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従来、有価証券報告書の過年度数値は、前年度のものをコピペするだけで、基本的にはいじれないものと考えられてきた。しかし、この過年度遡及会計基準を施行されたことにより、当年度財務数値の作成の基礎となる会計方針等が変更された場合、前年度の財務数値(比較情報)が芋づる式に変更されることとなった。
この点、勘違いされている方が多いのが、誤謬との関連性だ。前年度数値に誤謬があった場合、当該基準による修正再表示により当年度において訂正が可能かと思われるが、金商法適用会社については当局のキツイお達しにより許容されていないのだ。
過去の有価証券報告書に重要な虚偽表示があった場合は、訂正報告書の提出が必須であり、重要な虚偽表示とまではいえない水準の誤謬であっても、訂正報告書を提出せずに、当年度の有価証券報告書の前年度数値を修正再表示することは許容されないのである。
金商法上の開示制度においても過去の誤謬を当年度の有価証券報告書で修正再表示するケースが認められると期待されたが、実務上は不可能とのことである。