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これは、ドン・ウィンズロウという小説家と東江一紀という翻訳家が奏でる音楽だ。
しかも
フリーセッション。
ウィンズロウの文章に対する拘りと、東江氏のそれを如何にして日本語に置き換えるかという創意工夫がひしひしと伝わってくる。
疾走感溢れるクライムノベルと言ってしまうのは簡単だけど、そんな小説の内容なんかぶっ飛ばして文体に耽ることの出来る稀有な小説だ。
ここ何作かウィンズロウの翻訳者が東江氏じゃなくって、それはそれで面白かったけど、やはりこの二人のコンビは最高に痺れる。
それを再々確認できた。
ただ好き嫌いは激しく分かれるだろう。
あと、ウィンズロウはこれから読んじゃダメだよ。
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第1章でガツンときたが、その後はちょっと。。野卑というか下品というか、全体的に好みより軽いのかな。
エルロイのホワイトジャズみたいなんを期待したんだけど、まだ無理か。
ヒロイン0の母パクは好きです。
映像向きだと思うので、映画に期待。
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あの「犬の力」のアナザストーリー的なウィンズロウの新作。「犬の力」が存在感あり過ぎて本作は歯ごたえ無さ過ぎかな。比べちゃいけないんだろうけど仕方ない。斬新な語り口まぁ良く言えばストリート&ポップなんだけど評価のわかれるところ。そもそも和訳だとこれが限界だろう。
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「犬の力」を読み終えた後あたりに、スピンオフ的に、肩の力を抜いて読むならばちょうど良いのかもしれない。
書いてあるほど、主人公3人の結びつきが強いようには、どうしても思えないので、終わらせ方がどうも釈然としない。しぶとく生き残った方がらしい気がする。
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わーいウィンズロウの新刊だ!今度はどっちかなーとページをめくったら、ハイな方で、主人公が犯罪者の方で、分量は少ない方でした。好きな方のウィンズロウじゃなかった。
東江さんの訳だったからすごく期待したのだけど、いつになく文章がぶっとんでるというか、冒頭のざけんなの精神にのっとって正しいとされる句読点やらなんやらにざけんなしちゃったのか。読みやすいけど。めちゃ軽いエルロイみたいに感じたけど。
三人組があんな関係性で、ラストがああだからこそ面白いんであって、あれが三人なりのハッピーエンドなんだからいいんじゃないかな。むしろあれ全員無傷とかだと80年代の映画みたいじゃないの。
あとがきに続編云々書いてたけど、フランキーマシーンはともかく犬の力とはあまりにノリが違うんじゃないかな。
また黙って次回作を待とう。
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「新しい犯罪小説!」なんてきいたので読みづらかったらやだなと思っていたのだけど、そんなことはなく、めちゃめちゃおもしろかった! とにかくスタイリッシュでカッコイイ! クール!って感じ。
文体とかは斬新なところがあるかもしれないけど、それだけじゃなく、登場人物がそれぞれ個性的できちんと書かれている。ウィンズロウの書く女性たちがわたしはすごく好きだなあ。
ネタバレになるのだけれど、
ラストが、かっこいいけれど、わたしは残念だった。みんな助かってほしかった。
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ウィンズロウらしいけど、なんか中途半端。主人公三人の関係もそこまで深く感じられない(掘り下げてない)し、ストーリーも単調。映画化するらしいけど、うーん。
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キャラクター主体の犯罪小説。麻薬カルテル=『犬の力』と似たような内容を期待するととんでもない目に遭う。
詩のようなセンテンスやシナリオの挿入など、“超絶技巧”な試みは私には正直面倒だった。序盤はクールなフレーズにドキドキさせられたが、洪水のように溢れ出るさまにいつしか慣れてしまい、結局は飽きてしまった。
この凝った文体のせいかどうか知らないが、ストーリーの停滞はひどいものがある。中盤に拉致されるまでは、三人の奇抜なキャラと奇妙な関係に終始し、このままキャラ小説で終わるのではないか思ったほど。そして肝心のストーリーはよくある展開のまま、何の感動も興奮もないまま終結してしまった。
作者の怒りはわかるし、それを投影させたシーンは効果的だとは思うが、この方向性だとついて行くのはしんどいなあ。東江さんお疲れさま。オリバー・ストーンには無理っしょ。
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「犬の力」等と比べると、かなりの軽量級。
チャプター多すぎ。
映像用のシークエンスを自ら指示でもしているのか?
あまり期待してはいけない残念な作品。
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ウィンズロウの新作だ!とにかくハズレというものがないんだから、とワクワクして手に取った。ところが…。
うむむ、最後までこの「斬新な」語り口にはついていけなかった。登場人物にもどうにも魅力が感じられず…。残念。
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センシミーニャの話。
ドン・ウィンズロウ氏がラディカルモード入ったパワフルな作品。
翻訳が凄い良かったと思ったのは、ドン・ウィンズロウが余すところなく感じられた。
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ウィンズロウ新作ということで期待したが、フランキー・マシーンの冬には遠く及ばない。映画の脚本を読まされている気がした。オリバー・ストーンの映画の方はトレーラーを観る限り期待できそう。
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あれ? と思う。また、マフィアの話か。若手主人公たちによるハチャメチャなノワールか。メキシコのバハ・カルテルが出てくるのか。この世界に関しては、ウィンズロウは、あの有無を言わせぬ大作&傑作『犬の力』で、頂点を極めたのではなかったか?
カリフォルニアのラグーン・ビーチでマリファナの栽培に手を染めるベンとチョンにオフィーリアを入れて、まるで『明日に向って撃て』や『俺たちに明日はない』みたいな、男二人女一人のトライアングルを構成し、どんな力にも屈せず自分たちで無法の王国を切り拓こうとする無鉄砲でロマンチックなチームがストレートに疾走するこれは物語である。
多くの血が流れ、銃弾が飛び交い、ねぐらが焼け落ち、女たちがレイプされ、男たちの手足がバラバラにされる世界。コロンビア・マフィアとのコカイン戦争だったり、メキシコ・マフィアとのマリファナ戦争だったりの掟のない世界。傘下に入らなければズドンの容赦なき世界。それでいて輝く太陽と青い海に囲まれた叙情詩的でセンチな世界。若くても夢が持て、その代償が予想を超える残虐さで返される可能性が極度に高い世界。ウィンズロウが傑作『犬の力』で描いたはずのそんな世界が、また本書でも繰り返される。
その意図はよくわからない。しかし、違いは明確である。『犬の力』が散文であるとするならば、『野蛮なやつら』は、まるで<詩>だ。
とことん既製の決まりごとを破壊してみせる小説が、他にないわけではない。ジェイムズ・エルロイが、かのLA四部作の掉尾を飾る『ホワイト・ジャズ』でついにやらかした文体破壊には、1996年当時驚かされたものだ。絶賛を浴びたあの文体破壊は、日本でも馳星周のデビュー作『不夜城』において活用されるが、当時日本の小説としてはショッキングなスタイルで綴られはしたものの、まだまだ若干遠慮がちな破壊であった。しかし、本書の文体破壊は、また、なんと言う……。
そう、ウィンズロウは、かつて『ボビーZの気怠く優雅な人生』で疾走感に溢れる文体での、比較的短い長編小説を披露してみせた。普段はニール・ケアリー・シリーズなどでたっぷり感のある大作をいっぱい書いているけれども、こんな芸当だってできるんだぞ、とばかりに、テンポのいい、リズム感に溢れる、まさにバイオレンス小説であった。文章も内容も破壊的だった。まるで小説界のサム・ペッキンパだった。
ところが『ボビーZ……』を遥かに凌駕した形で、さらなる崩しをやってのけ、さらなる疾走テンポ、リズム感満点の、音楽を聴くように読む小説、というやつを作ってみせた。ある種の快感さえ得られる、マリファナみたいな(経験はないけれど、きっと…だろう)本が出来上がってしまったのだ。
一種、軽い、と言われてしまうかもしれない。しかし、内容は『犬の力』なのだ。スピードアップしたビルディングス・ロマンだ。高圧縮された大河ロマンだ。軽い。早い。短い。しかし、三人の若者たちの友情と、パワフルな指向性と、壮烈な闘いと、そしてそこはウィンズロウ、青い海に清潔なビーチがある、他に比類のない傑作がここに出来上がってしまったというわけである。その��味は非常に重い、と思う。
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疾走するDQN。ビートはDQNのためにある。詩も哲学も最先端のテクノロジーも、全てはDQNたちが繰り広げるエンターテイメントのためにある。
良かったです。映画も観ます。
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メキシコのハバ麻薬カルテルが絡む話ですが、『犬の力』のような重量級を期待すると外されます。
多彩な人物達の思惑が絡み、終局へ向かっていく面白さは有りましたが、日本語訳では伝わりきらない文体に、リズムを狂わされます。
原文で読めたら、その辺りも面白いのでしょうが・・・。
映画版のレンタル開始が楽しみです。