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分厚い翻訳本。レビューを読みに来ました
・「年をとるほど気分が明るくなる。感情を良くない方向に動かす刺激にあまり注意を向けなくなる」
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人生をよりよいものにすることに役立つとされる、いくつもの科学的な(感情心理学やら行動経済学が多いか?)知見を、物語風に描いている。読みやすい。でも、人生をよくするものは、単純なテクニックではない。だから、ふーん、そんなこともあるかもね程度に読めばよい。それでも、次なる時代への提案もあるから、まあまんざらでもない。
赤ペンポイント
・「男女とも、自分と民族的、社会的、宗教的な背景が似ている異性と恋に落ちる傾向がある。」
・「人は皆、自分の人生の特殊さを過大評価しているから、他人との共通点がいくつも続けて見つかると奇跡のように感じてしまう。」→実は探せばいくらでも見つかる。
・「なぜ人間は、めったに使うことのない余分な言葉を56,000語も覚えるのだろうか。それは異性を惹きつけるため」→すべての言葉は「私」の言い換えである。
・「専門家になるというのは、脳内の多数の情報を結びつけ、大きなネットワークにしていくことだと言ってもよい。学習は単なる知識の蓄積ではないのだ。情報と情報の間の関係を知ることも学習の大切な要素である。」
・「貧困とは創発システムである」
・大学が「文化資本」を与える。→そもそも、はなから同じようなハビトゥスを持ったっような連中が集まるんじゃないか、という気もするが、入学前までにハビトゥスを共有していなかったとしても、入学後に、大学がそれを共有する「空気」を提供していると言うことはできそうだ。「大学デビュー」とかあるじゃん。
・「人間は自分の頭で考えていると思い込んでいるが、実際には『文化が考えている』」→そりゃそうだ。超越できるわけがない。自分の文化に依拠しながら、どうやって主体的に、支点、力点、作用点を選択できるかってことが大事なのでは。
・「自分が優れた人間だという証拠になるものは誇張してとらえ、」→だとしたら、気をつけましょう。
・「合理主義的な思考には、いくつかの前提条件が存在する。一つは、人間が対象物を完全に客観的に見ることが可能である、という前提」→とんいかく、恣意的な前提を自覚しないことには始まらない。
・「変化の真の原動力は、認知負荷の増大」→「パートナーとしては自分と認知能力が釣り合う相手が望ましい」
・「年をとるほど気分が明るくなる。感情を良くない方向に動かす刺激にあまり注意を向けなくなる」
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NYタイムスのコラムニストによる著書。原題は"The Social Animal"。
架空の夫婦の生誕から結婚そして老後までのストーリーを通じ「一つのあるべき人生とは何か」を無意識の重要性を主軸に描く作品。フロイトにはじまる精神分析学派の思想が根底にあると思われる。
心理学という若干非科学的と思われがちな側面があるが、本著は最新の研究成果を引用しつつ、無意識という概念がどのように人間の行動に影響してくるかを伝えようとしている。
引用内容と主張の因果関係が不十分なところも多く、参考程度に読んでみるとよい。個人的には認知・判断・行動における男女の差についての記述が面白かった。
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両親の結婚、出産から始まる二人の主人公の一生と、その幼少期、青年期、老後そして死の各ステージで、脳にどのような変化が起き人格にどのような発達をもたらせているかを追う。
感情はどこからやってくるのか、という点を客観的に見つめることで、それに振り回されるということが、どういうことなのかを知ることができる。一方で、感情の存在が如何に高度であり、人生に色彩を加えているかという点も認識できる意欲作だと感じました。
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ぎっしり573ページ!でも、
こんなふうに生きて、そして死にたい。と思わせる本。
分厚いボリュームと「何の本なのか」が分かりにくいタイトルと序盤の書き出しで、途中何度も投げ出しそうになるものの、読み終えたとき、ふと、座っている今ココが、ふんわり暖かい感じになった。
「結婚生活の満足度は、一般にU字型の曲線を描いて変化すると言われる。はじめのうちは、だいたいどの夫婦もとても幸せに過ごす。しかし、満足度はその後、低下をはじめ、子供たちが思春期を迎える頃に最低まで落ち込むことが多い。その後は、低いままの状態が続き、仕事を引退するくらいの時期に再び上昇を始める」(p58)
まじでー?この先ほとんどナベ底のようなものなら、やっぱり結婚なんかしない方がいいんだろうかー(笑)
冷や水を浴びせられた気分になりながら読み進めて行くうちに、夫婦の物語はやがて子供たちの成長へと変わり、学校での葛藤、就職、転職、そしてまた結婚、と時間が流れて行く。
二世代の夫婦の物語の行間に、心理学や行動経済学、認知科学などの研究、ドラッカーやジム・コリンズなど様々な分野の知見が盛り込まれ、人生の様々な局面においての羅針盤となるようなつくりの本。人物の成長に惹かれて読み進めて行きながら、多量の原典のエッセンスを概観することができるようになっている。
惜しむらくは、巻末に原典一覧や索引が無いこと。読んでみようかな、と思われる方はぜひ、大量のふせんを片手に、気に入った部分をマークしながらじっくり楽しんで頂きたい。
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ストーリー形式になってて
自分の過去と照らし合わせながら見ることになって引き込まれて行くんですが
そんな引き込まれた先に、脳科学や心理学などの観点から科学的に紐解いてくれた知識を提示されてて腑に落ちやすかった。
そして普通だと読んだ本と言うのはその時に影響を受けたとしても日が経つにつれて薄れてきてしまう傾向にあるんだけど
この本は違くて、数日経った今でも無意識の大切さを色褪せることなく思い出せているところが凄いなと思った。
腑に落ちやすい
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二人のストーリーを絡めた点は、非常に読み易い。無意識については、色々な視点から示されいて幅広い考えてを得るきっかけになると思います
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無意識が人生に、どう影響しているのかを生まれ育った環境が大きく違う男女の人生を追いかけながら、脳科学、心理学、行動経済学、哲学などで説明されていて、とても興味深くて面白かった。
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脳科学、哲学、倫理、組織やコミュニケーション、教育学など生きていく上で誰もが直面する様々な困難への対応などについて、ハロルドとエリカいう夫婦の一生を題材に解説されているもの。科学的な分析や論文、名著などから事例等を引っ張っているが、ドラマ仕立てなのでとても読みやすく、m理解しやすい。通底するのは「無意識」の重要性。無意識なんだから意識してもしょうがない、そもそも意識できないのではと思いきや、意識を無意識化することが重要なのだそう。プロの技とはそういうものだし、これを日常生活にも生かそうというものかと理解。
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570ページのボリュームで、2015年に出た文庫版では上下巻分冊になってました。一気に読みきるのは少々大変ですね。。
内容は、最新の脳科学の研究結果を物語仕立てで解説するもので、著者はニューヨークタイムズのコラムニスト。生まれる前から最期までの物語を追っかける訳なので、長くなるのも頷けるかと。
大体は物語パートと解説パートが連続する形で進行していき、例えば、登場人物の子ども時代のエピソードの後で、親の態度が子どもの成育に与える影響についての最新の調査結果などが解説されるというものです。
物語パートは中流層に生まれた男性と、貧困層に生まれたマイノリティの女性の生い立ちから出会い、結婚からその後という流れです。冒頭に「史上最高に幸せなストーリー」と大きく出たので期待してしまいましたが、あくまで例ということで、そんなにドラマチックで面白いものではないです。。
解説パートは最新の脳科学の研究結果だけではなく、色々なものが出てきて(ルソーのエミールやら、アダム・スミスやら)、「うーん、風呂敷広いなぁ」という感じです。1行だけメラビアンの法則(これをもっともらしく拡大解釈して取り上げている本はあまり信用しないことにしています)っぽい記述があったような気がしたのですが、もはやどこか見つけられず。
長くてテーマが多い本なので、興味があるパートをつまみながらゆっくり読むくらいの気楽さが合うのではないかと。
そして、興味が湧いたパートはそれぞれの専門書を読んだ方が良いと思います。
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セルフコントロールは、単純な意志の強さだけでは実践できない。無意識は意思ではコントロールできない。
無意識を変えること=見方を変える=その存在を忘れる、または違うもの、と思う。マシュマロは偽物だと思い込む。距離を置く。
意思決定は三段階=状況の把握、選択肢の吟味、行動。
理性では選択、行動を制御できない。
最初の状況の把握を変える必要がある。冷静に正しく状況を把握する。
天才は作られるもの。能力は一種の記憶。努力で増やせる。
ヘルシーなものを買った後はジャンクフードを買いやすい=スーパーで果物や野菜から売っている理由。
出入口付近の店は売り上げが良くない=買い物モードになっていない。
レストランでは人数が多いほど食べる量が多い。
客はうそをつく。
人は過信しやすい。スポーツクラブに入会したときは、通えると過信する。自分が知っていること、知りえることも過信する。予測に自信があるほどトレードが多い。
晴れの日は幸せを感じる人が多い。自分に甘い=好きなほう、楽なほうに判断が傾く。
「私たちが耳に入れるのは、すでに半分知っている話だけ」
無意識はステレオタイプ。パターン認識しやすい。
無意識は数字が極端に苦手。数字で判断するときはじっくり考える。
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主人公は、ハロルドとエリカという架空の男女。生まれも育ちもまったく違う2人の誕生から、青年期、出会いと結婚、壮年期、老年期、そして最期の瞬間までをたどり、「無意識」が人間の一生にいかに大きな影響を及ぼすかを、脳科学、心理学、行動経済学、哲学などの先端諸学の成果から明らかにする。そこから浮かび上がる「社交する動物(social animal)」=人間にとっての理想の生き方とは?あなたの人間観を根底から覆す刺激に満ちた科学物語。ーー
人は生まれたときから死に向かって歩みだす・・そして、誰しも有意義な人生を送りたいと思うもの。その長い行程には失敗もあれば成功もある、そうした出来事から何を学び子孫に伝えていくのかは人それぞれに違ってくる。それなら、架空の登場人物に架空の人生を生きてもらって、そこから教訓を学ぼうというのが本書の目的です。
とはいえ、内容は原書のタイトル通り科学的というよりも行動経済学的だと思います。
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最近の心理学啓蒙書を集めて作った21世紀版『エミール』みたいな。心理学まわりの最近の話がいやってほど載っていてそれなりにおもしろいが、とにかく長い。いつまで読んでも終らない感じ。
人生の後半はなんか想像力が追いついてない感じ。まあしょうがないわね。