紙の本
夕霧も成長しました
2017/08/19 20:11
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
長じた夕霧の姿に亡き葵の上を思いだした源氏が印象的。葵の上に安心してと語りかけるあたりに生前は心が通い合わなかった夫婦なりの紐帯が感じられた。夕霧は途端にやらかしてしまうが(笑)
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内容紹介:千年の時の窯で色を変え、光源氏が一人称で語る橋本源氏―絢爛豪華に登場。(「BOOKS」データベースより)
資料番号:011220159
請求記号:F/ ハシモ/ 6
資料区分:文庫・新書
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朝顔、乙女、玉鬘、初音が収録されていました。
夕霧くんが可愛いです。夕霧くんを「得体の知れない我が息子」と評する源氏に笑ってしまいました。
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いよいよ夕霧も少年から青年に。右大臣(頭中将)出てくると和みますね。ビッグダディ右大臣。惟光にもいつの間にか息子や娘がいて時の流れを感じます。夕霧と雲居の雁の恋は初々しくも甘酸っぱい感じです(一線越えてるけど…)。ビッグダディも許してやれよ。
六条の院も完成し、ノリに乗ってる壮年源氏です。六条院の描写が美しいですね。花散里は私の中では印象が薄かったのですが、母としての役割を与えられて輝き出した感があります。女性はそれぞれ輝く年齢と場面が違うものだな…と感慨深いです。あと末摘花、やっぱり何だか好きです。人気の玉かずら(携帯から変換出来ない…)十帖も幕を開け、ますます楽しみです。
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橋本治 窯変 源氏物語 6/14 朝顔〜初音
源氏は 太政大臣という名誉職となり、貴族社会に 六条という愛と色香の女性の世界を作ることにより、政治の世界(男の世界)を分けた。
政治の世界(藤原氏の世界)から、女性の権力者(弘徽殿や藤壺など)を 排除したようにも読める
源氏の女性遍歴の特徴
*忍ぶ恋〜夕顔→玉鬘
*家と結婚〜葵の上→紫の上
*反目した恋〜六条御息所と藤壺
源氏の貴族社会の倫理観が 女性の倫理観とズレあり
*貴族社会の結婚観=男は家と結婚する。家=居場所、政治権力。家となる女=正妻、家とならない女=不倫
*仏教倫理で不倫は罪→因果応報→来世は地獄
太政大臣としての源氏の役割
*太政大臣=名誉職、職務なし→藤原氏の栄華の布石
*内大臣(右大将の大納言)=藤原氏→源氏は内大臣が権力を持たないように
六条
(葵の上との子)有霧
(頭の中将と夕顔の子、養女)玉鬘
(紫の上の養女) 明石の姫
明石の女、花散里、空蝉の尼、末摘花
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本巻では朝顔・乙女・玉鬘・初音が収録されていました。
夕霧に興味が持てないから、乙女の帖が飽きて飽きて、なかなか読み終えることが出来ませんでした。
性格の悪い源氏も、優雅で明るく分かりやすい頭中将もそれぞれ魅力的なのに、夕霧には魅力がない!久々の恋バナなのにときめきがない!
変わりと言ってはなんですが、乙女の帖は出だしの季節が移ろう描写がとても良くてウットリ。流石橋本先生、日本語が美しすぎます。
玉鬘の帖では、右近の、紫付きの女房としての微妙な立ち位置への不安を主軸としながら玉鬘との再会が描かれているのが興味深かったです。
橋本源氏がそんな捉え方をしてたってぜんぜん覚えていませんでした。
尊敬する上司に尽くしたい気持ち、いつまでも部外者の感覚が抜けない感じ、右近の、現代にも通じる些細な不安が人間味を感じてよかったなあ、と。
関係ないけど朝顔の帖で、朝顔との関係が終わり朝帰りをした源氏と紫が、雪化粧した庭を眺めるシーンを読んでいたら、あさきゆめみしでの見開きでの絵が頭に浮かんできちゃった。懐かしいなあ。
乙女の帖の出だし、素敵なので書き留めておきます。。
年の明けて、春にはまた桜が咲く。弥生三日の入日の空は、茜の雲に満ちていた。匂うような春の色が、金色の日輪から満点に向けて放たれたようで、艶めく空にもう鈍色の雲はなかった。
穏やかな春の風が撫でるように過ぎて、女院崩御の喪は明けた。一年をかけて、人の纏う服喪の色は淡れ、たけなわの春の中で過去を脱ぎ捨てるように、消えた。
散り行く花の吹雪が人の上にかかって、生命の色を甦らせたようだった。
春が終わり、緩やかに夏が来る。緑の草が慕わしげに、その濡れるような色を広げ、梢からは夏の若さが吹き出して来る。
目に沁みるような緑。春の風が乙女のように過ぎた後、初夏の風は青年のなよやかな袖袂を擽るようにすり抜けて行く。
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徐々に中年の域に差し掛かる光源氏。
一方で冷泉帝には自分が父親であることが露見し、気まずい関係になるものの、従一位太政大臣にまで上り詰め、ほぼ政治の場に出て行く必要がなくなったので、自分の正妻や愛妾などを囲う六条院と呼ばれる巨大な邸宅を建てて栄華の頂を極める。
六条院は邸内が春夏秋冬の四つの区画に分かれ、春は正妻の紫の上が住まうが、後は全部妾。二条にも別宅があってそちらには鼻の赤い末摘花と出家した空蝉を住まわせているという豪華さ。
一方で他の女性にちょっかいを出しつつ、紫の上の嫉妬を避けるために、色々言い訳を言い募るシーンも多く、浮気男の言い訳を延々と聞かされる物語になりつつある。
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いよいよ源氏の息子・夕霧世代の恋愛かと思いきや…。
九州にいた夕顔の娘が、地元豪族の強引な求愛から逃れて上京し、劇的再会をするが、その場面は源氏ではなく再会した夕顔の元乳母右近の語り。
その再会が、光の君のセクハラパワハラをエスカレートさせていくきっかけになるから面白くて目が離せない。
天上人でない者、田舎者、年寄りは人にあらずんば的な態度で、冷やかしたりからかったりして楽しむ天上人の態度は平和だからこそかな。暇な会社ほどいじめがあるような感じかな。
70近くになった尼・源典侍が登場、お元気そうで嬉しかった。
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全体を通してかなりゆっくりとしたペースで読んでいるので、最後の方の記憶がより鮮明になっており、この巻についても本全体の感想を書くのは既に難しい。その上で現時点の感想。光源氏が若くてピンピンだった頃に出会った人たちがこの世を去ったり、社会的な立場の変化を体験したり、その上で彼との関係を積み重ねていったことによって、どれをとっても人間関係が成熟したなと。かつてのような勢いはなくとも、含蓄が増した。それとともに、夕霧や玉鬘をはじめとした若い世代のエピソードもみられるようになって、なんだか感慨深い。
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そろそろ女御がゲシュタルト崩壊。
改めて考えたら藤原っていう当時の権力者の苗字をそのまま小説に登場させるって色々すごいな。