投稿元:
レビューを見る
FBのお友達の推薦。
とてもおもしろい。一つ一つがどうというより、オランダをみる観点が納得感がある。
(1)カギになるのが、デザインやアートなどの要素であることはなんとなくわかっている。だだ、その力が表層の差異化だけでなく、産業や組織の深層レベルで発揮されなければならないのだ。(p226)
著者は断定しているが、自分もなんとなくそうだと思う。福岡伸一さんが「うつくしいかどうか」が決めてといったのとも近い。
知識産業化とはイノベーションというのも、うつくしいかどうか、いいデザインとおもえるかどうかがカギじゃないかな。
(2)創造性経済の根幹をなす知的資産を生み出す場として都市が注目されている。(p95)
(3)干拓地を中心とするボルダーという共同体を中心としたボルダーモデルがオランダ復活の決め手。(p49)
必ずしも、自治会とかいうのにこだわらず、職場のタテ関係ではない、よこのつながり、それがFBであろうと、マンション管理組合であろうとかまわないので、そういうよこのつながりを大切にしていくことが、都市の再生の一歩のような気がしてきている。
なお、オランダの都市計画については、角橋さんの『オランダの持続可能な国土・都市づくり』(学芸出版社)が参考になると思う。(自分は、2010.8.2にブログでコメントしている)。
投稿元:
レビューを見る
集団主義で個人主義。一人一人が政党といわれるほどの主張にもかかわらず話し合いで解決しようとするポルター文化。その裏には洪水の度に流されてきた国土を守ることにあった。小国ながらも幸福度の高いオランダから学ぶべきこととは。
投稿元:
レビューを見る
読み終わってオランダという国への興味が増した。
オランダの強み
社会インフラの充実
→個人主義と共同体意識の共存
知的弾力性
一度決まったことについて再度見直し、ダメな部分は改める
上記2点は、海抜が低く、昔から多くの洪水に見舞われる中で円熟してきたもの
すぐには無理だが、日本には必要な、かつて持っていたもので取り戻すべきもの(明治維新前後の日本にはあったと自分は考える)
また、経済危機を経て、導入した「同一労働同一賃金」という考え方のワークシェアリングは多少の問題はありながらも、閉塞感の強い日本にも導入すべきであるし、下らないシガラミを無視出来れば実現可能
最後に個人的にはトータルフットボールに見るオランダ人分析が一番面白かったという印象
投稿元:
レビューを見る
2012.02.11 ソーシャルキャピタルの豊かさがオランダの豊かさ、経済的な成功のベースのようだ。日本は今、オランダの正反対。このままではどんどん幸せから遠ざかりそうだ。国家戦略の転換が必要だ。もう間に合わないぞ。
投稿元:
レビューを見る
掘り下げているのに、新書であるのでサクサク読めるそんな本。
最近読んだ新書の中では、一番な好印象。
時々出てくる他の専門家の発言や著作からの引用が、いやらしい感じがまったくなく、説得力を加えてくれている。
オランダと日本は異なるので、だからこそ学ぶべきところがあるのではという視点。(単純にマネしろなどとそこ浅はかなことを決して著者は論じていない。)
災害とイノベーションという一見関係性の薄い事柄を「知的弾力性」の視点を通じて見る。
オランダだって、問題は山積している。
それでも終わりなき対話に真摯に向かい合い、ちょっとずつでも個々人の幸福を追求できる社会。持続性をある社会。
日本の「男性的(性別により役割分担される)」で「寛容性が低い(多様性を認めない・受け入れにくい)」社会と対極に位置するオランダ社会を通じて、われわれ一人一人の変革の必要性について考えざるを得ない読後感となる。
ただ、失われた20年で、日本から「ソーシャルキャピタル」も失われたことになっていますが、これってそうでしたっけ。むしろ、ボランティアの精神なんかがその隙間を埋めるように浸透したように思います。。
投稿元:
レビューを見る
度重なる洪水被害の中で、小さな国土から何を生み出そうかと考えてきたオランダ。東日本大震災後の復興にあたって、参考にすべき点が多くあるのでは。
投稿元:
レビューを見る
3.11をきっかけに、インターネット、情報通信を用いたネットワークの力が発揮された。
おりしも、日本でも、働きかたや、コミュニケーションの仕方が急速に変わってきている。
オランダでは、いわゆるフューチャーセンターから、イノベーションが生まれており、我が国への示唆となっているという筆者からの紹介がなされている。
仕事=会社に来ること、つまりは、ネットワーク上で出来ることを、わざわざオフィスに集まって行っていたり、社員の仕事を定型化させる仕事をしているのであれば、投資効果が低いと主張される。
未来への集合知を生み出すのがフューチャーセンター。
投稿元:
レビューを見る
著者のイノベーション観を労働時間あたりGDPが世界一(知らなんだ!)のオランダに仮託している感じ。
述べてあることの一つ一つはこれまでの著書と(当たり前だが)共通していて、基本的に理解はできるのだが、オランダでは本当にそうだといえるのか、結局日本でどうすればいいのか、もやもやが残った。
IBM社員を対象とした世界の価値観の研究で、日本は男性的で、非寛容的だという価値観が主流とされる。その対極に位置するのがオランダで、知的弾力性がある。
低地に位置して災害大国→ポルダーを共同で作る→ソーシャル・キャピタル醸成→新たな試みを受け入れる下地
(でも日本だったら**を共同で→ソーシャル・キャピタル醸成→内輪から逸脱することを止める、みたいなのが成立しそう。。。)
その他のキーワード:シナリオ思考、非決定論
投稿元:
レビューを見る
紺野先生の新刊、というには遅いですがようやっと読了。311以降の社会への意識を1800年洪水と死闘を乗り越え「子どもの幸福度1位」に輝き、欧州屈指の低失業率と経済的な安定を誇る『近くて遠い』小国から『不確実性に強い知的弾力性』を学び、日本におけるイノベーションの可能性を311で我々につきつけられた現実を前提として考える本。
全体を通して紺野先生の流れる思考を追っているようで感想を書くのは非常に難しい本だけれど、サッカーのeuro2012を見て、あれだけの選手をそろえ高い技術もモチベーションも持ちながら1勝もできなかったオランダナショナルチームを思い返しながら読むと非常に『オランダの国民性』に納得がいった。とことんまで話し合い話し合い話し合って結果結論が出せずに全員で沈むというのはほんとうに『オランダらしかった』のだろうな、としみじみ思う。
麻薬から安楽死まで拒否せず受け入れ権力に屈する事無しにとことんまで話し合う姿勢から成功・失敗を問わず(今多くの事が隠された国にいるわたしたちは)とてもたくさんのことを学べると思う。
永遠に工事中の美術館、アムステルダム国立美術館の建築をめぐるやりとりを納めたドキュメンタリー映画『ようこそ、アムステルダム国立美術館へ』はぜひ見てみたいと思った。あと最終章で触れる現代のオランダ的思考9項目が秀逸でした。
投稿元:
レビューを見る
読み終わって、日本批判の方が印象に残った。
意外とオランダのことは知らないので題材としてはおもしろいと思ったけど、
ちょっと内容(データとか客観的事実)が弱いかなと思った。
投稿元:
レビューを見る
東大i.schoolのフォーラムで紺野先生のお話を聞いて、関心をもったので、読んでみました。
もともと興味のあったテーマが、さらに気になった感じ。
投稿元:
レビューを見る
140329 杉浦さんからの紹介
紺野先生に会いに行くなら、一冊読むようにと言いました。紺野先生の本は抽象的で
難解なものが多く、決して読みやすいとは言えません。フューチャーセンターの視点で書かれた『幸せな小国オランダの智慧』が比較的平易な文章でお薦めです。
http://mediamarker.net/u/naokis/?asin=4569803180
と思ったら、2月3日の後に書いたブログ記事に関連書籍として提示してあったではありませんか。http://naokis.doorblog.jp/archives/knowledge_management_and_interview.html
投稿元:
レビューを見る
オランダを知るために読みました。
オランダから日本の現状を照らし出した本。
オランダという性格をしる初めの書としては適していたと思われました。
投稿元:
レビューを見る
日本が目指すべき国の一つオランダ。どういう仕組みの国なのか勉強します。同質価値労働同一賃金とか知りたい。
オランダはすごいけれど、日本人はオランダ人にはなれない。でも見習うことはできると思う。
オランダ人の民族性とか本質をきちんと説明している。
_____
p8 トップが力不足とは言うが
「日本は現場は優秀だがトップは力不足」というのが常套句になっているが、ただ単に信頼関係の不成立と責任転嫁のためだけに言っているように思える。
こういう言葉が出るのはトップを信用して行動できないからであり、とはいえ現場の責任を忘れずに取ってくれという保険を掛ける言動である。
上司を信頼し、自分の仕事に絶対的な責任を持つ、という人間関係だったら出てこない言葉である。こういう言葉が横行している点は日本人の民度の低さである。
p27 不確実性回避
世界の中で不確実性を許容しないのはギリシアやスペイン語系民族やロシアや日本である。日本人は昔から多言・多様なものが苦手なのである。それなのに多様化を進めているから、現在ひずみが発生中なのである。
逆に不確実性に寛容なのはシンガポールや香港、マレーシアなどの港湾国家である。
p31 望遠鏡
歴史上、最初に望遠鏡を作ったのはガリレオではない。改良したのがガリレオです。最初につくったのはオランダ人のハンス=リッペルスハイである。
p36 10000年に一度の災害
オランダは海抜0m以下の低地国家である。嵐による洪水の危険性に常にさらされている国である。それゆえその対策は10000年に一度の大災害を想定している。一方福島原発は500年に一度の災害対策であった。
オランダの水害予防事業は10000年に一度の対策に終わらず、常に研究を重ねている。「安心」は作ったが、それが「安全」であるとは限らないことを理解しているからだ。
p43 ハンス=ブリンカー
オランダを救った伝説の少年。昔ある秋の日に、8歳のハンス少年は人気のない所で、堤防に水漏れを発見した。彼は自分の指を差し込み水を止めた。そこは人が来ず、一晩水を止め続けたハンスは寒さで命を落とした。しかし、彼のおかげで堤防が決壊して町が被害に遭うことは避けられた。という伝説。
これはアメリカ人による創作らしいけど
p45 ちょっと前のオランダは今の日本や
1960年代にオランダで天然ガス油田が発見された。その資源輸出で大儲けし、それに依存するようになった。その結果、通貨高が起き、輸出産業は後退し、国内産業の衰退につながった。このため国内経済は落ち込み、ガスで儲けていた時期の政策を続けられず、増税やむなし、しかし高い失業率、財政の構造的赤字に悩むことになった。
この天然資源に依存し、産業発展を怠る国の在り方を「オランダ病」というようになった。
日本は天然資源はないが、「日本的経営」という古い考えに固執して発展を阻害している点でオランダ病に近いものがある。
p70 鎖国
鎖国のコンセプトは、海外との絶交というイメージの物ではなかった。あくまでカトリックという宗教の弊害を嫌い、それを避けるための政策で、実際プロテスタントのオランダと交流を続けている。鎖国というだけで閉鎖的なイメージを持ってはいけない。ただ、その字面のせいでいつの間にかイメージが固定してしまって、内実もそうなってきてしまったのであろう。
p72 伊万里焼き
伊万里は秀吉の朝鮮出兵で連行した陶芸技術者たちが日本で技術を伝来したことで始まった。明の海禁政策と重なって、伊万里焼は世界で陶磁器の覇権を獲得した。これを世界の窓口になったのもオランダである。
p74 ナポレオン当時
ナポレオンの時代、オランダはフランスの支配下にあった。当時、オランダの国旗が掲げられていた唯一の場所が、日本の出島だったという。
p78 老化
日本はリアルに高齢化しているが、メンタル分野でも国家的に老化している。若者が老人のような思考をする。成長志向や挑戦欲がなく、社会が縮小する一方になってしまう。
やはり老人が多いから国家全体に保守的な機運がある。そうすると、和を貴ぶ日本人は足並みをそろえてしまう。だから若者も保守的に、内にこもり気味になるのであろう。多数派がそうあるべきと望むから。
p85 購買力GDP
日本のGDPを見ればまだ世界3位であるが、購買力平価ベースで見れば、25位と高くない。オランダは10位。韓国はすぐ下、香港、シンガポール、台湾は日本より上である。
日本は人口が多いからGDPが高いが、一人一人の購買力で見れば、貧しい人が多いということになる。
日本は国家のランキングに必死で、一人一人の生活の豊かさに目を向けない国になってしまっている。
p92 移民政策
オランダでは移民にオランダ語を習得しなければ移民資格を与えないとしている。イノベーション国家を目指すオランダは教育にも力を入れていて、移民にも高い能力者を求めている。
p98 ソーシャル・キャピタル
社会的人間関係を「資本」と捉える概念。
社会的なネットワーク、信頼関係、互酬性、参加意識、市民の力、価値観、多様性、帰属意識などによって構成され、豊かさの尺度になる。これが高いと、犯罪発生率が低く、不要なセキュリティ費用が減少し、効率的な資源配分が可能になる。などの効果がある。つまり、民度の高さってやつ。
p106 オランダの企業とプロテスタント
オランダはプロテスタントの国家である。しかし、国家経済のために宗教と国家は分離すべきだと結論した。それができるのも、国民が相互に信頼を持てているからである。これもソーシャル・キャピタルである。
p122 オランダの悪いトコ
自転車国家で放置自転車が日本の比じゃなく、景観を損ねている。
それと「文句を言う」ところ
p127 日本人に移民についてどうアドバイスするか
日本が移民政策を導入すると言ったら、オランダに慎重になるよう勧めるだろう。それよりも、女性の政治参加やダイバーシティの強化をまずは達成すべきである。それと、日本人の若者が海外に出たがらないことを改善すべきというだろう。まずは日本人が海外に出られるようになって��外人にオープンな国にならないと絶対に移民政策は爆弾になる。
移民を「労働力」としか見ていないなど、論外と言われえるだろう。
p133 ワークシェアのデメリット
帰属意識の低下、協同作業への意欲低下、仕事へのプライドの低下、熟練工の育成困難、などがある。また、企業に使い捨てにされる危険性も高まる。
日本も実質はオランダに次ぐレベルのパートタイム国家である。しかし、社会保障の制度が全然違う。
国がパートタイマーへのセーフティネットを強力にしてくれているから、モチベーションを維持できるし、会社へのビジネス的な信頼関係が良好に構築できている。
日本はそこを曖昧にしているから成功できない。
p137 安楽死と自殺
日本は自殺が圧倒的に多い国である。それでいて、安楽死を認めない。安楽死も自殺なんだから、毎年3万人も自殺する人を何とかすべきである。
安楽死を認めたら、もっと自殺者が増えちゃうのかな
p154 『ようこそアムステルダム国立美術館へ』
各所の意見が錯綜してなかなか改装工事が完成しない美術館のドキュメンタリー映画。オランダ人の「文句を言う」性質がよくあらわされた映画である。
オランダ人は良くも悪くも、思ったことを何でも言う。それが他人の利害を顧みないことでも平気で言う。たぶん日本でこんなに言ったら場がしらけるくらい、話にならないくらいずばずば言うのだろう。だから、議論が窮して改修計画がまったく進まなくなったのだろう。
p161 知を出し合える社会
北欧の国家は少人数ながらも規模ではなく、質を武器に国力を高めてきた。不確実性への挑戦(イノベーション志向)、人間中心主義、デザインや美的価値への理解など、日本もこういう知を出し合って創造していく、クオリティ国家を目指すべきだ。
p165 サービス経済
日本はものづくりが強みという観念はいまだに残る。しかし、日本のGDPの7割はサービス業である。実際、人件費の高い日本では製造業で儲けは出ない。これからはサービス業と製造業を組み合わせた「サービス経済」を発展させていかなくてはいけない。
モノだけでなく、コトにも力を注いだ、高付加価値のモノを作っていかなければいけないのである。
高付加価値を生み出すのは、「知」である。それも、従来の「答えのある知識」ではなく「答えのない知識」である。教育改革が必要とされる。
p170 産業分類はやめよう
産業構造は一次→二次→三次へと発展するとある。しかし、これからはもうそんな分類はせず、すべてが掛け合い、組み合わさった産業を作っていかなければいけない。安部さんはそれを全部足して6次産業とか言った。
p171 農業純輸出
農産物の輸出と輸入の差が一番大きい国はオランダで279億ドルある。日本は輸出23億ドルの輸入460億ドルである。アメリカは輸出927億ドル(世界一)の輸入747億ドルで純輸出は180億ドル程度である。
オランダは一次産業が一番強いわけではない。しかし、高付加価値を作りだし、農業で効果的に利益を作り出せている。
p174 部品屋とブランドショップ
日本はいつまでも部品屋から抜け出せ���い。優れたモノづくりで高性能な部品は作れるが、それで作られるiphoneのようなブランド品は発明できない。
日本はブランドショップを目指さなアカン。
p185 ポシビリズム
世界は多様に発展しうるという考え方。従来の分析決定論的経営へのアンチテーゼ。
それぞれの地域ごとの特性に合わせた経済開発を行い、そこに生じる不確実性を尊重し、むしろ不確実性を創造性で付加価値に転換していく、クリエイティヴな考え方である。
p196 コト・デザイン
日本に必要なのは、モノをデザインする力ではなく、コトをデザインする力である。
日本の家電製品はキレイで多機能ですごい。しかし、モノとしてはすごいが、コトとしては低レベルである。
消費者が必要としない機能まで盛り込み、独自性のない潔癖な見栄えは、抽象的な価値は低い。
抽象性にまで踏み込んだ価値の向上に努める能力を伸ばさざるを得ない。
p198 ドラッガー
彼の家系はイベリア半島からオランダに移ったユダヤ人である。かれもオランダ人。
p201 フリーエージェント社会
「仕事=会社じゃない」という意識が来る。
①副業の浸透(一つの会社に帰属する危険性)②働く単位が日から時間になる(真の成果主義へ)③人々のやる気を引き出す管理職(リーダーは管理から能力の活性化へ)④多様な働き方(テレプレゼンスやテレワークなど、場に囚われない労働)⑤大人な職場へ(面倒見の良い職場から、個人の自律を尊重する職場へ)
組織による効率化もあるが、技術の発展のおかげで、今は個による効率化の局面に来たということだな。
p211 日本のICTの失敗
日本人はメールの使い方を間違えた。メールは本来コミュニケーションを豊かにするためのものであるが、日本人はメールに頼ることで、非人間的なコミュニケーションをするようになってしまった。面と向かったコミュニケーションが大事なのに、すべてをメールで済ませるようになってしまった。
p213 ウェブは別物という意識
日本ではインターネット系の物を「ウェブ業界」と限定して、社会で隔離してしまった。自分の業界とは関係ないからとビビってしまったせいか、ウェブを他の物と連関させる発想が実に乏しくなってしまった。
p217 オランダの3要素
①人間中心主義… エラスムスのヒューマニズムも尊厳死の考え方も、この考え方があるからできる。オランダ人の考え方は、人間味をもっている。
②シナリオ的可能主義… 水害の国らしい考え方。不確定要素(自然災害など)に対して、希望的観測を持ち込まず徹底的に対策を練ること。
③個人主義的協業主義… 個人主義志向の人間ばかりだが、自分の利害が最大になるよう協業を積極的に推奨する考え方。アジア交易などでもこの考え方が、宗教に寛容になれた要因かな。
p229 教育
教育では小手先の知識や技術を教えてはいけない。オランダでは、社会とともに生きること、地域社会に必要なこと、それらを自ら考えること、が強調して教えられる。広い範囲の「公」ではなく、コミュニティへの「公」の意識が大事なのだ。
p235 ノーベル賞経済学者の大罪
という本がある。読んでみたい。
経済活動というのは、カネの計算や会計などの知識だけでなく、博愛と勇気・正義と節制・信仰と希望などの美徳も伴うものである。
p239 民の力はアートで生まれる
オランダでレンブラントなどの芸術活動が花開くとき、日本でも俵屋宗達などによる芸術活動が盛んになった。これらの芸術家を支えたのは富を集めた市民である。
市民は文化芸術を得て、さらに活発に活動していく。人々は芸術や文化によって力を生み出し、それをまた芸術や文化の創造に還元していく。
民の力を生み出すなら、芸術に投資すべきである。
______
オランダをまぁまぁ学べた。難しくなくてよかった。
同一価値労働同一賃金は難しいし、きっとオランダでも普及してるってわけでもないんだと想像する。ただ、そういう仕組みもちゃんとあって、正社員という仕組みもあって、やはり働き方の多様性があるってことだと思う。
とにかく、日本が賃金格差を是正するにはセーフティネットを超しっかり作るしかない。
最初のうちは企業に使い捨てされる人が多いはず。小泉さんの改革でまずそうなった。これからは次の段階で、雇用福祉制度の充実をガンガン進めるのだ。
投稿元:
レビューを見る
自ら土地を創り民主主義を生み出したオランダの「ポルターモデル」現実的な問題をソーシャルキャピタルのもと実践的に解決する思考と行動力。日本企業や社会に取り入れた方がいいと思う。