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職場の機微を描いた6つの短篇。いきなりリアリティあるエピが4つあり苦笑い、続いては女子らしい関係性が何とも可笑しく、最後は豪雨最中のさりげない触れあいがとってもいい。どれも違った面白さがあって良かった。
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表題作の「とにかくうちに帰ります」の主人公たちが口にする、「とにかくうちに帰りたい」という気持ちがコミカルでもあり切なくもある。
読み終わって、気持ちがすうっとラクになる感じがたまらない!
それにしても、津村記久子って誰もが身に覚えのある感覚を、リズミカルな文章で表現するのが本当に上手い。
彼女のブレなさ、大好きです。
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「小規模なパンデミック」を読みながら、インフルエンザかもと言いながらマスクから鼻を出して仕事している同僚を思い出し、思わず吹き出してしまう。わが職場が、小規模なパンデミックになりませんよう祈りつつ、小気味よい津村節にうなる。「つくづく誰もが普通の人で、悪くもなりきれないし冷徹にもなりきれない。面白くないけど、良くないことでもないのかもしれない。(p16より)」平々凡々たる日常だけど、悪くないなと思わせてくれる。
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会社勤めの経験がある女子なら
あるある~とヒザを打って共感するであろう人間模様。
「職場の作法」と「バリローチェの~」に登場する
田上さんと浄之内さんと鳥飼さんの三人組をずっと見ていたい!
とくに大事件も劇的なことも起こらないのだけど、
淡々と整然と描かれる日常がすとんと落ちてきます。
滋味あふれているというのでしょうか、
津村記久子さんの持ち味ですね。
表題の「とにかくうちへ帰ります」も
非日常的なことが起こった日の
日常風景という印象で、ホッと温かくなりました。
(収録)
職場の作法
(ブラックボックス/ハラスメント、ネグレクト/
ブラックホール/小規模なパンデミック)
バリローチェのフアン・カルロス・モリーナ
とにかくうちに帰ります
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すごくよかった。100%よかった。嫌いな部分がないかも。
職場での日々のちょっとしたいらだちとか、だれも知らないようなフィギュアスケートの選手のこととか、どうでもいいようなことをとりあげて、大きな展開とかあるわけでもなく、淡々としているのに、そのなかにものすごくいろいろな要素、とても大切な要素がつまっているような。台風で交通機関が止まって会社から駅まで歩いて帰るって話も、それほど大変なことになるわけでもなく、ちょっとした非日常って感じで、でもやっぱり、ものすごくいろいろ考えさせられるような。
どの話も読後感もよくて、なんとなくほっとする楽しい気分になるし。
好きというわけでもない仕事を日々こなして、仲がいいというわけではない職場の人たちとつき合って、毎日同じでとくに楽しいってこともないような、言っちゃえば冴えない人たちがすごくリアルで、すごく共感できて、すごくいとおしく感じる。
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適度に自分勝手で、適度にやさしい人たちが、豪雨のなか、オフィスから家まで歩いて帰ろうとする。コンビニが活用されちゃうサバイバルw。表題作がいっとう好きだけど、「職場のサバイバル」シリーズもいい。
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巧い巧い巧い巧い…巧すぎるぞ津村記久子!
何がどう巧いのか説明できる表現力が無いのがもどかしいのですが、例えば表題作の中でポテトを食べるシーンがありますが、その箇所を読んでる最中ずっと、ポテトを食べたくて仕方なくなりました。
それくらい巧い。
連作短編集プラス表題作ですが、どの作品も決して日常を脱却せず、文房具を返してくれないってだけの話、好きなスケート選手が心配ってだけの話、「早くウチに帰りたい!」ってだけの話。
そういう、表ではコミカルな描写なのに、必ずコッチを元気づける「ナニカ」を感じさせてくれます。
なんなんやろーこの感覚。俺だけ?
津村ブーム再燃であります。
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とにかく面白いので読んで欲しいです。「職場の作法」はあるあるの連続だし、「バリローチェの…」は昨今のフィギュアファンをよくあらわしています。表題作は悲惨な状況ながら登場人物たちに魅了されて一緒に切なくなります。子供みたいな大人と大人びた小学生のコンビが特に好きでした。
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表題作以外の連作のほうは、どうということはない、日々の職場でのささいなやりとりが妙にリアルでおかしみがある。ドラマティックな事件などそうそう日常には訪れないものよ…と納得させられてしまうのだった。
表題作は、ただ家に帰りたいだけなのに帰れない人たちが今実際に日本にいることが頭をよぎり、落ち着かない気持ちにさせられた。
表紙の二人が指差すものは何なのか、こちらも気になるところだ。
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著者は "会社" や "会社員" に材をとった作品をいくつか書いていて、これもそのひとつとして(そのカテゴライズが正しいのかはさておき)おもしろく読んだ。ただ、デビュー作の「君は永遠にそいつらより若い」がどうにも重いインパクトを持っていたので、較べるつもりはまったくなくてもついそれが基準になってしまうところがあるなぁ...
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こういうの好きだわぁ。
働く女性ならみんな、「そう、そう!」ってなるはず。
そこらへんうまいところのツボをきゅっと押さえてて
爽快な気持ちになった。
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そうそう、こんな職場ありそうですよね。
最後の話を読んでいたのがちょうど会社帰りだったんですが、その日は晴れていたのに、私自身も豪雨のなかの帰宅困難者のような気分になってしまいました。
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表題作はこないだ暴風雨の中傘なしで歩いて帰って死にそうになったことを思い出しながら読んだ。
サカキさん、かっこいい。ミツグも素敵な男子。
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津村さんは心の声の描写がほんとにうまいと思う。
仕事中に悪態つきたくなったり、相手につっこみいれたくなったり、自分にもつっこんだり。
ものすごく自然で、そうそう!そうなんだよ!
って同調できる文章がいっぱいです。
職場の同僚との距離感って絶妙で、会話も適度な感じの雑談で、でもたまに家でテレビみてて思わずメールしちゃう、というようなリアルな感じが良かった。
特に何か残る本ではないけれど、仕事のあいまに読むにはいい感じです。
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「職場の作法」も面白かったけれど「とにかくうちに帰ります」がとても良かった。部屋でくつろぎたい。それが1番の幸福。