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売国奴に告ぐ! いま日本に迫る危機の正体 みんなのレビュー
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紙の本
日本国民必読の書
2012/03/09 02:14
12人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:CAM - この投稿者のレビュー一覧を見る
評者は、TPPの是非については必ずしも明確な認識を有していなかったが、中野剛志氏の『TPP亡国論』(集英社新書)を読んで、「TPP参加など、論外です」という同氏の主張を、まさに目から鱗が落ちるような感じで納得した。
その後、中野氏による『グローバル恐慌の真相』(集英社新書)、『国力とは何』(講談社新書)、『日本思想史新論』(ちくま新書)を読んで、あらためて同氏の主張に共感を覚えている。 現在のような状況においては、「いわゆるマクロ経済指標だけを眺めていても仕方がない。もっと思想的、哲学的に、国家や市場の本質を見据えたうえで未来について議論を進めていくしかない。その際、有効なのが政治経済思想という、もっと総合的なものの見方です」(『グローバル恐慌の真相』19頁)という主張には、まったく同感である。
本書は、その中野氏が、「長きにわたるデフレで国民の多くが苦しんでいるというのに、この世界最低水準のエリートたち(日本の政治家、官僚、経済学者そしてマスメディア)は平気な顔をして、新たな政策やら改革やらを試してみては、デフレを悪化させるということを繰り返してきた」(「おわりに」)という認識の下に、三橋貴明氏と行った対談をまとめたものである。
本書の内容については、三橋貴明氏による「はじめに」の冒頭で、「本書は、現在の日本に蔓延している『TPP』『構造改革』『グローバリズム』『増税』『政治主導』などに関する情報のウソや歪みを暴き、そのデタラメの元凶を追求するとともに、歪みを解きほぐすことを目的に、諸問題を論じあったものである」と述べられているとおりである。
中野氏は言う、「かわいそうなことに日本人は、竹中平蔵。小泉改革的な『改革なくして成長なし』『痛みに耐えろ』式の構造改革か、旧社会党あるいは鳩山マニフェストのような、理論的積み上げもないまま、『弱者への思いやりや優しさ』を主張する“馬鹿げたお花畑サヨク”の2種類しか知りません。これではどうにもならない」(28頁)。
三橋氏に対し「デフレ、デフレ、うるせいよっ!」と言い放ったという元財務官僚、「TPPで物価が下がる」というような発言を行う元経産官僚、(「はじめに」)については、情けなく、悲しくなる。我が国のエリート(というより権力層)の近年における知的劣化はかなりひどいと言わざるを得ないのではないか。
「自分たちの国が売り飛ばされていくのを、これ以上黙って見ているわけにはいかない」(「おわりに」中野氏)。まさにそのとおりであろう。
現下、日本国民必読の書であると考える。現在の日本の公刊物、マスコミのなかで真の言論の自由が存するのは単行本分野だけではないか。
紙の本
是非読んでください
2012/03/03 21:47
5人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かあこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
お二人とも尊敬している先生です。最高に面白い本でした。なるほどそういう思考で官僚と政治家が動いているのかということがわかり、それによって、現状の政治の問題、経済の問題がより一層分かりやすくなっています。
今話題の方々の名前もずらっとでてきます。大丈夫かしら?と思うぐらい批判されていたりしていますが。
多分他では読めない内容だと思いますので、是非一度手にとってお読みいただければと思います。
紙の本
景気回復のための処方箋がここにあります
2012/04/11 00:36
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:setsua - この投稿者のレビュー一覧を見る
作家の三橋貴明さんと京都大学の中野剛志さんとの対談本です。この国の政策がいかに間違ってきたか、それを推進しているのは誰なのか、お二人の解説がとても面白いです。
出版記念講演の動画もyoutubeにあるようですからあわせてみるとより楽しいと思います。
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