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紙の本
高山彦九郎、田山花袋も愛飲した球磨焼酎。
2012/02/01 07:25
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投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
福岡に出張された方が一様に驚かれるのは居酒屋での焼酎の種類の多さ。それも蔵元や銘柄ではなく、焼酎を頼むと芋、麦、蕎麦、米のどれにしますかと確認されることである。地元民にとって、特段、驚くことではない。さらに、ロック、水割り、湯割り、燗、という飲み方に加えて割合や度数にまで及ぶと「お任せします」と言わざるを得ないという。その焼酎も三十年ほど前までは労働者の酒、貧乏人のための安酒というイメージで見られていた。ただ単純にアルコールを体内に流し込んで、酔って心地よくなれば良し。そんな酒だった。
本書にも登場する「六調子」という球磨焼酎は父が熊本土産で飲んでいた記憶がある。子供心にはアルコール臭さがきつかったという印象があるが、供給量をまかなうための三倍醸造の日本酒が幅を効かせていた時代は飲みやすさよりも量の確保が先だったのだろう。
本書はその球磨焼酎の故郷である熊本県人吉市の歴史から焼酎誕生、製法に至るまでが詳細に記されている。今、首都圏では「白岳」「鳥飼」を気軽に目にするようになったが、幕末の勤皇家高山彦九郎が愛飲し、田山花袋が酔い潰れたことを知った。
そして今、密かに海外のバイヤーが人吉を訪れているという。海外の日本食ブームに乗じて日本酒も人気を集めているが、その次は焼酎ブームなのだろうか。日本人の繊細にして複雑、自然と調和した焼酎を求めて球磨焼酎も人気を博すことだろう。
知人から、この本を読み進むうちに球磨焼酎を求めて酒屋に走りたくなると聞かされたが、事実。季節であれば人吉に行って尺ものの鮎の塩焼きを肴に球磨焼酎をやりたくなるほど、飲兵衛を自認する方には気の毒な一冊です。
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