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2012年48冊目。
「聖人とは、努力し続ける罪人である。」
著書の中でマンデラ自身が語るこの一言に、この本のエッセンスが集約されていると思う。
「偉人マンデラ」ではなく、時に悩み、時に悲しみ、時に怒り、時に過つ、「人間マンデラ」の言葉の集積。
完全性ではなく、自分自身の不完全性に対する誠意こそ、マンデラに対して抱く敬意として正しい要素だと感じる。
マンデラの手紙やメモなど、公にならなかった本人の言葉が詰め込まれていて、本当貴重な一冊だと思う。
ただ、ストーリーとして読もうとするとかなり難易度があると思うので、事前にマンデラの自伝「自由への長い道」を読んでおいた方がいいです。
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ネルソン・マンデラの手紙と対話をまとめたもの。ネルソン氏を知っているものには氏に対する理解を深めるだろう。私は不案内のため個々の手紙類に余り興味が持てずに178ページで中断。私には、氏の生き方がわかる本の方が好ましい。
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バラク・オバマの序文 歴史の陰には恐れることより希望を選んだ人間がいる。過去に囚われるより進歩を選んだ人間がいること気づかせてくれる 「自由への長い道」は「自伝」とはいいながら、実は多くの人の手が入った共同作業だった
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1990年から1994年という期間は、南アフリカの歴史において、血と恐怖の時代だった。政治的暴力のために、何千人もの命が落としていた。
指導者がまずしなければならない仕事はビジョンを立てることだ。
アフリカ大陸は環境の大切さについて十分認識している。アフリカ大陸における環境問題のほとんどは、貧困と教育不足のせいである。アフリカには砂漠化、森林破壊、土壌侵食、環境汚染に対処する資源もスキルもない。
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500pにも及ぶ内容。マンデラが出した手紙、インタビューから集めた彼の言葉を収録している。言葉と言っても、一部を切り取った名言集のようなものではなく、かなり長めの言葉を集めている。本書はなんとオバマ大統領が序文を書いている。
マンデラがそのように人気を集めた理由は、やはり長く苦しい忍耐の中でも信念を曲げずにそれを貫き通した所にあるのだろう。そして、そのような目にあっても彼は高潔さを失わず、黒人と白人が調和する社会を目指した。
20年以上に渡る独房での生活とそこでの労苦は、想像することはできない。どんなに辛いものであっただろう。しかし彼は刑務所の中でも決して媚びたり気落ちすることなく、仲間達とともに正義のために戦い続けた。信念を曲げるくらいなら暴力や酷い仕打ちの方を選ぶ人間だったようだ。
マンデラは長い孤独の中でも勉学に励み、思索にふけり、決して自暴自棄にはならなかった。彼のような人物が最近までいたことは驚くべきことだ。マンデラほど強くはなれないかもしれないが、人間の鉄の信念が実った良い例として、勉強になることは間違いない。