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姉の結婚式の翌朝、ベッドで目覚めたアナベルは、自分の隣に幽霊を見た。いや、幽霊ではなく、亡くなった恋人にそっくりな男を。彼は、新郎の親友であるマイクで、酔っぱらっていた彼女は、出会ったばかりの彼をベッドに迎え入れてしまったのだ。アナベルの困惑とは裏腹に、彼女を気に入ったマイクはうかれていた。医者という仕事柄、なかなか素敵な出会いがなかったが、ついに特別な相手に出会えたと気づいたからだ。彼は部屋の掃除やプロ級の腕前のイタリア料理を披露したりと、アナベルにつくしまくるけれども…。
「ドメスティック・ゴッド・シリーズ」の第二弾。
前作の「大富豪と結婚しない理由」は登録してなかったので、読み直して再登録してみたり。
基本的にホット過ぎる作品は好きじゃないのだけれど。このシリーズはホット場面は多いけれど別腹で大好き。
とにかく!ヒーローがマメ男クンでね、大型ワンコのようですよ。
今作のヒーローは、医師で、料理が抜群で、片付け魔だけど笠に着ないで、そして体がイイ!ときたら、百点満点ありがとうございます!!なイイ男じゃないですか。こんな万能なヒーローに対するのが、なんと前作ヒロインの妹。いけ好かない葬儀社の男と婚約してた、なんか自分の美貌を鼻に掛けているよくわかんないけど自己中な女。
……それってどうよ?
世の中は間違ってる!もっと性格のいい女がたくさんいるはず!と普通の女としては思ってしまったのだけど。それはさすがにヒロインともなれば、まあそれなりにヒロインの性格も補正が入るわけで。
っていうか、ヒロインの実家が変なんだよね。もしかしたらイタリア系アメリカ人家庭というのは、そういうものなのかも知れないけれど、娘には結婚至上主義というのは、どうしたもんだろう。それで前作ヒロインもうんざりしていたわけだけど。
あとロマ本を読んでるとたいていでてくる「さあ、みんな話して!悩みは共有すれば軽くなるわ」的な明け透けな関係をヒロインはヒロイン姉と築けてなかった、というのは以外……、イタリア系アメリカ人家庭としては。それこそがヒロインの家庭の問題なのかも知れないけれど。
もっともその部分がオープンになっていたら、このおはなし自体が成り立たなくなってしまうだろうから、作者としてはそういう打ち明け話はしない姉妹設定にするしかなかったとは思うけれど。
なんか前置きばかり長くなってしまったけれど、今作も!体からはじまる関係です。しかも!前作よりもベッドインまでの時間は短く出会ったその晩に、さあ、レッツゴーです。
でもまあそれはね、大人の男女がやることですから、お互いの了承があればいいわけなんですが。
翌日の朝、ヒロインはそのことをまったく覚えてないという。けっこう珍しい展開ktkr!翌日の朝に覚えていないといえばヒーローという基本を覆されました。
さらにヒロインが寝た相手が、死んでしまった以前の恋人に瓜二つときたら、大騒ぎは必定なわけで。もうね、揉めるだろうことがこの時点で丸わかり。まだ1ページ目なんですがね。
というわけで、ロマ本につきものの葛藤は基本的にヒロイン側に。ヒーローはといえば、初対面からヒロインにメロメロ。もうね、甲斐甲斐しいという描写がこれほど似合う男はいないだろうというマメ男ぶり。なにしろ完全なる一目惚れ、マジで『Yes!foreign Love!』な展開。
もちろん、ヒーローも順風満帆な人生を歩んでいるわけではないので、それなりに問題はあるのだけれど、少なくとも翌朝に飛び起きて「幽霊とセックスしちゃった!?」というほどの問題はなく。
そうそうヒーローは前作ヒーロー、ドミニクの親友で、前作ヒロインの肺炎の主治医だったマイク。前作ヒーローと同じようにイタリア料理店で働いた経験があり、ドミニクに呼びだされてコトの最中でもやってきてくれてた。
医師だけれどフェローを終えてパートナー目指しているところなので、実はお金はない。母子家庭で育ったので苦学生でもあった。でもいい人たちに囲まれてかなり伸びやかに育ってきた印象。だからこそのマメ男クンなんだろうなあ。
……。で、たいへん楽しく読み終わりました。なのだけど、うーん、前作に比べると内容は小粒。
やっぱり前作でのヒロインの印象が悪すぎた、かなあ。あとなんとなくヒロインの親友でヒーローの母親違いの妹が無駄にいい人過ぎる。お決まりの狂言回し的な役割だから、ある程度はしかたないのだろうけど、それにしてもちょっと行き過ぎた感じ。おかげでヒロイン自身の選択が目立たない。またそんなに物事が分かっているなら、なぜヒロインと双子の兄との恋愛に絡んだ騒動をうまく収められなかったかと。
もっともこの騒動、なんかヒロインのトラウマになる凄いことがおこった、ということはわかるんだけど、その内容があやふや。……もしかして読み飛ばしちゃったかも、だけど、その大事な騒動がいまひとつ見えなかったから、それがヒロインにどんな影響を与えたのかよくわからないままに。確かにいろいろ語られてはいるんだけど、要は死んでしまった前の恋人がお金に転んだろくでなしだった、ってことだよね?そんでその母親っていうのがろくでなしに輪を掛けたろくでなしだったと。
うーん、確かに恋している相手の両親にクソミソに言われたら傷つくだろうけど、萎縮してしまうのは、なんか違う気がする。
それよりも病気と闘わないことで恋人に拒絶された、ってことのほうがやっぱり重要。だからもっとそっちにフォーカスを当ててヒロインの葛藤を書いたほうが良かったんじゃないかと。
そして最大のポイント。ヒーローがヒロインの描いた恋人の絵を発見してしまうくだり。いつかはあるだろう、と予測されていたシーン。
そりゃ怒るだろうなあ。で、疑問に思うのももっとも。「彼女にとって自分は身代わりなんじゃないだろうか?」
たぶん同じような経験をすれば、誰でも同じように感じると思う。ただそこからどうするか、それがちょっとどうだったろう。
母親に諭されたとき「黒髪の女性とのつきあいが~」とか言われてたけど、それとは違うと思うの、お母さん。それはたんに好みの問題であって、瓜二つの異母兄弟だった場合とは次元が違うでしょう。だからヒーローの怒りは理解できる、プロポーズ寸前だったとしても。
で、ここからが本当の読ませ所になる筈じゃないの。「幽霊!」���驚いていたヒロインが、前の恋人とは違うと、ちゃんとヒーローを思うようになった過程があり、気軽な関係ではない真剣に家族になりたいと、ヒーローが考えるようになった過程があり、そういう心の動きや期間を経ての大きな障害。それをどう克服するのか、この最大のポイントがあまりにも呆気なかった、残念。
ハーレなんかだと、ここでお決まりのヒロインの重傷パターンの出番ですよ。それでヒーローが「やっぱり君無しでは生きられない!!」と反省して大団円。
そういうある意味、大事なところが、唐突なヒロイン姉の登場と例の親友のよくわからないおせっかいと、ヒーロー友人でヒロイン姉の旦那の衝撃発言でちゃんちゃんっていうのは、なんか拍子抜け。
確かにヒーローには頭を冷やす時間が必要だったし、ヒロインは過去と本気で決別する必要があったのは確か。でもなんかそれらがごちゃまぜになった挙げ句、どっちつかずになってしまった気がしたラストでした。
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姉の汚部屋を引き継いだ妹ヒロイン。姉の結婚式の日に酔っ払い起きたら隣に元カレにそっくりな医者ヒーローが寝ててパニック。
ヒロインが過去の記憶に苦悩しその事を引きずっているのは仕方ないとして ヒーローの本気度が伝わってきた時にもっと正直にいろいろ話してあげるべきだったなぁと。前作同様にこのヒーローも尽くす人だった。彼の生い立ちと彼女の過去が奇妙な繋がりで面倒くさい展開だったけども。三作目のヒロイン兄とヒロイン親友のロマンスはたのしみだー。
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シリーズ2作目 ギャラリーの店長アナベルは前作のロザリーの妹。医者のマイクは前作のニックの親友。変に曲がりくねらずイライラしないで楽しめるロマンス。結婚式で出会ったその日からベッドで、互いの魅力に双方とも素直な態度がいいんでしょう。ギャラリーの店長ベンがちょっと横道に誘うだけで、展開もストレート(ベンがどうなるか興味あり3作目では登場しないのかな?)現代物で事件が起こるわけでもないのに、何故か楽しいシリーズです。