紙の本
実践的なスピーチの教科書。よいスピーチは事前の準備がカギである!
2012/04/23 15:44
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:サトケン - この投稿者のレビュー一覧を見る
『スピーチの教科書』、ずばり直球勝負のタイトルである。内容はまさに「スピーチの教科書」、定本として長く使われるであろう。オーソドックスな構成でありながら、取り上げられたスピーチの事例も、スティーブ・ジョブズの卒業スピーチと『ハリー・ポッター』の作者ローリングの卒業スピーチ、そしてブータン国王が日本の国会で行ったスピーチなど興味深い。たいへん読みやすく、すぐ実践につかえる内容のビジネス書になっている。
福澤諭吉が『学問のすゝめ』のなかで「スピイチ」あるいは「演説」として日本に紹介して以来、すでに百数十年がたっているが、スピーチは日本人にとってはまだまだ難しい課題であるようだ。ビジネスの世界ではプレゼンの重要性について語られることは多いが、リーダーとして行わねばならないのはスピーチのほうがはるかに多いだろう。スピーチといっても組織のなかで行うものもあれば、組織の外で行うものもある。3分程度のごく短いものもあれば、90分近くの長いものもある。著者はソニーの創業者盛田昭夫氏や出井前会長の下でスピーチライターをしていたプロフェッショナルである。
なによりも、本書じたいがスピーチの構造に基づいて作製されている。それは、オープニング(導入)、ボディ(本体)、クロージング(締め)の三段階構造のことだ。これまでもスピーチのオープニングについては「つかみ」の重要性として語られることも多かったが、重要なのは、なんといても本体としてのボディである。この本体をいかに構築し、聴衆に共感をもって聞いてもらうかがスピーチのカギであり、そのボディを構成し、原稿として書き上げるための方法論がくわしく解説されている。
クロージングが重要なのは営業活動でも同じだが、聞いたあとも余韻として残るスピーチは「締め」が重要だ。本書でも徹底分析されているが、ジョブズのスタンフォード大学の卒業式スピーチで有名になった「Stay hungry, stay foolish !」という締めのフレーズ。これは、ジョブズ自身が考えたオリジナルではないのにかかわらず、すでにジョブズの遺訓として長く語り伝えられていくことであろう。
オープニング・ボディ・クロージングというスピーチの三段構造は、スピーチにかぎらず、まとまった内容の話をしたり書いたりする際にも重要だ。ちょっとした文章を書いたり、ブログの文章を書く際にも応用できる内容になっている。インプットは大事だが、ビジネスパーソンには、なによりも書いたりしゃべったりするアウトプットが重要である。そしてしゃべるためには論理的に書くことが大事だという、きわめてオーソドックスでかつ真っ当な主張に基づいた「教科書」である。
ビジネスパーソンに限らず、ぜひテキストとしてつかってほしい一冊だ。
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著者の奥様が昔お世話になったクライアントでつぶやいているのを見て、読んでみたが面白かった。
「プレゼンテーションはスライドからスピーチへ」と。
確かに、プレゼンテーションはスライドの説明から、
スピーチの補助にスライドを使うようになってきている。
この本は、そのスピーチをどのようにするかについて、
あの有名なジョブスのスタンフォードでのスピーチを主な題材にしながら、
プランをつくり、原稿をつくり、練習をして、舞台に上がり、質疑応答まで、
懇切に説明している。私は、原稿をちゃんと書くと、読んでしまって視線が落ちてしまいいいと思っていなかったが、
著者は、心の安心として用意しておいた方がいいと。確かにそうだ。
著者は、4月にこの本についての講演を行うとのこと。この本を書いておいての講演は相当なプレッシャーだろう。
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■スピーチフレーム
1.感動は、抽象的な概念や高度な文学表現ではなく、体験談の中身や本音の告白など、スピーカーの生の人間性が感じられるところから生まれる。
2.締めくくり方で、スピーチ全体の印象が変わる。
3.人生は物語のようなものである。重要なのはどれくらい長いかではなく、どれくらいよいかである。
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タイトルに偽りなし、まさに「スピーチの教科書」。スティーブジョブズ氏のスピーチを主な例として、スピーチのHowtoをまとめられた良著。
著者自身はスピーチについての座学はないとのことだが、非常に体系的にまとまっていて分かりやすい。が故に綺麗にまとまり過ぎており、著者ならではの取っ掛かりが少ないのが残念。
エピローグが俊逸なだけに、ソニー社でスピーチライターとして活躍した方ならではの話を読んでみたかった。
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スピーチのテクニック、ノウハウ本としても参考になりますが、
それ以上に、人とのコミュニケーション、想いを伝える手法
として、非常に勉強になる本だと思いました。
聞き手に思いを馳せながら、語り手の人間性を込めてメッセージを
シンプルに伝える。とても大事なことですね。勉強になります。
スピーチだけでなく、面接や周囲とのコミュニケーションにも参考
になりますね。
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シンプルで読みやすい本でした。
基本的なことですが、スピーチを多く行う人はもう一度見直すのにいい本かと思います。
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直接語りかける言葉には、聞き手の心を動かす力があります。聴衆の感情と行動にインパクトを与えるスピーチづくりのコツをお教えします。主役はスライドではありません。あなた自身です。ストーリー構成から話し方まで、基本プロセスをすべて網羅。いますぐ使える、シンプルな入門書。(Amazon.co.jp)
とても論理的で分かりやすい内容だった。タイトル通り、スピーチするには絶好の教科書。著者はソニー盛田会長や出井社長の直属スタッフとして、スピーチライティングを100本以上手がけたプロフェッショナルライター。
本著はアップルの創始者スティーブ・ジョブスが、「伝説のスピーチ」を言われたスタンフォード大学の卒業式式辞を述べた内容をメインに分析・解説してくれる。iPadなど革新的なプレゼンをするのがジョブスのイメージだが、全く対照的な飾らないスピーチで多くの人々を感動させた。私も過去に見たことがあるが、新鮮な記憶と深い感銘が未だに残っている。
スピーチの構成方法を備忘メモ。
・ひとつのスピーチでひとつの想いを伝える。(ワンスピーチワンメッセージ)
・メインメッセージの構成 → オープニング→ボディ→クロージングという流れ。
・構成が難しい場合は、連想マップを描いて明確化する。
・オープニング → 聴衆の関心をつかみココロを通い合わせる。テーマとロードマップを示す。
・ボディ → いくつかのサブメッセージを用いて本論を展開する。
・サブメッセージは、ポイント提示型・問題解決型・ストーリー型のどれか。
・クロージング → メインメッセージを記憶に焼き付ける。
上手なスピーカーは、ボキャブラリーの多さや知的な文飾表現が優れていると思いがちだが、それは完全なる自己満足。いかに簡単な表現で、幅広い聴衆に関心を持ってもらい、感動してもらえるかがポイント。そのためにも、基本構想~アウトライン作成~言葉磨き~立ち振舞いなどの準備作業の大切さや心構えを教えていただけた。
話が長く言いたいことをウマく伝えられない方、人前で話すのが苦手な方は特にオススメです。
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僕は毎週月曜日に全社員に15分程度スピーチをする経営者です。スティーブ・ジョブスのスタンフォードのスピーチは毎週月曜日の朝に通勤中に聞きながら、今週何を話すか考えていました。スタンフォードのスピーチを毎週聞いていた自分にとって、こんなに素晴らしいスピーチの教科書はありませんでした。この本で得た内容で次の月曜日にスピーチをしようと思います。聞いている人たちにとってハッピーかはわかりませんが、少なくとも何を話すか重い気持ちだった自分は次の月曜日が楽しみでなりません。
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本当にスピーチする事になったら有益な本になる可能性も。
ただ、心をこめて用意して話す事が大切、という単純で難しい事を、自ら全うすれば良いと思う。
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無財の七施
アイデアの力
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本部長に読めとお勧めされた本。著者はソニー社長のスピーチの原稿を作成してきて現在は立ち上げたコンサル会社で仕事をしている。本書では、ジョブスのスタンフォード大学でのスピーチやJ.K.ローリングのハーバード大学でのスピーチを例に挙げ、印象に残るスピーチとはどういうものかを解明する。まず、スピーチはプレゼントは異なり、プレゼンテーションツールが主役となるのではなく、発表者自身が主役となるべきである。発表者が主役となるためには聴衆を巻き込む必要がある。そのためには聴衆は自分に何を期待し、場を与えてくれた主催者は自分に何を期待しているかを確認しなくてはならない。また、発表者は話す内容を暗記し(ジョブスのようにカンぺを持っててもよい)、簡単な言葉で聴衆に語りかけなければならない。スピーチの内容はまずコアとなる伝えたい唯一のことを決める。そのテーマに沿って、謝辞→オープニング→ボディ(次元があった内容3点ほど。例:過去、現在、未来)→エンディング(テーマの総括)と話を続ける。ジョブスの場合だと、謝辞:主催者に感謝の意を述べ、卒業生たちにエールを送る。オープニング:伝えたいことは3点だけだと伝える。ボディ:点と点を紡ぐ。愛と敗北。死について。いずれにおいてもテーマである「StayHungryStayFoolish」に即した内容となっている。エンディング:テーマを再度強調する。となる。本書を読みスピーチの極意の一端に気づけた気がした。今後スピーチする機会には本書で学んだテクニックを活かしてスピーチに望みたい。
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ピアノ発表会の練習の時に先生から最後の音をしっかり弾くと印象がよくなると言われましたが、クロージングの大切さはメインテーマの大切さでもあるんだなあと読んでいて納得しました。取り上げられたスピーチの事例も、スティーブ・ジョブズのスピーチ、と「ハリー・ポッター」の作者のスピーチ、ブータン国王が日本国会で行ったスピーチなどをどこが良いのか大変わかりやすく解説して、すぐ実践につかえる内容の久しぶりに読んだいい本です。
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ソニーの会長や社長のスピーチライターという経験。今は独立。こういった肩書を大きく書かれると、ちょっと色目で見てしまう。
しかし、それは杞憂。感情的でなく抑制が効いていて論理的。そういった話しか書いてない。好感。
スティーブ・ジョブズのスピーチから入って、その分析を著者なりの整理で行っていく。簡潔で分かりやすい説明、特にマインドマッピングの導入。
また、MECE、3C 、SWAT、 4Pなどのフレームワークについても触れる。
Martin Luther King Jr. 、オバマ、ワンチュク国王。特にワンチュク国王のスピーチが良い。
アウトラインを作り、フルテキストを作る。リハーサルを行い、第三者がチェックする。
最後に、自分の経験したソニーの重役のスピーチの話で占められている。森田会長と、出井社長。
ここではスピーチライターとしての心構えや、行動規範を経験から解こうとしているのだ。
こんな感じなんで、前提となる知識なく、この本だけで、きれいにまとまった本となっているのだ。
コンテンツとデリバリー。19
古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人を説得するスピーチの条件として、論理性(ロゴス) 、情熱(パトス) 、信頼性(エートス)を挙げています。24
スピーチの場、主催者の意図、スピーカーへの期待、主催者との接点。47
前後のスピーカー、過去のスピーカー。50
サブ・メッセージとは、メイン・メッセージを補足する、より具体的な複数のアイデアです。63
モンローの説得技法。①注目、②問題点、 ③解決策、 ④視覚化、⑤アクション。102
オープニングが大事。聴衆の関心をつかむ、聴衆と心を通い合わせる、テーマとロードマップを示す、感謝の気持ちを伝える。125
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感動をつくる 7つのプロセス ―
http://www.diamond.co.jp/book/9784478006641.html ,
http://www.sasakinet.jp/
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元ソニーでスピーチライターをしていたという著者による有名なスピーチの解説と、スピーチのストーリー作りやスピーチの基本を分かりやすく解説した本。
さすがに実践で鍛えてきた著者の強みを活かした解説は分かりやすい。プレゼンと言えばスティーブ・ジョブズがすぐに思い浮かべるが、本書もそれに合わせてジョブズ氏のスピーチを中心として、他の素晴らしいスピーチを紹介しながら解説がされていて、より実践的である。スピーチの構造を考える上で注意するべき内容も書かれているので、スピーチする機会がある人は一度目を通しておくと参考になる部分が多いと思う。
自分自身で意識していなかったが、自分のスピーチの良い点・悪い点が見えてきたのが最大の収穫だったと思う。
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オーディオブックで読了。
ジョブズ、ローリング、ネパール国王と事例のチョイスも素晴らしく、
ただのテクニック本などではなく、本当に大事な考え方の部分から書かれている。
今度は本で読んでみてもいいかも。
<メモ>
クロージングのパターン
①要約
②具体的な行動策を示す
③引用で印象づける