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幅が若干広めで真っ白な帯も、潔くていい。カバーのぷつぷつが、UVニス厚盛りになっていて、ーーエボラ出血熱(1967年ドイツ)、エイズ(81年アメリカ)、狂牛病(93年イギリス)、SARS(2002年中国)に次ぐ、つくられた“悪魔の疫病”No.5が突如、日本を襲った!--その名は、「新型カポジ肉腫」。ーーという始まりの小説内容にあっていいる。このぽつぽつがウイルスかと思うと気持ち悪し……。
ブックデザインは鈴木成一デザイン室
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新型ウイルスに向き合う医師たちの葛藤、また、医師として患者に接する時、常に誠実であるか、安心を与えるための欺瞞を口にするのか。今の医療に対して、久坂部さんの辛口メッセージも少し書かれている。
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(No.12-16) 医療ミステリです。
『銀行員の加納は数日間口の中の違和感を感じていたが、クリニックでカポジ肉腫の疑いがあるといわれ動揺。エイズ感染の心当たりなどなかったが、直ちに大学病院に診察を求めた。皮膚科の准教授・菅井医師の診断で深刻な病状であることが分かり治療を開始。しかし今まで知られたカポジ肉腫ではなく新型で、治療の甲斐なく急速に悪化していく。
為頼英介は5年前からウィーンに来て日本人会診療所の医師として働いていた。最近心配なのは強迫神経症的な症状を見せている音楽留学生の女性。精神科は専門でないので専門医に紹介すべきか、しかしウィーンの精神科医に日本女性を任せてよいものだろうかと迷っている。
臨床心理士の高島菜見子は保護司の石立聡とともに、仮釈放されたイバラのことを見守っている。事件のことを考えれば二度と会わないほうが普通だろう。けれど菜見子は正面から向き合うほうがむしろ安全だと考えた。もちろんイバラのことが心配というのもある。
イバラに絵の指導をしたいという三岸という絵師が現れ、その画風に少し不安を覚えながらも社会で認められるようになれればと賛成する。』
「無痛」の続きですね!無痛は2006年出版ですから、物語の中の時間経過は現実とほぼ同じ。
テーマはものすごく大きくて深刻です。医療の根源に迫るものだから。
この本の表紙に雪のような斑点が散っています。触るとなんだかぼつぼつと厚みが。うわ~、これもしかしてコロニー?菌の・・・。
新型カポジ肉腫のすさまじい病状には、かなり引いてしまいました。恐いです。病気のことを詳しく書けないのが残念。あまり説明するとネタばれになってしまうから。
新型カポジ肉腫のこと、イバラのこと、ウィーンでの怪しい会、この3つが絡まりあって物語が進行します。
良いことをしたいと思うようになったイバラに、逆の道を歩ませようとする人達が現れはらはらしました。
ラストでは胸に迫るものがあり、感動しました。
すごく面白かったのですが、しかし話がものすごく広がってしまって・・・。これ終わってませんよね。とりあえずの結果はありますが、いったいこれからどう展開するのか心配です。続編は書いてくれるのかな?また5年くらい待つんでしょうか。
これは出来れば「無痛」から読むことをお勧めします。
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医療エンターテインメントホラーってとこでしょうか。
読みながら、うなじのあたりがムズムズするような、うすら寒い感じを愉しんでいました。
皮膚病の描写も殺人のくだりも、描かれる悪意の数々も、リアルに気持ちが悪く、でも、本を放り出したいほどのえげつない感じはありませんでした。海外のエンタメホラーみたいな渇いた印象があるからかもしれません。
なんか続いてるっぽいな、と思って読んでましたが、『無痛』という前作があるようです。読んでないわたしも充分愉しめましたけど、できれば先に読んどいたほうがよりおもしろかったのかもしれない。あー、でも、続けて読むのは、ちょっとしんどそうだなー
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医療サスペンス?ミステリー?というのでしょうか?はらはらしながら読み進め、読了。
装丁の白い水玉が、途中でウイルスに思えてきて(たぶんそういう意図だろうけれど)、気持ち悪いな、と思ったり、三岸薫は明らかにあの美人画家がモデルだろうけれど、こんな風に書かれたらいやだろうな、とか時々ぼんやりとしてしまった。
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「破裂」「無痛」に続く、イバラシリーズ(?)第三作。
前作前々作から更に(色んな意味で)エグさグレードUP。
なんとか平穏に暮らしていた前作の登場人物たちが、それぞれに禍々しい人物に寄りつかれ、凶悪な事件に巻き込まれていく。
救いが少ないなぁ…。 巨大な組織を前にすると、ここまで悲惨を極めるか…恐ろしい…。
医療界の闇(ホントに闇)がここまでエグく描かれている作品も珍しい。
でも、著者の訴えたい事も随所に散りばめられてる。
そしてそれがいやらしく感じないのが、いい所。
いよいよ、完結かな。
に、してもすごいわ。
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新種の感染症が日本で発症。
フィクションではあるけれど、現代医療の問題を多く含んだ問題提起作。個人的には共感する部分多々あり。いろいろ考えさせられる作品でした。
他の作品でもそうだけど、外堀から埋めていく感じに進むため、途中までストーリーの全体像がつかめず、読むのが大変。…と言いつつどっぷりハマってしまったけど。
最後のオチはちょっと予測できたかな。
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『無痛』の続編です。医療化保護に対する作者の意見が反映されていてゾッとする話ですが、久坂部羊の医療シリーズは面白いです。
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気持ち悪くなるようなところが結構あったけど、医療に関する大きく重い問いが描かれてる。タイトルと音楽と装丁・・・う〜んよくできてる、読み終わって思わず唸ってしまった。
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初・久坂部羊さん。
表紙買い。
優しい色合い、雪の様な白いポツポツの向こうに赤ちゃんのおてて。
優しい気持ちになれるのかなーと思って読み始めたら、人間の卑しい所や想像したくないほどの病気の描写の数々!
引き込まれたの一言に尽きる。
Dr.為頼、イバラ、高嶋菜見子。
表紙の白いポツポツは雪じゃなかった。
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いろいろ皆さんの書評では賛否ありますが、知らない世界を知って面白かったですよ。最後のドタバタはもう少し何とかならないか、とは思いました。「無痛」との関連・・・?すっかり忘れてます。
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分厚いけど一気に読めた。
やっぱりグロかったけど現代医療の暗部や日本人の気質
いろいろ考えさせられる。
それにしても皆死に過ぎ、
あとラストがちょっとあっけない感じだったから星4つにしました。
装丁のボツボツの感触が読んでる間じゅう
気持ち悪~い臨場感があったよ(笑)
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医療の矛盾や、今の過剰な健康志向を逆手に取った犯罪。
医療に携わっている自分には、とても興味深く、勉強にもなる部分もあり面白かったです。
ただ、医療関係以外の人が読むには少し難しい言葉が出てくるのではないかと思います…
リアルな表現、話の展開 どきどきされっぱなしで どんどん読み進めました。
自分の中では、久々のヒットでした!
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読後感は必ずしも好みではないけれど、問題提起とかウィーンの仄暗い街の雰囲気とかが良かったです。無痛症のイバラ君がいたたましくて、誰か救ってくれる人がいないのかと祈るような気持ちでした。それにしても医療の世界は怖いですね。
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2012/07/31-購入
2016/05/16-05/22▶︎新型カポジ肉腫を感染させたメディカーサと無痛症のイバラの関係が今ひとつ理解できない。▶︎日本人は事実を知るために検査を受けるのではない。安心するために受けるのです。▶︎医学は科学だが、医療は人間学である。ヨーゼフ・ブロッホ▶︎癌や血液疾患の中には、治療が重症化の引き金になるものが少なくない。特にがんは、ある段階を過ぎれば治療が寿命を縮めるものが多い。▶︎