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「静かなスポーツのすすめ」というサブタイトルに惹かれました。スポーツにムキになりがちなことを自覚している私は、いまと違う心がまえでスポーツと向き合えば、新しい世界が見えてくるかもしれない、という興味で手にとりました。
ニーチェやカフカを訳しているドイツ文学者が、岩波書店から出した本ですから、何か深みのあることが書いているのではないかと期待したわけですが、完全に期待はずれでした。ただ、無理しないでゆっくり走ったり、自転車こいだり、泳いだりするといいよ、自分はこんなことやってるよ、できるよ、と謙遜しながら自慢しているだけの本でした。ところどころに、著者の専門分野や大学教育に関連した話も出てきますが、著者のスポーツ哲学とのつながりはありません(あっても無理気味)。
これ、岩波が出版します? 普通、「いつもお世話になっている先生に申し訳ないんですけど、これはウチではちょっと‥‥」といって断りません?
自分勝手な期待をして、それが外れると突然噛みつく悪いクセが出ました。たんに著者ほど走れないしバタフライもできないから、ひがんでいるだけだろうって? う〜ん、そうかも。
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【本からの抜粋】
アスリートは、動作をはじめる前によく、フゥーッと息を吐く。
深呼吸をしているのだ。正しい呼吸法は、吐くことから始める。
ヨガの呼吸法も、吐くことから始めるそうだ。
筋トレをやった後に自転車こぎ(有酸素運動)をやり、
そのとき体内で燃えている糖と脂肪の割合を調べてみる。
自転車こぎだけの場合、体内で燃えるのは、糖80%に対し、
脂肪20%。しかし、筋トレ後の自転車こぎだと、脂肪の燃焼
割合が30~50%程度まで高くなったという。
それはどうしてか? 筋トレをすると、成長ホルモンが出る。
それをおいかけるように、血液中に遊離脂肪酸が増えてくる。
成長ホルモンがもつ高い脂肪分解作用によって脂肪が
分解され、遊離脂肪酸になる。脂肪は遊離脂肪酸の状態に
なると燃えやすくなるので、そのタイミングで有酸素運動を
すると、脂肪が効率的に燃えると考えられる。
人間は希望がなければ、生きていけない。しかし、希望だけ
では生きていけない。ゴールや結果ばかりを気にせず、
日常のこまごまとした営みを丁寧にやり続け、日常の
雑事をみがくとが、人間の日常をささえ、人間をささえて
いるのではないか。私の知るかぎり(といっても、私の世間は
狭いのだが)、毎日、家事を丁寧にやっている人に悪人は
いない。結果ではなく、プロセス。これは、静かなスポーツの
基本姿勢でもある。
「感想」
とっても読みやすく、かつ、スポーツに対する思いに
共感することが多かった。
スポーツも含めて、日常の「平凡な営み」を大切にしていこう。
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吉永小百合は毎日1km泳ぎ、1年365kmを目標にしてるとか。1947生まれ、ドイツ文学者の丘沢静也さんは、だらだら走ったり、のんびり泳いだりの頑張らないスポーツを続けて30年だそうです。「下り坂では後ろ向きに 静かなスポーツのすすめ」、2012.2発行、26篇のエッセイが収められています。「静かなスポーツ」は有酸素運動、「競技スポーツ」は無酸素運動。体脂肪を減らすには、筋トレ、次に有酸素運動の順。そして筋トレは、ゆっくりやる方が(苦しいけど・苦しいから)効果が高い。吐く、吸うの順番で深呼吸を! 「からだがほしがる」「からだが覚えてる」というように、からだは大きな理性だそうです(^-^) この辺になると哲学的ですね!
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毎日30分程度運動する気持ち良さのとりこ“運動習慣病”になっている著者が、気持ちよく運動し続けられるコツを綴っている。
エッセイなので、ふーんこういうおじさんもいるんだな、くらいに軽く読む感じ。
「体を動かす気持ちよさを味わう」ことが目的の「静かなスポーツ」、これなら運動やりたいなぁと思えた。
●競技スポーツの「より速く、より強く、より高く」を目標にするのではなく、そこから脱却すること。ラップタイムは測らず、ゆっくり走ればいい。秒数ではなく、30分の分数だけ見ておけば良い。
●結果よりもプロセスを意識する。走っている瞬間や泳いでいる瞬間のリラックス感や幸福感を味わう。