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第一章
・美術史とは
「なぜそのような作品がその時代に書かれたのかを考える」ために学ぶもの
→美術史を学ぶ事で人間を知る。
※ 特に、識字率が低い時代は、共通理解をはかるためのツールであった
※ 美術を読むということは、コードを理解すること
第二章
・伝達記号としての作品の機能
→シンボル
→アレゴリー(あるモチーフ単体や、複数のモチーフを組み合わせることによって、抽象的な概念や特定のストーリーを表したもの)
例)カレル・ドゥジャルダンのしゃぼんだま・・・はかない命
→アトリビュート(固体認識のための「属性」、あるいはそれを示す要素)
例)聖ペテロ・・・ペテロに鍵をもたせることによって、福音書にでてくるペテロと認識させる
・イコノグラフィー
→「ある図像の成立過程とその背景をみる」
・イコノロジー
→「ある図像を選択した社会的・精神的背景をみる」
例)聖セバスティアヌス
イコノグラフィー:キリスト教の迫害
イコノロジー :ペスト菌の流行。一種の願掛けの対象
第三章
・美術史で重要な二つの過程
① 一次調査:ある作品に対して、「いつ、どこで、誰が、どのように」製作したのかを調べるもの
② マクロ的考察:一次・二次資料を踏まえて、美術作品がもつ“社会的”機能をしらべること →幅広い知識が求められる
例)トビアスの冒険:高利貸しなどの知識が必要
ミレーの落穂拾い:階級社会
・必要性はない限り、絵はかかれない p93
第四章
・近代の美術はほとんど、パトロン(芸術活動にお金を払う人) の存在があって、なりたつものであった
cf)p118 パトロンの変遷
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西洋美術について、その背景や技法など、様々な観点からの見かたについて、基礎的な部分を説明した一冊。
実際の鑑賞テクニックや、西洋美術の歴史についても触れているので、美術鑑賞の基礎を一通り学ぶことができる。
普段何気なく見ている絵画には、色々な時代背景などが込められているということを知り、次からは時代背景を意識しながら絵を見てみようと思った。
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西洋美術は識字率が低かった時代にメッセージを伝えるためのメディアの役割を果たしていたので、手掛かりや寓意を踏まえて鑑賞すると奥行きが出ますよ という本
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美術作品を正しく「読む」ために読むべき、西洋美術史の入門書。平易な文章と豊富な挿画で、「美術史」という学問領域について楽しく学ぶことができます。
識字率が低かった時代、絵画は芸術品であると同時に、 教会のメッセージや貴族の来歴などを世間に、あるいは後世に伝えるために必要不可欠なメディアでした。 こうした美術作品を「読む」ことは、当時の人びとの価値観を知り、社会の有様を知り、ひいては自分自身を知ることに繋がります。宗教対立と巨匠たちの作品、フェルメールの室内画を育んだ17世紀オランダの社会背景、ミレーが描いた「落ち穂拾い」の意味…。絵に込められたメッセージを読み解き、「きれいだなあ」で終わらない鑑賞を始めてみませんか?読み終わると美術館に行きたくなる一冊です。
(ラーニング・アドバイザー/図情 YAMAMOTO)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1430439
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美術「史」とは何なのか、というところからそもそも分かってなかったんだー、と気付かされた。
一枚の絵がなぜ描かれたのか、何が描かれているのか、描かれたモノは何を意味しているのか・・・ということを読み解いて積み重ね、時代背景とリンクさせることで、その絵の存在理由が明らかになる。とても興味深い。
風景画が流行り出したのは、鉄道の発達と富裕層の台頭で旅行ができるようになり、おみやげのポストカード代わりに買い求めたから・・・というのが印象的だった。
絵というのは今よりもずっと、とことんビジネス、経済活動だったんだなぁ。
学校の美術の授業では、創作よりもっと鑑賞を教えるべきだという説を読んだことがあるけれど、こういうのを読むと本当にそう思う。
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著者は「美術史」とは、「なぜそのような作品がその時代にその地域で描かれたのか」、また「なぜそのような様式がその時代にその地域で流行したのか」を思考することだと言います。
いつも美術館で絵を見ていて自分の中でもやもやしていたのはまさにこのことだったのだと気が付きました。
第三章「社会と美術」では、実際に絵画作品を取り上げ、その作品の内容や描かれた意味を当時の社会情勢や人々の生活から浮き彫りにしており、なるほど、と思いました。
こうやって作品を深く見つめることは、日常生活での洞察を深める訓練になりそうです。
自分の頭で芸術作品を考えるための視点とツールが用意されているので、美術館でただ作品を観るだけでなく、そこに自分なりのプラスαを求める方には良い入門書だと思います。
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美術には今まで興味がさほどなかったが、こういう見方があるのかと興味がわいた。
識字率が低かった時代、文字の代わりに情報伝達のために使われていたり、現代のように趣味でかかれることはあまりなくビジネスの色が強かったことなどおもしろかった。
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絵画を鑑賞するためには美術史を少しぐらいは知っておく必要がありそうだ。美術史を齧っておけば海外の美術館に行っても恥をかくことは少なくなりそうだ。
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美術史を勉強したかった自分にバッチリはまる最高の入門書だった。
美術の見方、考え方を丁寧に教えてくれる本。美術史とは世界史である。
美術館好きなんだけど、いつももやもやして不完全燃焼で帰ってくる事が多いが、次に行くときは少しは理解できそうな気がする。
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美術関連の本はいろいろ好きで読みましたが、
美術史の考え方やアクセスの仕方。考え方について
書かれてある本は初めて読んだかもしれません。
とても面白く読みました。
美術史はもっと広げていきたいなあと思える内容でした。
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池上英洋さんの「西洋美術史入門」を買いました。
今売れている「世界のビジネスエリートが~」の西洋美術史の本もいいですが、この本も「西洋美術史に高校生に関心を持ってもらえるように」との目的で書かれているため、とても理解しやすいないようになっています。
つづきはブログで
http://blog.livedoor.jp/masaathlon/archives/33071549.html
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中野京子の『怖い絵』シリーズが好きで、絵画の背景を読み解く美術史に興味を持った。入門書として最適ときいたので読んでみたけれど、なるほど読みやすくわかりやすい。巻末に推薦文献リストもあり、興味の程度に合わせて次に読むと良い本もわかり親切。
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池上英洋『西洋美術史入門』ちくまプリマー新書 読了。西洋美術鑑賞における基本的な素養を身に付けさせてくれる良書。なぜそのモチーフを選択して描いたのか、なぜその時代に成立させるに至ったのか。絵画に込められた意味を考えて、納得できる形で解釈できれば、美術鑑賞はもっと楽しいものになる。
2015/04/18
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中高生向けのちくまプリマー新書なので、読みやすい。
美術作品はただ眺めるだけでもいいのだが、作成された時代背景や、作家がどんな影響を受けたのかを知ることで味わいは格段に増す。そのことを再確認する良書。
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最近、美術館巡りにハマっているので指南書として。時代背景や社会情勢などがとても易しく解説されており読みやすい。
アートとしてだけでなく歴史的資料としての鑑賞の楽しみを提案してくれる良書。