ。
とはいえ、最後はまあまあ楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
物語りの大部分(半分以上?)に引用が使われている小説。
小説を読んでる気がしなくなる事が多々あったが、でも確かに小説。
この小説を読んで思ったことは、
僕たちは、もっと世の中の矛盾を認識して疑問を持たなければいけないという事。
頭の隅では、「何かおかしいな」と思っても、スルーしてしまいがち。
そんな無関心さが世界を腐敗させている。
...なんか、ありきたりな意見になってしまいましたが、改めてそう思いました。
読んでもらえばわかるはず(^_^;)
おすすめです。
投稿元:
レビューを見る
小説の形をとった自己啓発本、または新書みたいなもの。話自体は政治や企業の裏社会が露見される起伏が激しくないが、所々の引用が読みにくく、作者の考えにアジテーションされているような感覚に陥る。
過去や未来という矢を胸から引きぬき、今この瞬間に自らの必然によって導かれるなすべきことをなせ。
この文に貫かれるために小説のストーリーと引用が必要だった。刹那主義と一言では切り捨てることの出来ない
投稿元:
レビューを見る
表題「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」。
その「矢」とは一体何か。
生と死を、未来と過去を、日本社会と資本主義を、引用を交えながら
激しく、叩きつけるような筆圧で描かれています。
そのメッセージ色が濃すぎるため
しばしば物語が置き去りになりますが
差し引いても、その熱に触れられて良かった。
今、なすべきことをなし、丁寧に生きる。
ハードな生き方ですが少しでも近づければと。
現代経済学者、岩井克人氏の
「二十一世紀の資本主義」と合わせて読み直したい作品です。
投稿元:
レビューを見る
結局最後までトーンは変わらず。
これをどう評価するかは読むときの心理状態に大きく左右されるだろうな。
少なくとも今の自分とは明らかにスタンスが違う点が多かったものの、かといって一刀両断に斬り捨てるほど否定するものでもなく…
まあ、一つの考え方を知ることができたという印象かな。
投稿元:
レビューを見る
この人の書く作品はなんだか薄暗いんですよね
今回は、この人の書きたい事を全部書いたんじゃないかな?って作品でした
投稿元:
レビューを見る
上巻はよかった
下巻はちょっとくどくて読み飛ばしてしまった
主人公の考え方もちょっと偏っている気がするけど、こうゆう人もいるいる!という感じ(多分自分の考え方と少し違うだけ?)
うーん、残念
投稿元:
レビューを見る
非常にたくさんのテーマが盛り込まれてるけど、考えていることのすべてをまとめてもらっているかんじ。
まさに、揺さぶられる。
久々の衝撃。
ここから自分の考えを構築していくのが楽しいだろう、きっと。
投稿元:
レビューを見る
主人公川端はやり手の雑誌の編集長。大物代議士の不正追求、不倫、不治の病、グラビアアイドルとの奇妙な出会いを経て、少しずつ人生の歯車が狂いはじめる。待ち受ける真実は・・。生、死、愛という究極のテーマに果敢に挑む恋愛小説。この作品の特徴は二つ。一つは、求道的な禅問答を繰り返すことで、愛への真理を追求していること。そして、モーパッサン始め過去の偉人たちの言葉を引用することでより、結論に正当性を与えること。小説というよりは、哲学新書。新たなる小説の境地を描いた作品。唯一無二の周五郎賞作品です。
投稿元:
レビューを見る
唐突な引用や不意に変わる展開が効果的で面白く、ストーリー運びの上手さと相まって最後まで一気に読ませられました。
ただ主人公の論理には非常に魅力的な部分もあれど、その偏狭さに段々頭痛がしてきます。すべての人の心に矢が突き刺さっているという前提のようで、彼の目を通すと非常に暗いサングラスをかけて世の中を見ている気分になります。他者に対する評価が大変厳しく、彼らに対する想像力や寛容性は殆どありませんが、ご自分には意外に点が甘く、持論には辻褄が合わない箇所も多々あります。結局自分の信条に固執するあまり多様性には狭量のようです。
恐らく議論を広げるため確信犯的に書いているのだろうけどそれにしても今一つ感じの悪い主人公だ、、、と思わせられるところは日本のミシェル・ウエルベック?巧いです。
これほどシニカルな人がどうやったら救われるのだろう、本人もあまり興味がないようだが果たして救われるのか?という興味を持ってラストに向かいましたが、彼の選択は他のと何が違ったのか、今一つ説得力に欠けます。あれが必然性なのでしょうか。ストーリーはともかく、思想的にこれだけの大風呂敷を広げてしまった後では結論が弱い感が否めません。
しかし、著者の今までの本もみなそうでしたが、共感はしないが読み進めてしまう、考えてしまう、という本で、きっとまた次作も手に取ってしまうことでしょう。
投稿元:
レビューを見る
上巻よりも下巻の方が面白かったかも。
相変わらずの引用はちょっと難しい部分やくどい部分もあり、頭に入ってこないところもありましたが、カワバタがどのように救われていくのか追っていくのが面白かったです。
まさかDVから助けだしたユリエと一緒になっていくとは思いませんでした。
白石さんお得意のスピリチュアルな要素も双子に絡めて展開されていましたが、思わず納得しそうな感じでした。