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この本は図書館の新刊コーナーでふと手にとったものですが、著者は私よりも5歳程度年上の女性が書かれたものです。大企業の研究員として男女機会均等法が施行されたころに期待に胸を膨らませて社会人生活を始めたようですが、結婚・子育てと苦労を重ねながら、ついには起業家として活躍されている実力のある方です。
このような実績を残せた方は私の感覚では全女性の1%もいないとは思いますが、成功を果たした女性がどのような気持ちで過ごしてきたかを知ることは興味深いものでした。効率よく仕事や家庭生活をこなしてきたヒントがこの本の随所に示されています。
冒頭に書かれているように、タイトルとは矛盾しているように思われる「適切にあきらめる(諦めるではない)ことが、新しいスタートを切るチャンス(p14)」というのは、本当に自分がやりたいことを貫く秘訣なのかもしれませんね。
以下は気になったポイントです。
・「あきらめる」という言葉は、もともと「明きらむ=事情を明らかにする、見極める」から来ている(p18)
・今がどんなに苦しくても、あとになって見ればその経験は必ず役に立つ(p20)
・自分の半径数百メートル以内の人、社員、友人、日々出会う人たちを幸せになれるように考えることが、成功の鍵である(p37)
・ピンチをチャンスに変えるコツは、ピンチを楽しもうとすること(p49)
・覚悟を決めるということは、それによって得るものもあれば失うものもある中で、その辛さを受けても新しいものに挑戦すること(p52)
・男性が10年先の目標や人生計画を立てるのに対して、女性の計画はそれより短いのは、結婚・出産・育児などのライブイベントによって生活が左右されることが多いから(p63)
・契約はやる気があるうちに急いでやるべきだが、人間関係のトラブルは少し時間を置いた方が良い(p69)
・物事を行うタイミングが横軸だとしたら、力加減は縦軸(p75)
・よい睡眠はよい仕事をするために欠かせない、仕事の時間配分をするには、まず睡眠時間の確保から(p94)
・一日一食でよいので、ゆっくり食事を味わう時間を作るべき、リラックスする時間がいい仕事を生む(p95)
・「ひらめき」は、心身がリラックスした状態によく起きる、脳が活性化されて集中力が高まるので(p101)
・何かアドバイスをもらったら、まず素直に受け入れて聞くこと、人にアドバイスするときは、きちんと時間を設けてじっくり話をすること(p131)
・日本が世界に自慢できること、1)最長寿の国、2)国民に保険があり、どこでも医療が受けられる、3)日本食があること(p165)
・1989年に医薬分業が進んで病院から院外にでる処方箋が増加した、2008年には薬剤師による代替調剤が可能になった(p168)
・状況を正しく認識することが、正しい「あきらめ」である、それが「あきらめない」主義の第一歩である(p177)
2012年4月14日作成