紙の本
世界征服を捨てた魔族たち
2015/09/11 16:30
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
第18回電撃小説大賞銀賞受賞作、来田志郎「勇者には勝てない」。
最終決戦で魔王を追いこんだ勇者は、魔王復活を阻止するため異世界に追放することにした。勇者自身も犠牲にして…。そこには、魔王の配下だった三魔将も含まれていた。
そうしてやってきた異世界、つまりはこの世界で、三魔将たちは普通の高校生に生まれ変わっていた。北瀬鉄次郎は元巨人族の軍団長、相羽源治は元悪魔族の大侯爵、浦河克明は元合成獣の親衛軍団長なのだが、もはや世界征服など頭にない。17年も平和な世界で暮らしていれば、警察だって怖いし、社会的に抹殺されることも怖い。しかしそこに、もっと怖いものがやってくる。転校生として来た菅田香澄からは、かつての勇者が持っていた光の波動が放たれていた。
北瀬鉄次郎のことを追って詩吟部の部室にやってきた菅田香澄に即土下座をする三人だったが、幸いにして香澄に勇者の記憶はないらしい。だが万が一に復活することを恐れ、香澄が悲しい思いをして記憶を取り戻すきっかけにならないよう、三人は彼女に快適な生活を送れる様に気を使う。
とりあえず平和な学校生活が戻ったのも束の間、中学三年生の少女に転生した魔王・茉那がやって来たことで、元三魔将は震撼することになる。そして、かつての勇者の婚約者であり魔法使いだった女性も、一つ下の少女・君島望未も現れ、勇者の記憶を取り戻そうとする。
二巡目の世界に来た元ファンタジーの登場人物たちが、何でもない平穏を維持するために、勇者の記憶を封じたままにしておこうとする。そもそも、ゴツイ男性だった勇者が女子高生になっているということで、生理的な何かを感じないのかと疑問に思ったり思わなかったり。
そして、女子高生となった元勇者の前に現れる、元婚約者の少女。おいおい、そういう展開になっちゃうの?なんてドキドキしたりしなかったり。
二巡目のファンタジーという点では、「はぐれ勇者の鬼畜美学」の流れだし、異世界の魔王たちが日常を過ごすという意味では「はたらく魔王さま!」に近しい部分もある。
でも、イベントとして中途半端すぎて、異世界ファンタジーの二巡目という設定は特に生きなかったかな?ただの前世という設定でも十分な展開だと思う。
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今度の魔王・勇者モノはこうきましたか。まぁメインはどっちでもないけど。悪の権化たちも生き返ると見事に更生されるのは斬新ですね。魔王様なんて丸くなりすぎだろう(笑)ラストの展開は結構好きです。主人公が最後の最後に主人公らしくヘタレなかった感じはいいですね。
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なんかぱっとしない。
いきなり椅子から転げ落ちたり、土下座したりする主人公を信用する、
ビッチ感あふれるというか、頭のゆるい感じのヒロインで、
「ヒロインに前世の話はNG」という物語上の制約から
ほとんど全篇にわたって蚊帳の外なので、選評で「ヒロインが弱い」と
連呼されるのも致し方ない話でございましょう。
というわけで、この話のピークは全力土下座あたりで、そっからはとくに
盛り上がりもなく、という印象。
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もっとバトル物かと思っていたら、ほのぼの系だった。むしろビクビク系?
魔王と勇者が生まれ変わって、魔将軍3人が怯えながら日常を過ごしていく、感じ。
ぱっと見、主人公が誰か分からないが、特徴の無いのが主人公の法則でなるほどコイツかと。フラグの良く建つ主人公だ。 最近過食気味なので、 エロイベントがほとんどないのが良い。
魔王のデレはいつ来るんでしょうか。てか、この後続けられるか不明
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これも魔王と勇者の話。最近流行りなのでしょうか。
異世界で魔王一派は勇者に滅ぼされるのですが、命を奪われる間際に魔力でもって別世界へと転生し
其方で世界征服を企てようとしますが、それにも勇者が飛びかかる格好で干渉し、
更には魔王配下の3人の魔将までも絡み現代日本に人間として転生します。
転生は果たしたものの、魔王の魔力を持ってしてもそれが精一杯だった様で
人間となった3人の魔将は僅かに能力の名残があるだけの男子高校生に過ぎない存在に。
普通の家庭で育てられ、此方の世界を目の当たりにし、
彼らの魔王の先兵としての世界征服への情熱は萎えざるを得ません。
主人公の位置に立つ元巨人族の魔将は腕力の能力を僅かに残すが勉強意欲の高い高校生。
元魔族の魔将は動物を操る力があるものの、以前の端正な姿と異なる小柄で関西弁を操る高校生。
元合成獣は人ではなかったものが人として転生した為極度のマザコンで、
弱いブレス能力を残す高校生として。
そんな彼らがひっそりと過していた高校に勇者の証である“光の波動”を放つ転校生が現れます。
勇者が追って来た事実に怯える3人の前に現れた勇者の姿は見目麗しい少女でした。
既に魔王の先兵として世界征服を実行に移すだけの力もないと痛感していた彼らは
土下座で命乞いをしますが勇者には通じません。
勇者である筈の少女には事情が飲み込めていない様でした。
会話を交わすうちにどうやら勇者は嘗ての記憶をなくしていた事に思い至ります。
しかしどんな弾みで記憶が戻るかもしれず、元魔王の配下達は
勇者から発せられる光の波動によりダメージを受けつつも、
保身の為に勇者が悲しみを感じることにより記憶が戻らぬよう少女のフォローに努めるのでした。
そこに転生した魔王が意外な形で転生した姿を彼等の前に現すことに。。。
異世界から舞台を移すと言う意味では『はたらく魔王さま!』が既に評価を得ています。
作者も先行作品は意識したそうですが、此方は転生している事を活かそうとの意図が感じられます。
曾て異世界で暴虐の限りを尽くした魔王一派は人間を散々に苦しめ、
未だ覚醒していなかった勇者は、彼等に肉親や恋人を殺されることにより目覚め
魔王を倒すまでの力を得、それにより力を殆ど失った魔将達をして勇者を労る展開に導いてます。
それら設定はとても丁寧に考えられており、綻びは見られませんし、それなりに楽しめました。
何故勇者が記憶を失ったかは魔王の存在にも関わるのですが、
その魔王の転生での位置もなかなか面白いと感じました。
盛り上がりは後半の別の異世界からの転生者の存在でしたが、
その辺りの文章が幾分頭に入りにくい部分がありました。
面白いかなと感じる一方で、どことなく物足りなさも覚えました。
何処がどうと言うのではないのですが。
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なんか前回の銀賞受賞作「はたらく魔王様!」と、
似たようなコンセプトでしたねw
つかみの部分やキャラはなかなかよくて、「あ、面白いかも!!」
って思ったんですが、
なんとなく中盤が長く感じ、
落とし方もまあ、悪くは無いけどざっくりすぎ?
個人的には去年のはたらく魔王様のが面白かったかなと思います。
テイストは悪くないと思うんですけどね。
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元三魔将の3人が愉快ですね.
そして元勇者ちゃん可愛いわー.
元魔王ちゃんはアレだよね.
「ふふふ」って笑いが似合いそうですね.
で,アレだ.
前世語りをする新入生が気持ち悪いなぁ.
どう見ても邪気眼系厨二病患者ですありがとうございます.
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1冊のみ。魔将達の様変わりが可笑しい。香澄ちゃんに親切にしているようだけど、ほんとうは我が身大切の表れが、あまりに情けない。
続きがあっても良いと思いました。